蛍の訓練の翌日、
モンド城の住民は冒険者協会と騎士団先導のもと清泉町への避難を開始していた。だがここで少しトラブルが発生していた
「なんで!?クレーだって戦えるよ!」
彼女の名はクレー、火花騎士の称号をもっている小さな騎士だ。だがいくら騎士とはいえ彼女はまだ子供だということで住民と一緒に避難してもらうというのが騎士団の最終決定なのだが彼女はこの決定に不満らしく騎士団本部で駄々をこねてしまっているというのが現状である。
「クレー、今回ばかりはダメだ。危険すぎる」
「でも、クレーだって騎士なんだよ」
ジンがクレーに何度も言って聞かせようとするがクレーはそれに聞く耳を持たない。普段だったら彼女の兄アルベドやガイアが宥めるのだが彼らはいま別の件で離れてしまっているためジンは非常に困っていた。しかも、ジンと一緒にいるのはおそらくこのモンドで一番子守に向かないであろう人物カルトだった。また、彼もこの様子をみてイライラしているのかとてつもない速さで貧乏ゆすりをしていたそして
「おい、ガキ」
とても威圧的な声を発しながらクレーに近づいた
「カ、カルトお兄ちゃん」
彼女に近づいたカルトはクレーの前にしゃがみ彼女のかばんについている「ドドコ」と呼ばれる白い生物のキーホルダーをなでた
「カルトお兄ちゃん?」
「お前にとってこいつはなんだ?」
「え、ドドコはクレーの大切な友達だよ」
「じゃあお前はその友達を危険な目に遭わせたいのか?」
「う~、じゃあドドコは避難させるよ!」
どうしても譲らないクレーをみてカルトは少し語気を強めた
「お前はその友達をさみしい思いをさせるつもりかよ」
「え、」
「お前がいない間ソイツは一人ぼっちになっちまうんだぞ、その時こいつはどんな思いをすると思う?」
その言葉を聞いてクレーはうつむいてしまった
「前、お前がソイツをなくしたいや、そいつとはぐれた時どう思った?」
「とても、悲しかったしもう会えないと思った」
「その悲しみ、苦しみをお前はソイツにも感じてほしいか?」
「そんなの絶対いやだよ!!」
「じゃあもうどうすればいいかわかるな?」
「...うん。」
そういって彼女はジンの方に向かうと
「ジン団長、わがままいってごめんなさい」
ジンに謝罪した
「いや、いいんだ。」
そういってクレーの頭をなでたそしてそのままカルトの頭もなでた
「撫でんな!!」
「すまん、なぜか無性に撫でたくなってしまった」
「てめぇは、俺の姉貴かなんかか!?」
その言葉を聞いてジンは手を腰に当て「そうだが?」と満面な笑顔で答えた
「...違うわ!!」
「カルトお兄ちゃんとジン団長って本当に仲いいよね!!」
「そんなわけねぇだろうが!、チッ俺はもう行く!おいてめぇも行くぞ!」
そう言ってカルトはクレーを持ちそのまま騎士団本部を出ていった。その様子をみてジンは一人笑みをこぼしていた。それと同時にこの戦いに勝ち、今のような平穏を守ってみせると改めてそう思うのだった
場所は移り、清泉町。
蛍たちは避難における手助けと護衛を行っていた。そこで彼女たちは思いがけない人物いや狼と再会する
「試練の時以来だな旅人よ」
「ボレアス!?」
放浪領の主であり、レザーの親である巨大な狼ボレアスがそこにいた
「まさか、ボレアスまで協力してくれるとは思わなかったよ」
「フン、レザーにあれほど懇願されたため仕方なくだ。本来なら人類などに手は貸したくはない」
それもそのはず先日放浪領の狼たちは清泉町の人間たちから攻撃をされていた、だがボレアスはここに避難してくる人たちを守るためたくさんの狼を引き連れてきてくれた
「栄誉騎士様?パイモン様?」
そういって蛍たちに近づいてくるものがいた
「ノエル!」
西風騎士団のメイド、ノエル。彼女は正式な騎士ではないためボレアス同様避難者を守るため派遣された。
「貴方様がボレアス様ですね。お初にお目にかかります西風騎士団メイドのノエルでございます。よろしくお願いいたします」
「そうか、ではさっそくだがノエルよ額をさしだせ」
「わかりました、こうでしょうか」
そうしてノエルは前髪をあげ額を晒した
「ああ、それでよい」
そういってボレアスはノエルの額にふれた。するとノエルはフラフラといった様子で膝をついてしまった
「ノエル!?大丈夫?」
「おい!ボレアス!ノエルに何したんだよ!?」
「私は大丈夫です。」
そう言いながらノエルは足をふるわせながら立ち上がった
「一時的だが我の視力を少し分けてやった、狼の視野は人間のより遥かに優れている。この目を用い戦場の状況を見て対応を変えていく、故に明日までにその状態に慣れてもらうぞ」
「...はい、わかりました」
「お前、そんなことができたのか...」
「そっかそれなら安心だね。じゃあパイモン」
「...おう」
蛍たちが清泉町に訪れる前にある話し合いをしていた、その内容はパイモンは清泉町に避難するかしないかだった。パイモン自身は戦えなくても何か自分にもできるのではないかと考えてたがギーグの力を目の当たりにした蛍はパイモンに危険な目にあわせたくなかった。そのためなんとかパイモンを説得し、彼女を清泉町に避難させることになった。
「...蛍、気をつけろよ」
「うん、大丈夫だよ!私にはまだやることがあるし、それにパイモンと色んなところに行きたいからね」
「約束だぞ!オイラ達はこのテイワット大陸をいっしょに旅するんだ!だから絶対勝てよ!!」
「もちろん!」
そういって蛍は小指をだし、それにパイモンも小指をだし絡めた
「「約束!!!」」
指切りげんまんをし、蛍はよりいっそう気を締めた
「じゃあよろしくね、ノエル、ボレアス」
「ああ」
「ここは私たちにお任せください!!栄誉騎士様もどうかご無事で」
「うん、じゃあ行ってくる」
そして蛍はモンド城にむかって歩き出した
IN騎士団本部
この部屋では騎士団と冒険者協会の代表が集まり、最後の作戦会議をしていた
「では配置はこれでいいだろうか」
「ああ、特に問題ない。だがまさかできたての側門の石橋がかえってあだになってしまうとはな」
「まったくね」
前々からモンド城は正門からしか入ることができなく、それにはモンドに住んでいる人々も不満に思っていた。そのため蛍たちが来る前には側門側にも橋ができていたのだが、それが今回のアビス教団進行を助けてしまう形になってしまった
「では正門班、側門班、城壁班、後方支援班の人員配置はこれで決定とする」
そういいジンたちは最後の作戦会議を終わらせ、騎士団本部を出ていき西風教会前に移動した。するともうそこには今モンドにいる騎士と冒険者の全員が集結していた。ジンは彼らの前に立ち言葉を述べていく
「明日はいよいよ決戦だ、モンドの未来は我々の手にかかっている!」
「「「はい!!!」」」
「我々は勝たなくてならない!モンドのため!そして愛するもののためだ!」
「「「はい!!!」」」
「この作戦の総指令として私がお前たちに伝える命令は一つだ」
ジンは自分の剣を天高く掲げた
「勝って必ず生き延びろ!!一人も死ぬな!!!!!!」
「「「オオオオォォォォォォ!!!!!!!!!!!」」」
ジンの言葉で士気は最高に高まった。そして
翌日、モンド城正門に黒い扉のようなものが現れた。
[この日を待ちわびましたよ]
そう言いながら、アビスの使徒ギーグが現れその後ろには緑色の鱗が生えているヒルチャールが大量にいた
「来たな」
ジンが正門班の先頭に立った
一方で側門、そこにも黒い扉のようなものが現れた
[今日ここで、自由の地は滅びる]
そういいながらギーグとは違うアビスの使徒が大量のヒルチャールとアビスの魔術師を引き連れて現れた。それを見て側門班のリーダーのアルベドは昨日側門班と話し合った作戦を実行するべく準備を始めた
「じゃあ皆、僕が岩創造物を出したら一斉に奴らに向かっていってくれ」
それを聞いてその場にいた、ベネットやエウルア、蛍そして冒険者たちが頷いた
「わかっているけど最初の3分は元素を使わないようにね」
そう言ってアルベドは上を向き壁の上にいるリサとアイコンタクトをとった
[でははじめましょうか,行け]
ギーグがそう命令すると鱗が生えたヒルチャールたちはジンたちに襲い掛かっていった
「行くぞ!全員死ぬな!!!」
そう言ってジンたちとヒルチャールたちが激突する瞬間、ジンの横をすさまじい何かかが横切りヒルチャールたちをなぎ倒していった。その正体は
「死ねぇええええええええええええ!!!!」
モンドの災害と呼ばれている少年カルトだった
[行け、お前たち]
アビスの使徒が魔術師たちに命令すると30を超える魔術師たちは杖に元素を込め
側門班に向かって一気に放出した。だが
「創成術・蒲公英」
アルベドが強大な岩の花の創造物を作り、その花は放たれた元素をすべて吸収してしまった
[なに!?]
この状況にアビスの使徒は驚いていた
「今だ!全員突撃!!」
そういって側門班は魔物たちに向かっていったそしてその先導を切るのは蛍だった
(
待ってて、パイモン)
ついに始まった決戦、
この日モンドに新たな英雄が誕生する
正門班 ジン(リーダー)、ディルック、ガイア、フィッシュル、カルト、騎士団
城壁班(正門)アンバー、モナ、騎士団魔術部隊
側門班 アルベド(リーダー)、エウルア、ベネット、レザー、蛍、冒険協会
城壁班(側門)リサ、スクロース、冒険者協会魔術部隊
後方支援 バーバラ、ロサリア、西風教会シスター
清泉町組 クレー、ディオナ、ノエル、ボレアス、放浪領の狼たち
「創成術・蒲公英」今作のアルベドのオリジナル技
この創造物は一時的に元素を吸収し別のエネルギーに変えることができるまた元素を限界までに吸収すると形が変化する
今回はオリジナル要素としてモンドの正門に橋をつけさせていただきましたていうか
モンド城橋一つだけって不便過ぎません?
ありがとうございました