3/5のデュエルプレイス   作:鎌足大

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pixivだけの投稿にしようとと思っていましたが、多方面の反応も見てみたかったので思い切って投稿しました。


プロローグ

Side三玖

 

 外は大雨の土砂降り。私は傘も差さずにひたすら走っていた。服が濡れようが水分を吸った服が体にまとわりつこうがかまわず走っていた。

 

 私は五つ子姉妹の三番目。上に姉が二人と下に妹が二人。同じ顔と容姿。それぞれが簡単に変装すれば他人では誰が誰だか判らなくなるぐらいそっくりだ。

 

 同時に私達は成績もよくなかった。勉強嫌いでテストはいつも赤点。そんな私達に一人の家庭教師がついた。

 

 上杉風太郎。私達が転校した学校の同じ学年で成績一番の彼に父が家庭教師をするように依頼した。

 

 勉強嫌いだった私達はあの手この手で反発したが、徐々に信頼を置くようになって私達はついに赤点を脱出、この頃には私達五つ子は全員彼に恋をしていた。

 

 彼には好きな子がいた。小学校の頃に修学旅行で出会った女の子。その女の子が私のすぐ下の妹、四女の『四葉』だった。

 

 学園祭の日、私達はそれぞれの場所に彼を呼び出した。そして彼が選んだのは、初恋の相手であった四葉だった。

 

 フータローと四葉が付き合いだしたことを私達は喜んだけど、でも私の中で何かモヤモヤした感情が燻り続けていた。

 

 ある日のことだった。私がマンションに帰るとすでに帰宅していた四葉の靴の横にフータローの靴が並んでいた。

 

 こっそり覗いたのが間違えだった。フータローと四葉そこで――――――キスをしていた。それを見た瞬間私の頭の中は真っ白になった。

 

 何で同じ顔なのにそこにいるのが私じゃないの?イヤ………嫌、イヤアアアアアアアアァァ!!!

 

 突然叫んだ私の声でハッとなった二人が私の方を見た。

 

「み、三玖……」

 

「えっと、その………」

 

 顔を赤くして困ったような顔をする二人。私はそんな二人と一緒にいるのが急に嫌になってすぐさまマンションを飛び出した。

 

「ちょっ!三玖、外は雨―――――」

 

 四葉が何か叫んだけど聞きたくなかった。

 

 とにかく離れたかった。いつも体力底辺なのに今だけはどこまでも走れそうな気がした。走って走って走って………どこに行けば良いんだろう?

 

 フータローに好きになってもらえるように勉強も頑張った。二乃にはまだまだ及ばないけどお料理だって出来るようになってきた。

 

 でも最終的にフータローが選んだのは四葉だった。私がつけいる隙なんかない。

 

 頭の中がぐちゃぐちゃになって一瞬最悪なことを考えてしまった。

 

 

『四葉を消して私が入れ替われば―――――』

 

 

 一年ぐらいの付き合いだけどフータローは私達姉妹の入れ替わりを見抜けない。上手く演じれば私がフータローと―――――。

 

 一瞬よぎったそれを私は頭を振り回してかき消した。

 

 フータローのことは大好き、フラれてもまだ大好き!でも………でもそれと同じぐらい、四葉も………みんなのことも大好きだから!

 

 こんなことを考える汚い自分が嫌になる。顔も雨なのな涙なのか判らないぐらいにぐちゃぐちゃになって前がよく見えない―――――。

 

 

ブブウウウゥゥゥゥゥゥ!!!!

 

 

 飛び出して先にいたのはトラックが目の前に現れた。

 

 これ………もう終わっちゃった。自分は車に轢かれて死ぬんだ。

 

 死んじゃうのは痛いのかな?天国のお母さん、きっと怒るだろうな。

 

 車と衝突する直前、私の目の前に光が現れて飲み込まれた。

 

 

 

 

 

 

Side???

 

 ……………あれ?俺何でこんなところにいるんだ?

 

 確か仕事を終わらせて帰る途中………そうだ!子供が車に轢かれそうになってるの見て助けようとして飛び出したんだ。

 

 子供は間一髪で歩道に投げて助けたけど………俺そのまま轢かれて死んじゃったんだ。(ガーンッ………!)

 

 まぁでも安い給料でこき使われて、理不尽に怒られて、稼いだ金も実家に渡す生活費やら支払いで半分以上飛んじゃうからな。実家の方は多くはないけど保険金降りるし、葬式やってくれればそれでいいや。

 

「死んでしまったのにずいぶんと冷静ですね。そういった方々はいないわけではないですけれど少数派ですよ」

 

 俺の目の前になんか中世ヨーロッパ風の格好した美男子が現れた。もしかしてあれか?天使とか神様か?

 

「その通り、私は死後の魂の管理をしている神の一人――――と言ってもまだ下級神ですが」

 

 神様にも階級とかあるんだ……てか普通に俺の思考読んでなかった!?

 

「肉体があるように見えますが、それは魂は生前、死の直前の姿を具現化している状態なので肉体はもちろん、身につけている衣服もあなたの魂がイメージで作り出した物です」

 

 シャー○ンキン○のオー○ーソ○ルみたいなもんか。

 

「んで俺はこのあと三途の川渡って十王の裁判受けてから天国か地獄行き決定するのか」

 

「本来ならそうです。しかし、実はこちらの方でちょっとトラブルが起こりまして、本来あなたはあと70年は何が起こっても寿命以外では死なないはずだったのですが、生者を担当している下級神があなたのデータを悪戯で故意に書き換えて本来の生を全うできずに死んでしまったのです」

 

 ……………はぁ!?じゃあ何か、俺の命はそのバカッターみたいな屑神によって70年分の命棒に振られたってことか!?ふざけんじゃねぇぞ!!

 

「お怒りはごもっともです。問題を起こした屑は発覚後すぐ捕らえて地獄最下層・阿鼻地獄にて1万年の刑罰後、何の力も持たない虫に転生させる刑に処されました。そしてこういったことは故意以外でも起こるのでそういった方々には救済措置が執られます」

 

 当たり前だ、人の命弄んでそのあと何も知らないなんて言ったら俺は閻魔大王にだって喧嘩売るぞ。

 

「売っても勝てませんよ。こういった場合、あなたには別の世界に転生してもらうことになります。可能な範囲で転生特典もつくので希望があればこれにご記入ください」

 

 バインダーとペンを渡された。用紙には転生特典希望と書かれている。

 

「ちなみに転生先って選べたりするんですか?」

 

「基本的に大丈夫です。過去にはファンタジーの世界に飛んで勇者やって国を作った人もいますし、巨大ロボットアニメの世界に飛んでパイロットとして活躍した人もいます。基本生前に大きな善行を積んだ人にしか行使されない権利ですが、今回は神による故意の死やこちらの不手際による死の補填保証ですね」

 

 保証してくれるなら何だって良いよ。とりあえずどこの世界に行ってみるかな……RPGゲームの世界は、嫌いじゃないけどあんまり危険な冒険はちょっと怖いし、かといってロボットのパイロットも趣味じゃないし………押しのヒロインに会いたいからってラブコメの世界に行ってもなぁ~、お付き合いや結婚できる保証もないし………待てよ。

 

「デュエル・マスターズ……てかアプリゲームのデュエプレの世界とかって有りか?俺子供の頃から大ファンでリアルの方は引退したけどスマホとPCでアプリのヤツやっているんだけど」

 

「えぇ可能です。希望があれば容姿や年齢も指定して行くことも出来ますが」

 

 良いことを聞いた。それなら俺の希望はこうだ。

 

 

・デュエプレの世界に転生

 

・姿は180㎝台の身長で細マッチョでイケメン、高校生ぐらいの年齢

 

・デュエル・マスターズに関する知識(今後のデッキ制作やコンボ構築のため)

 

・潤沢な資金と住処

 

・現実世界で見れたアニメや映画、ドラマに漫画や小説が見れるアプリが搭載されたスマホかタブレット

 

・デュエプレに実装されていないカードの生成能力。OCGでP殿堂解除した奴とかあるし。

 

・健康的かつ病気にならない身体。生前は太っていて30目前で糖尿病だったしな。これぐらいは許してほしい。

 

 

「………住処はなんとかなりますが資金は、少々上限を持たせてもらいますね。カードの生成能力はその世界にも適応という形で取らせてもらいます」

 

 相手にも益のある状態か、上等だ。もしかすればあの憧れの勝舞兄貴や死神・黒城凶死郞、白鳳やミミちゃんにも会えるかもしれない。ゲームには出ていなかったけど天地やNACにも会って戦ってみたいな。

 

「手続きが完了しました。すぐにでも転生できますよ」

 

「それじゃ、今すぐ転生を!」

 

「判りました。あなたの新しい人生に祝福を願います―――――『霧布田大輔(きりふだだいすけ)』さん」

 

 俺は光に包まれて転生した。憧れのデュエル・マスターズの世界に。

 

 そのときは知りもしなかった。まさか彼女と知り合い、共に戦うことになるなんて。

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