【ヘブバン×武装錬金】SunLight from the Memories 作:亜蘭作務村
【午前02*1 パピヨンパーク・庭園エリア】
豊後が異常に気づいたのは、逃げる動物型ホムンクルスを追いかけ、そして追い詰め、無事に撃破した後であった。
いつの間にか、山脇様達の姿が消えている。
「むむっ、山脇様がいないでゲス! もしかして迷子になったでゲスか?」
自らの状況を理解し、豊後は「しょうがないでゲスねぇ」とひとりごちながら
使い魔としての勘を頼りに。やってきた道の
「じゃっ♪ らら♪ じゃららららら~♪ じゃららら~♪ じゃじゃっ♪」
自らが作詞作曲した『世界を滅ぼす山脇様登場のテーマ』を口ずさみながら、豊後は一心不乱に進む。進む。
しかし歩けど進めど、中々山脇様は見つからない。一体どこで道草を食っているのか、或いはかくれんぼでもしているのか。
歩く。歩く。やっぱり山脇様は見つからない。次第に心細くなってきた。もしかしたら、迷子になったのは自分の方ではないだろうか?
そう言えば、
そしてあの時は、自分は独りではなかった。
だが今は
「山脇様……。――
無意識にか、それともあまりの寂しさに堪えかねてか、豊後の口から
その時、行く手を遮るように、大きな影が豊後の前に姿を現わした。
発達した両腕と小ぶりな本体、遠目には「M]字のようにも見えるキャンサーと、巨大な車輪のような形状のキャンサー。それぞれ一体ずつ。
どちらも見覚えがある。探索中、たまに出てきては山脇様と
そんな
「食らうでゲス!」
先手必勝。豊後は右手の
M字型が豊後に近寄り、丸太のように巨大な腕で殴りかかる。
地面に叩きつけられた豊後は鞠のように弾み、しかし猫のように空中で体勢を立て直し、両足で華麗に着地した。、
「や、やるでゲスね! でも
負け惜しみじみた科白を口にしながら、豊後は
銃口に光が収束し、放たれた弾丸がM字型に突き刺さる。が、やはり外殻に阻まれた。
M字型が両腕の先端を地面に突き立て、そのまま勢いよく振り上げて
掘り返された土石が豊後の頭上から降り注ぎ、ガリガリと鑢のようにデフレクタを削っていく。目や口の中にも土砂が入り込み、豊後は思わず咽た。
どうして? 豊後の頭の中は疑問と焦りに埋め尽くされていた。どうして上手くいかない。何で山脇様のように
銃のセラフを使う豊後とは相性が極めて悪い。だから山脇は豊後を戦わせなかったのだ。だが豊後は、それを識らない。だって
豊後は最後の手段に出ることにした。自身が持つ最強の
構えた
どこからか
豊後の身体が地面に叩きつけられ、そのままゴロゴロと転がる。咄嗟に受け身は取ったが、ダメージから身を護ってくれていたデフレクタは既にない。
傷つき、痛む身体を無理矢理動かし、豊後は立ち上がり――突如、猛烈な眩暈に襲われた。立っていられず、再び膝から崩れ落ちる。
ポケットから重たい『何か』が零れ落ち、カランと音を立てて地面に転がるが、気にする余裕はなかった。
セラフ部隊員にとって、
強力な力を持つセラフは、その反面、使用者に大きな負担を強いる。セラフの連続使用による心身の疲弊、その限界を知らせる
豊後は山脇の言いつけを思い出す。山脇様は言っていた。鼻血が出たらもう戦わないこと。デフレクタが尽きたら逃げること。
鼻血が出た、デフレクタも尽きた。逃げなきゃ……。山脇様の言いつけ通り。でも、動けない。身体が言うことを聞いてくれない。
ワイヤー種が空中で横倒しになり、ぐるぐると円を描くように動き始める。
円運動は次第に加速し、その直径も徐々に拡がり、段々と豊後へ近づいてくる。まるで悪趣味な
風切り音とともに何度も鼻先を掠めては遠ざかる
身体が動かない。だがそれは、疲労やダメージによるものだけではない。恐怖だ。間近に迫る、
「助けて、山脇様……」
縋るような呟きが口から零れ、涙が豊後の頬を伝う。そして遂に、ワイヤー種が豊後の首を捉えようとした、その時――。
「――危ないっ! ≪サンライトスラッシャー≫!!」
そんな叫び声とともに突如飛び込んできた『
ワイヤー種が錐揉み回転しながら吹き飛び、岩壁に激突。めり込んでそのまま動かなくなった。
一方、『流星』は直角に折れ曲がるように方向転換し、豊後へ急接近。あわや激突という間際、
目を焼くような、太陽の光を思わせる
恐らくセラフであろう、
どこかで見たことある。
少年が豊後に背を向け、
「いくぞ化物! オレが相手だ!!」
お読み頂きありがとうございます。
5話目にしてようやくクロスキャラの登場です()
ヘブバン1.5周年おめでとうございます