英雄は失墜した   作:トミザワ

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昔投稿していた作品のリメイクです


終わって始まる皆が知らない『裏』の物語

艦娘...突如現れた深海棲艦に対抗手段であり、人類の希望でもある。この艦娘の活躍により、日本近海の制海権は取り戻すことが出来たと言えるだろう。

 

しかし1年前、ある事件が発生した。それは艦娘を指揮する立場である提督が艦娘に対し性的暴行をすると言う事件が発生した。その後提督は憲兵隊によって逮捕された。

 

取り調べをするにつれて性的暴行だけではなく、理不尽な暴力や捨て艦作戦など艦娘に対して非人道的な行動をしていたことも判明した。

 

そしてこの事件が発生したのを皮切りに次々と他の鎮守府でも艦娘に対する非人道的な行動が報告された。

 

この一連の事件をきっかけに軍関係者らはこのような行為をしてる鎮守府をブラック鎮守府と呼ぶようになった。

 

 

 

艦娘たちの反乱を恐れた大本営は鎮守府復旧と艦娘たちの信頼を再度取り戻すべく、ある男を鎮守府に派遣した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その男は正義感が強く、とても優しい人間だった。

 

 

 

 

 

 

 

だが…

 

 

 

 

 

『ヒッ…』

 

『誰がお前なんかの指示に従うかよ!』

 

『ウチらの鎮守府に提督なんかいらないんだよね〜』

 

 

怯える者

 

 

 

 

罵倒する者

 

 

 

嫌がらせをしてくる者

 

 

 

暴力を振ってくる者

 

 

 

殺そうとしてくる者

 

 

 

散々酷い目にあった彼女たちの海軍への恨みは尋常ではなかった。

 

 

 

 

 

それでも彼は諦めずに艦娘たちに歩み寄った。

 

 

 

 

『さっさと出てけよ!』

 

 

時には殴られ

 

 

『キャハハハ!アイツ虫入りのカレー食べてるよ!』

 

 

時には食べ物に異物を入れられ

 

 

『間違えて執務室撃っちゃった笑』

 

 

時には砲撃で殺されかけ

 

 

『本当に私たちがあなたを信用したと思ったんですか?』

 

 

時には裏切られ

 

 

それでも彼は泣き言一つ言わずに常に笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

彼が着任してから半年後、彼の味方をする艦娘が現れた。

 

 

 

 

その事を皮切りに徐々にではあるが、彼を信用する艦娘たちが増え、遂に着任から一年半経とうとしてた頃には皆、彼に心を開いていた。

 

 

 

その後は彼の指揮下で艦娘たちは戦場に復帰し、次々と深海棲艦を倒して海域を攻略していった。

 

 

 

 

 

海軍上層部からは勲章を授与され、まさに彼は「英雄」そのものだった。

 

 

 

 

 

こうして深海棲艦の出現も減り、物語ならまさにハッピーエンドだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう『だった』のだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつからだろう

 

 

 

 

 

 

人の作ったご飯が食べれなくなったのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつからだろう

 

 

 

 

 

 

 

毎日悪夢にうなされるようになったのは

 

 

 

 

 

 

 

 

いつからだろう

 

 

 

 

 

 

 

胸が痛くなり吐き気がするようになったのは

 

 

 

 

 

 

いつからだろう

 

 

 

 

 

 

 

裏切られるのが怖くなったのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつからだろう

 

 

 

 

 

 

 

『艦娘』が怖くなったのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の心は限界だった。

 

 

 

 

 

 

本人もその事は理解していた

 

 

 

 

 

 

それでも彼は艦娘たちのために日々耐えていた。

 

 

 

 

 

 

なぜなら

 

 

 

 

 

彼は正義感が強くて優しい人間だから

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてある日

 

 

 

 

 

最悪な事が起きた

 

 

 

 

 

 

 

 

『提督!起きてください!』

 

 

『早く止血しないと!』

 

 

『早く医務室へ!』

 

 

 

 

 

演習中の砲弾が執務室に直撃したのだ。

 

 

 

 

 

原因はしばらくの間、艤装を使用してなかったが故の練度不足による誤射であった。

 

 

 

 

 

 

そう事故だったのだ。

 

 

 

 

 

 

だが彼は意識が遠のく中、こう思った。

 

 

 

 

 

 

 

コイツらは何にも変わってない

 

 

 

 

また裏切ったんだ

 

 

 

何故俺が毎回こんな目に合わなけれならないのか

 

 

 

俺のやり方が間違っていたのか?

 

 

 

 

なんで?

 

 

 

 

なんで!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしてみんな僕をいじめるの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日を境に『正義感が強く優しい』彼はこの世から消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それと同時に『英雄』が失墜した日でもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この物語は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鎮守府を復興させた『後』の物語である。

 

 

 

 

 

 

 




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