場面は戻り、西風騎士団の訓練場
「ダイジョブか蛍?」
「うん、ありがとね。パイモン」
カルトからの一撃をもらった蛍はパイモンから水をもらい休憩をしていた
「おい、時間がねぇんだ。とっとと立て」
「鬼かお前は!さっきまで蛍はノビてたんだぞ!?」
「あと10秒以内に立たなきゃ俺はもう行く」
「おまえな~~~!!」
「待って、待っていま立つから」
そういって蛍は立ち上がり、剣を構えた
「"ウィンドターボ"っていったかさっきの技。あれは正直悪くねぇ」
「え、」
「ただ"スピード"にも弱点がある」
「弱点?」
「それは動きがどうしても直線的になっちまう。だからさっきみたいになる」
「なるほど」
「雑魚相手だったらいい。だがある程度の強さをもった奴が相手だったら確実に動きを読んでくる」
それを聞いて蛍はある疑問をもつ
「でもカルトの動きは全然読めなかったよ」
「それはお前が単純に弱ぇからだろ」
「...突然の言葉のナイフやめて」
「事実だろ、まぁあそれ以外にも俺はスピードに緩急をつけているからな」
「緩急?」
「スピードを一定にするんじゃなくてある程度変化をつければ多少は読まれにくくなる」
「なるほど、そんな秘密があったんだ」
「まぁ、それでも読んでくる奴、バカみたいな瞬発力持っているやつもいるけどな」
「カルトが戦ってきた相手にそんな人がいたの?」
「ファルカとアイクだよ」
「「アイク?」」
ファルカの名前は聞いたことがある二人だがもう一人の"アイク"という名前には聞き覚えがなかった
「アイツはファルカの右腕でこの騎士団のナンバー2だ。俺は一度もアイツに勝てたことがない」
「「ええ!?」」
「チッ、余計な事言っちまった。おい、そろそろ始めんぞ」
そういってカルトも剣を構えた
「う、うん」
蛍は驚きを心のなかに置き、訓練に励むのだった
「ハァ、ハァ、ハァ」
蛍は仰向けになって倒れていた
「蛍ダイジョブか~?」
「もうだめ」
「チッ、しゃあねぇな」
そんな様子を見てカルトは蛍の元を去っていった
「アイツ、お前をこのままにしてどっか行っちゃったぞ!」
「まぁまぁ、訓練に付き合ってくれただけありがたいよ」
「でも正直以外だったよな、アイツがここまで付き合ってくれるなんて」
「うん、口調は厳しいし、容赦なく攻撃してくるけどわかりやすくアドバイスしてくれるし褒めるところは褒めてくれるしすごい充実した時間だったよ」
「アイツやっぱり案外いい奴だよな」
「多分いい人だよ。だってフィッシュルやベネットがあんなに慕っているんだもん」
「そうだよな」
このような会話をしているとある人物が訓練場にやってきた
「蛍、大丈夫?」
「バーバラ?」
バーバラ、彼女は西風教会のシスター兼モンドのアイドルである。水元素の神の目をもっておりそれを用いて人の傷を癒すことができる人物で、またジン代理団長の実妹でもある。
「バーバラどうしてここに?」
「カルトに言われてきたの、蛍がボロボロだから治してやれって」
「やっぱりアイツいい奴だな!」
「バーバラ、カルトは?」
「カルトは私と話したあとどっか行っちゃったよ」
蛍はバーバラに体中にできた傷を癒してもらうのだった
数分後
「こんな感じかな、どう痛みある?」
「もうほとんどないよ、ありがとうバーバラ」
「気にしないで、私にはこんなことしかできないから」
バーバラ表情を暗くした
「バーバラ?」
「蛍とさ、パイモンは彼...カルトのことどう思ってる?」
バーバラは今にも泣きそうな顔で尋ねた
「オイラはいい奴だと思うぞ!ちょっと怖いけど」
「私もいい人だと思う。ちょっと怖いけど」
「フフ、そうだねいい人だよカルトは。昔からね」
そういってバーバラは立ち上がった
「二人は昔、カルトになにがあったか知ってる?」
「知ってるよ。ジンさんから聞いた」
「...そっか」
「でもひどいよな!カルトはモンドを救ったのに皆から石を投げられたり、見捨てられたり」
「ほんとにそう、そのとおりだよ最低だよ私は」
「「え」」
「フィッシュルいや、エミとベネットそしてエルタはカルトを見捨てず、ずっと一緒にあろうとした。でも他の幼馴染はみんな彼を見捨てた。私もその一人なの」
と自嘲しながらそう告げた
「私は怖くなって逃げたの彼から。そして今も逃げてる」
そういってバーバラの目には涙が流れていた
「バーバラ...」
「あ、ごめんね!急に。私もう行くね!」
そういってバーバラは蛍たちの元から去ろうとした時、蛍はバーバラの腕をつかんだ
「蛍?」
「えと、私みたいな部外者が口出しするのは間違っているのわかってるけど伝えたい言葉、思いがあるなら伝えた方がいいと思う。」
「....」
「もしバーバラが後悔しているんだったらその思いの丈を全部カルトにぶつけよう?そうすればきっと道は開かれるはずだから」
「...そうだよね。ありがとう蛍」
バーバラは何かを決心した様子を見せ蛍たちのもとから去っていく
「バーバラ、心配だぞ」
「...きっと大丈夫、カルトたちはまた」
「他人の心配する前に自分の心配しろ、旅人」
「「うわ!?」」
すると後ろには鍋をもったカルトがいた
「てめぇには他人の心配してる余裕なんてねぇだろうが」
カルトは小言言いながら鍋を床においた
「おお~!すごい旨そうだぞ!」
「これは?」
鍋の中にはたくさんの豚肉の塊とじゃがいもが入ったシチューがあった
「コイツは騎士団でよく食われてるスタミナ料理だ
これ食って体休めろ」
「これお前が作ったのか?」
「まぁあな、感謝しやがれ」
「ありがとう、カルト」
「ありがとな~!じゃあ早速」
そういってパイモンがシチューを皿にいれようとした瞬間カルトはパイモンに軽いデコピンをした
「痛いぞ!なにすんだ!?」
「てめぇこそなにすんだ!?まだいただきます言ってねぇだろうが!!!」
「お、おうごめん」
((意外とそういうとこ律儀なんだ))
「俺たちは命をもらってんだ、最低限のマナーぐらい守りやがれ。次やったら殺すぞ。じゃあいただきます」
「「い、いただきます」」
こうして二人はカルトの意外な面をみて驚きながらもシチューを味わった。
「ぷは~!うまかったぞ!」
「あたりめぇだろ、俺がつくったんだ」
「ごちそうさま、カルト」
「今日だけの特別だ」
そう言ってカルトは鍋をもち、去ろうとする
「カルト!」
「あ?」
「勝とうね!」
「言われるまでもねぇ」
カルト笑みを浮かべながら去っていった
おまけ
「こいつ、どんな体してやがる」
「そう、だから食費がすごいの」
大量にあったシチューの6割をパイモンが食べる様子をみてカルトは驚き、蛍は愚痴をこぼした
「それはなんというか、まぁあなんだ、ドンマイ」
それを陰から見ている二人がいた
「カルトの手料理イイなぁー、俺も食いたいぜ」
「....いいなぁ」
読んでくださりありがとうございます!
シチューのイメージはサンジが作った「海ブタ肉入りホルモンスープ」です。