3/5のデュエルプレイス   作:鎌足大

5 / 8
仕事の合間合間でやっていましたけど、ごと花のゲーム三玖ルートクリア!

初回でGOOD ENDとれたけど、ノーマルEND取るときの選択が大変そうだ。

現在二乃ルートノーマルEND目指して頑張っております。

無関係ですが、来月のポケモンSVのDLC配信が楽しみです。


目指せ天辺!試練の塔に挑め

Side大輔

 

 『試練の塔』デュエマシティの中央にそびえ立つ塔で、ここにはデュエマシティを守護する『五守護』と呼ばれる各文明のエキスパートである5人のデュエリストが管理している。

 

 本来は立ち入り禁止で正式な紹介状がなければ中には入れないが、今の俺たちには入るための許可証がちゃんとある。警備員に許可証を見せればすんなり入れた。

 

「ダイスケ、大丈夫なの?」

 

「大丈夫さ、ただ強い人たちとデュエルするだけさ」

 

「でも、あんなこと頼んできたくせに、またテストだなんて………」

 

 

数日前、大輔が勝舞に勝った少し後―――――

 

「単刀直入に言います。私達に力を貸してください」

 

「力を貸す?別に構いはしないがいったい何をさせるって言うんだ?場合と内容次第によっちゃ断るぞ、俺にもやるべきことがあるからな」

 

 三玖を守る。それが今の俺の中での最優先事項だ。

 

「大丈夫です。それにこれはあなたやそちらの女性にも益があります」

 

 三玖にも益がある?

 

「まず場所を移しましょう。ここでは人目が多いですし」

 

 確かにな。俺達はエレナさんに連れられてアリーナの控え室に連れて行かれる。

 

「単刀直入に聞く。俺に何をしろと?」

 

「簡単に言えばデュエルによる治安維持ですね。このデュエマシティではご存じのようにデュエル・マスターズが盛んに行われています。しかし中にはデュエルを利用して悪事を働く人もおります。あなた方がこの町に来る少し前にジャマー団なる邪なデュエリスト集団が町中で暴れ回っていました」

 

 ジャマー団って確か超獣世界(クリーチャー・ワールド)や勝舞さんのいた世界につながるゲートを使って世界征服とか企んでいた連中だろう。

 

 実行部隊のリーダー『ロイ・マッカラン』は娘のように可愛がっている『JJ』を故郷である超獣世界(クリーチャー・ワールド)に帰そうとしていた。

 

「ジャマー団は以前からカード狩りと称してレアカードを町の人々から奪い、ついには『試練の塔』に侵入して保管されているレアカードを狙ったこともあります。そしてつい最近なのですが、彼らはデュエ粒子という特殊粒子を用いて異世界とつながるゲートを使って世界征服を企んでいました」

 

 おいおい、それってストーリーモード的にはEP8ぐらいの内容だろ!?ザキラとか悪・白凰こと『W(ホワイト)』をどうやって倒したんだ!?

 

「その時は、私たちの手でゲート開放装置を破壊してゲートがあった遺跡も崩落、ジャマー団は一部の団員が投降し、幹部も崩落に巻き込まれて事件は収束したように見えましたが、中途半端に開きかけたゲートの影響でクリーチャーが現れて町で暴れる事件が起こるようになったのです。しかもそれがここ最近になって増えてきているのです」

 

 なるほどな。状況はなんとなく理解できたが、それで俺にどうしろと?

 

「クリーチャーを押さえ込むには実体化させたカードで勝つことと、そして封印してカード化することなのですが、この力は真のデュエリストにしか出来ません。ご存じの通り真のデュエリスト同士のデュエルではクリーチャーが実体化して周りや本人達にも危害を加えますが、その逆もしかり。押さえ込めばカード化して封印できます」

 

 その口ぶりからしてもしかしなくても。

 

「………あんたも真のデュエリストか?」

 

「えぇ」

 

 彼女がデッキを取り出すと、デッキを持った手が光った。間違えなく真のデュエリストの証だ。

 

 突然のことだから三玖も目を丸くして驚いている。

 

「手とカードが光った……」

 

「真のデュエリストはデッキを手に持つとカードと手が光る。そして重要なのが真のデュエル、こいつはルールこそ普通のデュエマと同じだが、クリーチャーの攻撃は実体化するしシールドが割れればその破片でさえ周りに被害を出す。そしてそんな状態で負ければ命を落とす」

 

「っ!!………ダイスケ、帰ろう。このお仕事受けちゃダメ!だって私とダイスケは―――「真のデュエルと寿命以外では死なないですか?」……えっ、なんでそのことを……」

 

「これは最近、私の同胞である水の守護者がある天才科学者と共同で制作されたセンサーで判明しました。あなた方をそのセンサーで通して見れば、あなた方の肉体は本来デュエル中にしか発現しない真のデュエリストと同じ状態が常時発動していることが判明しました。そして水の守護者の意見では、これが常時発動であればデュエル以外で死ぬ可能性が寿命だけではないかという仮説も出ています」

 

 さすがに神様の加護とかって言ってきたりはしないが、それでも科学的なものと予測でそこまで当ててくるとはな。

 

「出来れば私達もあなた方を巻き込みたくない。守護者としては一般人のあなた方を守るのが務めですから。しかし事態は予想以上に逼迫してきました。守護者内でもシティに住む実力者に協力を仰ぐべきだという者もいます。今日私があの会場にいたのもそんな人物がいるかを確かめるためでした。最初は、勝舞さんにだけこのことをお願いしようと思っていました。しかし大輔さんは万全でなかったとは言え勝舞さんを破り、なおかつ真のデュエリストに目覚めた。戦力は多いに越したことはありません。ですからお願いします。この町の平和のために、力を貸してください」

 

 なんの抵抗もなく俺たちに頭を下げてきた。この町を守りたい気持ちは自ずと伝わってくる。

 

「………聞きそびれていたが、俺たちに対しての益とは?」

 

「まず報酬、これはDPを出来高払いとさせていただきます。そして権利、この町に存在する各種施設・店舗の優待・割引や無償利用。最後に、現在塔内で保管されているこれまでにカード化封印してきたクリーチャーや副産物で生まれた呪文カードの使用許可。封印されたカードの中にはまだ一般に流通していないカードも多数あります。これを使う権利をお二人に与えます」

 

 なるほどハイリスクに対してはずいぶんとハイリターンの待遇だ。しかも俺だけではなく三玖にまで与えてくれるなんて。

 

「それもう一つ、三玖さんには私達守護者が定期的にデュエルのことを教えます。デッキの構築から戦略も含めて任せていただけませんか?」

 

「条件がある。教えるときは俺も可能な限り参加させてほしい。今三玖は名前と自信のこと以外の記憶を失っている。知らない人間の家庭教師に囲まれるなら俺は安定剤として一緒にいたい。そこで信頼関係が出来ればあんた達だけでも任せられる。この条件を飲まなければ協力できない。俺の最優先事項は何よりも三玖だ。俺は、三玖の味方でいたい」

 

「ダイスケ……ダイスケと一緒なら、私は良いです」

 

「了承します。では後日一度『試練の塔』にお越しください。協力関係を得られても他の守護者が納得しなければ意味がありません。一番の解決法は、五守護者と同等かそれ以上の実力を身につけている証明をしてほしいです」

 

 

 

 はい回想終了。と言うわけで俺は実力を示すためにこの『試練の塔』に三玖と共にやってきました。

 

 背負っているバックパックには使えそうなカードを片っ端から詰め込んだ。五人と連戦するんだ、デッキ一個じゃ絶対に不利だ。

 

 様々なパターンのデッキを使えるようにこれまで買ったカードと新しく購入や生成して手に入れたカード、これだけあれば最強デッキも夢じゃないと言わんばかりのラインナップだ。

 

「きっと連中は市販されていないカードで最強デッキを組んでいる。やるなら出し惜しみなく徹底的にだ」

 

 扉が開き、長い螺旋状の通路を進んでいくとひときわデカい扉が現れる。扉には光文明のマークが描かれている。

 

 この辺は織り込み済み。ならこのデッキだ。

 

 扉を開けた先には、優雅にお茶をしながら俺たちを待ち構えるエレナさんがいた。

 

「お待ちしておりました」

 

「約束通り実力を示しに来た。特典云々よりも三玖の前で恥じかくデュエルはしたくない」

 

「よいでしょう。三玖さんはこちらでお休みしてください」

 

 エレナさんに促されて、先ほど座っていた椅子に座って世話係の女性が三玖用に新しい紅茶を入れてくれた。

 

「光の守護者エレナ、いざ参ります!」

 

 

 

No Side

 

 

先攻・光の守護者エレナ『光と水の鉄壁大精霊軍団』

 

         VS

 

後攻・霧布田大輔『隠し球有りの悪魔軍団』

 

 

 守護者とのデュエル第一戦目は光文明を主軸にするエレナ。

 

 序盤からマナを貯めつつキッチリと光のブロッカーで防御を固めてくる。4ターン目にしてエレナの場には3体の強力ブロッカーがそろい踏みであった。

 

 一方の大輔もお得意のマナブーストと墓地肥やしでマナ数の上では一歩リード。墓地も4ターン目にして5枚を超えた。

 

4ターン目終了時

 

エレナ

手札1

シールド5

マナ4(光・水)

フィールド3(ラ・ウラ・ギガ×2、ジル・ワーカー)

 

 

大輔

手札2

シールド5

マナ7(闇・自然)

フィールド1(青銅の鎧(ブロンズ・アーム・ドライブ))

墓地6(クリーチャー4、呪文2)

 

 

「私のターン。マナをチャージして『アクアン』を召喚。登場時効果によりデッキから三枚引いて光と闇のカードを全て手札に加えます。三枚とも光文明が入っているので三枚手札追加です、ターンエンド」

 

エレナ

手札3

シールド5

マナ5(光・水)

フィールド4(ラ・ウラ・ギガ×2、ジル・ワーカー、アクアン)

 

「(堅実に手札を増やしてくるな。こっちも手札が厳しい)俺のターン、マナをチャージし、呪文『邪魂創世』を発動。青銅の鎧(ブロンズ・アーム・ドライブ)を破壊して3枚ドロー、追加で呪文『デス・スモーク』発動っ!ジル・ワーカーを破壊、クリーチャーがいなければタップ能力も無意味。これでターンエンド」

 

大輔

手札3

シールド5

マナ8(闇・自然)

フィールド0

墓地6(クリーチャー5、呪文4)

 

「あえてクリーチャーは出さずに障害になるジル・ワーカーを破壊して次に繋げますか。なら今度はちょっと凄いことをしましょう。私のターンドロー。チャージして呪文『ヘブンズ・ゲート』超動!手札から光のブロッカーを2体召喚。降臨せよ『天海の精霊シリウス』を二体召喚!!」

 

 光のゲートが開き、現れたのは二体の巨大な戦艦のようなクリーチャーであった。

 

「『シリウス』!?T・B(トリプル・ブレイカー)持ちの超大型ブロッカーっ。これだから光デッキの相手は手を焼くんだ。あの手この手で強力な大型ブロッカーを並べて攻撃の隙を与えねぇ」

 

「本来シリウスを召喚するのには11マナを要しますが、これなら一度に二体も出せてお得ですね、ターンエンド」

 

エレナ

手札0

シールド5

マナ6(光・水)

フィールド4(ラ・ウラ・ギガ×2、アクアン、シリウス×2)

 

「俺のターン、マナをチャージし呪文『深緑の魔方陣』でMZ(マナゾーン)のカードをシールド化、そして残り5マナを使い『傀儡将ボルギーズ』を召喚、登場時能力で相手クリーチャーのパワーを-3000し、アクアンを破壊。ターンエンド」

 

大輔

手札1

シールド5

マナ8(闇・自然)

フィールド1(ボルギーズ)

墓地6(クリーチャー5、呪文5)

 

「『深緑の魔方陣』とは凝った手を使いますね。少ししか見えませんでしたが、S・T(シールド・トリガー)、それも強力な物を仕込みましたね。素早くシールド化しましたけど――――そのカード、闇でも自然もないですね?」

 

「よく見てるな。このデッキに8枚しか入れていない光文明の呪文だ。光相手するのに対策練らないと最悪負けるからな。特に大型獣並べて一斉攻撃かますようなデッキには特にはな」

 

「正解です。何を仕込んだまでは判りませんが、それでも光の進撃は止まりません。私のターン、呪文『ライトニング・チャージャー』でボルギーズをタップ、シリウスでボルギーズを破壊。ターンエンド」

 

 この手を見て三玖は不思議に思った。T・Bを持つシリウスがもう1体いるのにも関わらずなぜシールドを攻撃してこなかったのか。

 

「何でシールドに攻撃しないんだろう?」

 

「質問にお答えします。エレナ様のデッキは大型クリーチャーを大量に並べ、なおかつ切札であるカードの能力を使って相手の逆転の道筋を塞いで一ターンで決めるワンショットキルのデッキ。確実に勝てるのならいくらでもターンを飛ばします」

 

「それって………嬲り殺しにされるってこと!?」

 

「デュエルとは常に相手の得意をつぶしてなおかつ自分の得意を押しつけて勝利を得る戦略と駆け引きのゲーム。どこでどの札を切るかのタイミングが重要なのです」

 

 給仕の女性の説明を受け、三玖はまさか大輔が負けるのではないかと不安が募ってきた。

 

「俺のターン。呪文『ロスト・チャージャー』で俺のデッキからコストが一番高いクリーチャーを墓地に置く。ターンエンド」

 

「私のターン、4マナを使って『光輪の精霊ピカリエ』を召喚、デッキからカードを1枚ドロー、ターンエンド」

 

「俺のターン、『冥府の覇者ガジラビュート』を召喚、登場時能力で相手のシールドを1枚墓地に置く」

 

エレナ・シールド5→4

 

 ここまでかかったターンは8ターン。ようやく均衡が揺れた。

 

「よくぞシールドを破りました。普通のデュエリストであれば大概は私の鉄壁に阻まれてしまいます。でもその粘りもここまでです。私のターン、『ピカリエ』を進化、『精霊王アルカディアス』光臨っ!!」

 

 その姿は美しく、その姿は勇ましく、その閃光は全てを封じる封印の鎖。大輔が憧れる切札勝舞のライバルにして、レジェンドデュエリストのトップクラスの実力を誇る光使い『白凰』のエースカードが舞い降りた。

 

「アルカディアスが場にいる限り光以外の呪文を全て使えなくします。あなたはデッキにし除去系S・Tの呪文カードを多く仕込む傾向にあります。これで先ほど仕込んだ光の呪文以外は全て無効化、一気に決着をつけさせて貰います」

 

エレナの天使軍団が一斉に大輔のシールドを攻撃、最初の三枚をシリウスが破壊、S・Tの『デーモン・ハンド』が来るもアルカディアスがいるせいで使えない。最後の三枚も二体目のシリウスによって破壊される。

 

 そしてアルカディアスの手に巨大なエネルギーが凝縮されてとどめを刺そうとする。

 

「これにて終演で「カーテンコールをするのにはまだ早いぜ」えっ?」

 

「さっき俺が仕込んだシールド、あんたはせいぜい『ホーリー・スパーク』か何かかと思っただろうが、こいつは光文明の呪文の中で唯一敵を粉砕する呪文。だが使用条件が場にクリーチャーが6体以上いないと使えない呪文だ。大量展開して数が揃うのを待ってたぜ」

 

「まさかその呪文は……っ!!」

 

「ご名答。S・T発動、呪文『アポカリプス・デイ』超動っ!!場の全てのクリーチャーを破壊する!!」

 

 大輔の、そしてエレナのクリーチャーその滅光の光により焼かれ、灰となって消えた。

 

大輔・シールド6→0 クリーチャー1→0

 

エレナ・クリーチャー5→0

 

「残りのシールドはS・Tクリーチャー二体、『不浄の魔人ジャラ』を2体召喚。メタモーフの効果でブロッカーを得る」

 

 更に防御を固める。これで最悪1ターンはしのげる。

 

「俺のターン、『無双恐皇ガラムタ』を召喚してターンエンド」

 

大輔

手札3

シールド0

マナ9(闇・自然)

フィールド3(ジャラ×2、ガラムタ)

 

「あら?私のフィールドはがら空きなのに攻め込んでこないのですね?」

 

「俺だってS・Tが怖いからな。だから万全の状態で攻め込ませて貰う」

 

「そうですか。なら私のターン、『月光の守護者ディア・ノーク』と『鎮圧の使徒サリエス』を召喚」

 

「もう一度防御を固めるか。ならここらで決めないとな。このドローは正に重いっ!だが俺は引いてみせる、たとえ勝ち目が一%以下だろうと、壁が高かろうとも、乗り越えてみせる!燃やせ俺の、熱血デュエ魂っ!!」

 

 引き当てたカードを見る。

 

「俺の切札、来やがったっ!俺は9マナを使って『邪霊神官バーロウ』を召喚。こいつの登場時能力で、墓地にある『バロム』と名のつく進化クリーチャーを選らんでコストを踏み倒して召喚できる。『バーロウ』進化、出でよ究極の悪魔神よ!『悪魔神ドル・バロム』に超絶進化っ!」

 

 闇の靄が立ち込み、そこに現れたのは全てを飲み込む最強の悪魔神が姿を表す。

 

 その威圧感は相手だけではなく周りにいた人間達にも影響を及ぼした、

 

 本来コスト10で召喚さえ困難なクリーチャーを墓地から呼び出すのだから驚かれるのも無理はない。

 

「ど、ドル・バロム!?あの『悪魔神バロム』の上位互換のカード」

 

「なら能力も判るな。ドル・バロムが場に出たとき闇以外のクリーチャーとマナを全て墓地に送る」

 

 闇が広がってゆき、エレナのクリーチャーとマナを全て破壊し尽くす。

 

 一方の大輔は、ほぼ闇文明のカードで構築されているのでマナが少し減る程度の被害で済んだ。

 

「ガラムタでシールドを攻撃、ブロックされなかったのでこのターン俺の闇と自然のクリーチャーがアタックするシールドのS・Tは使えない。ドル・バロムで残りのシールドをブレイク!ジャラでとどめだ」

 

 闇のクリーチャーの一斉攻撃でエレナのシールドが全て砕かれ、ダイレクトアタックが決まった。

 

 

WIN 大輔

 

 

 こうして五守護者最初の戦いは大輔の勝利で終わった。

 

 

Side三玖

 

 デュエルを終えたダイスケが私の元にやってきた。対面するように椅子に座って給仕さんに紅茶を頼んでいた。

 

 さっきのデュエル、正直に言えば少し怖かった。あんなに大きな悪魔を呼び出してとても怖かったし、何よりダイスケが引き込まれそうな気がしてハラハラな心境だった。

 

「………怖かったか?さっきのデュエル」

 

 いきなり核心を突くような質問をしてきたので少しブルッと震えてしまった。

 

「俺がデュエマを始めるきっかけは勝舞さんに憧れたというのもあるけど、俺が漫画で注目してきたのがその前に立ち塞がったライバル達だ」

 

 確かにあの漫画は主人公の勝舞さんの前に沢山の強敵デュエリストが立ちふさがってきた。でも勝舞さんは仲間と一緒にそれを乗り越えてきた。時に楽しみ、時に笑い、時に泣き。デュエルを通して勝舞さんには沢山の繋がりが出来た。

 

「その中で一番惹かれたデュエリストがいた。それが死神・黒城凶死郎だった」

 

 あっ、途中で消えちゃったあの髪の長い怖い人。

 

「あの人があぁなったのは、ひとえに大切なモノを失ったからだ。家族同然に自分に優しくしてくれた人たち。帰る場所。信じた人の裏切り。あらゆる喪失を味わって孤高の死神になった。でも勝舞さんとの激闘を繰り返していく内に、失ったはずの人間らしい心を取り戻してきた。バロムはあの人にとって思い入れの深いカードだ。だから俺もあの人に恥じないデュエリストになりたい。孤独でも、自分に向き合ってくれる最高の強敵がいる。だからこそあの人はいつまでも前に進むんだ。きっとあ黒城さんは判って旅に出たんだ、勝舞さんが必ず生きていることを信じて」

 

 紅茶をすすっているダイスケはどこか穏やかだった。私は何も言わずに紅茶とお茶菓子のクッキーを食べる。甘いのは苦手だけど、砂糖無しの紅茶で上手い具合に甘さを押さえられた。

 

「見事なお手並みでした」

 

 エレナさんがニコニコしながらこっちに来た。

 

「まさかあのような手を打ってくるとは、まだまだ私も精進しないといけませんね」

 

「いやいや、俺だってギリギリでしたよ。あのとき手札にあの二枚なければ下手をすれば負けていた」

 

「運も実力のうちです。私を破ったので次の階層―――――火文明の扉が開かれます」

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