FGOで世界最強   作:紫道麻璃也

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UA70,000回突破!


新たな仲間

 愛子と清水を救った翌日、デビッド達も清水もまだ寝ている朝早い時間にハジメ達はウィルを連れていく為、ウルの町から出ようとしていた。

 ハジメが魔力駆動四輪を宝物庫から出してると、愛子と優花達が後方から走ってきた。

 

「南雲君!もう行くんですか?」

「すみません先生、こっちもそろそろウィルを連れて帰らないといけないので。清水が起きたら、また会おうと伝えてください」

「本当に、戻るつもりは無いんですね……」

「はい、まだ戻るつもりはないです」

 

 やはりハジメが皆の所に戻らないと口にすると、全員が少し寂しそうに俯いた。

 

「………ねぇ南雲」

「?何ですか園部さん?」

 

 そんな中、優花だけが何か決心した様に一歩ハジメへと進み出て口を開く。

 

「………私も貴方達と一緒に行きたい‼︎」

「………え?」

 

 優花の突然の言葉にハジメは硬直し、優花はそんなハジメをじっと見つめている。

 

「………ハジメ」

「………ハジメさん」

「………ご主人様よ」

 

 ユエにシア、ティオからの視線で何を言いたいのかを何となく察したハジメは、優花に確認を取る。

 

「………園部さん、僕達の旅はとても危険な旅かもしれない」

「うん、わかってる」

「………可能な限りは助けることもできるけど、状況にとっては助けられないかもしれない」

「頼りないかもしれないけど頑張る」

「………想いに応えられないかもしれない」

「大丈夫ユエさん達から話は聞いてる。私も白崎さんに認められる様頑張る」

「えっ………もう話したの?」

「………ん」

 

 ユエの言葉に頭を掻きながらハジメは最後に愛子に真剣な表情で告げた。

 

「……園部さんを連れて行くことに謝罪を。先生、世界が変わっても僕達の先生であろうとしてくれている事は嬉しく思います……。出来れば、これから何があっても………生徒の死があったとしても折れないでください」

 

 ハジメはそう告げてから魔力駆動四輪とシアの後ろに優花を乗せた魔力駆動二輪を走らせ、ウルの町を出ていったのだった。

 北の山脈地帯を背に魔力駆動四輪と二輪が砂埃を上げながら並んで南へと街道を疾走する。何年もの間、何千何万という人々が踏み固めただけの道であるが、ウルの町から北の山脈地帯へと続く道に比べれば遥かにマシだ。サスペンション付きの四輪は、振動を最小限に抑えながら快調にフューレンへと向かって進んでいた。

 車内で運転しながらハジメは清水の件での事でシアに感謝していた。

 

「シア、清水と先生の件は助かりました。シアの〝未来視〟がなかったらあんなに速く処置ができませんでした」

「いいえ、それ程でも〜」

 

 ハジメの感謝の気持ちが伝わったシアは嬉しそうにウサ耳をピコピコしていた。

 

「なので、何かお礼をしたいと思います。何か要望があったら言ってください。 でも、出来る範囲で」

 

 いきなりの言葉に、少し困惑するシア。仲間として当然の事をしたと考えていたので、少々大げさではないかと思う。「う、う~ん」と唸りながらシアは少し考えた後、にへら~と笑い、ハジメに視線を転じた。

 

「では、私の初めてをもらっ『却下‼︎』……冗談ですよ〜皆さん………私、そんなことしたら香織さんに出会ったらボコボコにされるかもしれませんし〜」

「……冗談も程々にしてよ?それと、シアは香織を何だと思ってるの?」

「アハハ……。では、ハジメさんデートしてください。フューレンに着いたら、観光区に連れて行って下さいね?」

「うん、わかったよ」

 

 そんな事を話してると隣の席のユエと後ろの席にいたティオが羨ましそうな視線でシアを見ていた。

 

「……良いな。シア、私もハジメとデートしたい」 

「そうじゃの〜」

「………私も」

「や、やめてくださいそんな視線を私に向けないでください恐いですぅ…」

「はぁ…ユエ、ティオさん。時間があったならデートするよ………園部さんもする?」

「……ホント?」

「ホントかの?」

「………いいの?」 

「………あはは、だから今回の件は勘弁してください」 

「ん、わかった」

「わかったのじゃ」

「楽しみにしてる!」

 

 そんな会話をしながら一行は中立商業都市フューレンへと向かった。

 

~〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 中立商業都市フューレンの活気は相変わらずだった。

 高く巨大な壁の向こうから、まだ相当距離があるというのに町中の喧騒が外野まで伝わってくる。これまた門前に出来た相変わらずの長蛇の列、唯の観光客から商人など仕事関係で訪れた者達まであらゆる人々が気怠そうに、あるいは苛ついたように順番が来るのを待っていた。

 しかし、そんな人々の耳に聞き慣れない音が聞こえ始めた。

 振り返ると見たこともない黒い箱型の物体と馬の様な物体が猛烈な勢いで砂埃を巻き上げながら街道を爆走してくる光景を目撃してギョッと目を剥いた。にわかに騒がしくなる人々。「うわっ魔物か⁉︎」と逃げ出そうとするが、箱型の物体と馬の様な物体の速度は想像以上のものであり、気がついたときには直ぐそこまで迫っていた。

 そして箱型の物体はギャリギャリギャリと尻を振りながら半回転し砂埃を盛大に巻き上げながら急停止し、馬の様な物体はゆっくりと停止した。

 停止した二つの物体──魔力駆動四輪と二輪を凝視する人々。一体何なんだと混乱が広がる中、四輪のドアが開いた。ビクッとする人々の事など知ったことじゃないと気にした風もなく降りてきたのは当然、ハジメ達だ。ユエとティオも人々の視線など気にした様子はない。ウィルだけは、「お騒がせしてすみません!」と頻りに頭を下げている。

 ハジメは、四輪のボンネットに腰掛けながら、門までの距離を見て『後一時間くらいかかりそうだなぁ~』と目を細めた。ずっと車中にいて体が凝りそうだったので、門に着くまで外で体を動かしたりなどしながら伸び伸びするつもりだ。魔力駆動四輪は、ハジメが魔力を直接操作して動かしているので、実は運転席に座らなくても操作難度が上がるだけで動かそうと思えば動かせるのだ。

 ハジメはボンネットに腰掛けながらそう思ってると二輪に跨っているシアが疑問を呈した。

 

「ハジメさん。四輪で乗り付けて良かったんですか?できる限り隠すつもりだったのでは……」

「もう、今更だよ?あれだけ派手に暴れたんだし、一週間もすればよほど辺境でもない限り伝播しているよ。いつかこういう日は来るだろうとは思っていたし……予想よりちょっと早まっただけのことだよ」

「……ん、ホントの意味で自重なし」

 

 シアの疑問に、ハジメは肩を竦めて答えた。今までは、僅かな労力で避けられる面倒なら避けるべきという方針だったが、ウルの町での戦いは瞬く間に伝播するはずなので、そのような考えはもう無駄だろう。なので、ユエの言う通り、アーティファクト類をできる限り見せないというやり方は止めて、自重なしで行くことにしたのだ。

 

「う~ん、そうですか。まぁ、教会とか国からは確実にアクションがありそうですし、確かに今更ですね。愛子さんとか、イルワさんとかが上手く味方してくれればいいですけど……」

「まぁ、あくまで保険だからね。上手く効果を発揮すればいいなぁという程度かもしれないけど。最初から、何とだって戦う覚悟はあるんだ。何かあれば薙ぎ払って進むさ。そういうわけで、シア。もう奴隷のフリとかしなくていいんだよ?その首輪外す?」

 

 その話は早々に切り上げ、ハジメはシアにも奴隷のフリは止めていいと、首輪をチョンチョンとつつきながら言う。手を出されたらその場で程々の返り討ちにしてやれ、もう面倒事を避けるために遠慮する必要はないと暗に伝える。

 しかし、シアは、そっと自分の首輪に手を触れて撫でると、若干頬を染めてイヤイヤと首を振った。

 

「いえ、これはこのままで。ハジメさんから初めて頂いたものですし……それにハジメさんのものという証でもありますし……最近は結構気に入っていて……だから、このままで」

 

 そんな事を言うシアにハジメは笑みを零した。

 

「じゃあ、もう少しオシャレじゃないと」

「え?」

 

 ハジメは、首を傾げるシアの顎に手を当てるとそっと上を向かせた。その行為に、ますますシアの頬が紅く染まる。ハジメはそんなのを気にせず〝宝物庫〟からいくつか色合いの綺麗な水晶を取り出しつつ、シアの着けている首輪、正確には取り付けられている水晶に手を触れて〝錬成〟をしていった。

 結果、黒の生地に白と青の装飾が幾何学的に入っており、かつ、正面には神結晶の欠片を加工した僅かに淡青色に発光する小さなクロスが取り付けられた神秘的な首輪……というより地球でも売っていそうなファッション的なチョーカーが出来上がった。

 

「……上出来かな」

 

 ハジメは、そう呟いてから、出来栄えに満足の表情を浮かべ、首を時折撫でるハジメの指の感触にうっとりしていたシアは、ハジメから鏡を渡されてハッと我に返った。

 そして、いそいそと鏡で首元のチョーカーを確かめる。そこには、神秘的で美しい装飾が施されたチョーカーが確かにあった。神結晶のクロスが、シアの蒼穹の瞳と合っていて実に美しい。

 シアは、指先でクロスをツンツンと弄りながら、ニマニマと口元を緩ませた。

 そして、ハジメの腕に抱きつくと、にへら~と実に幸せそうな笑みを浮かべながら額をぐりぐりと擦りつけつつ礼を言った。ついでに、ウサミミもスリスリと擦り寄る。

 

「…ん?」

 

 そんな事をしていると簡易の鎧を着て馬に乗った男が三人、近くの商人達に事情聴取しながらハジメ達の方へやって来た。

 

「おい、お前!その………黒い箱?とその………馬?は何なのか説明しろ‼︎」

 

 ハジメに高圧的に話しかけるが、ハジメはこのことも予想していた展開なので門番の男に視線を向けると淀みなく答える。

 

「これは僕のアーティファクトです」

 

 尋問を受けてると…その時、門番の一人がハジメ達を見て首をかしげると、「あっ」と思い出したように隣の門番に小声で確認する。何かを言われた門番が同じように「………そういえば」と言いながらハジメ達をマジマジと見つめた。

 

「……君達、君達はもしかしてハジメ、ユエ、シアという名前だったりするか?」

「ん?ああ、確かにそうですが……」

「そうか。それじゃあ、ギルド支部長殿の依頼からの帰り──ということか?」

「はい……もしかして支部長から通達でも?」

 

 ハジメの予想通りだったようで門番の男が頷く。門番は、直ぐに通せと言われているようで順番待ちを飛ばして入場させてくれるようだ。四輪と二輪を走らせ門番の後を着いて行く。列に並ぶ人々の何事かという好奇の視線を尻目に悠々と進み、再びフューレンの町へと足を踏み入れた。

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