1:俺もいるぞ! ☆ このスレッドへ返信
所見なんだけど
ここって
>>3
2:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
亜種
3:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
>>1
ソースコードが一緒ってだけ
4:俺もいるぞ! ☆ このスレッドへ返信
というかお前ら生きてる?実質botだろこれ
5:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
せやで
6:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
まあ実質掲示板形式で返答する生成AI(オフライン)だし俺ら
7:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
リターニアの術師らが情報くみ取れるようにキチキチに調整されてたからなー
8:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
プロンプト[掲示板形式]
9:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
IDは生体由来だから表示したら自演ってばれるのよねー
10:俺もいるぞ! ☆ このスレッドへ返信
主人格はこのサンクタでお前らは後付けのアーツユニットに詰め込まれた記憶の断片ってことで、実質全部ひとりごとだったってことでおk?
11:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
アーツユニットじゃなくて脳に転写
俺らのせいで元の人格吹っ飛んじゃったけどあの子が本体
12:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
人間の人格は積み重ねた記憶でできてるからなぁ
自分の記憶より他人の記憶のほうが多くなったら、「自分」はどこに行くんだろうな?
13:俺もいるぞ! ☆ このスレッドへ返信
自我とは思考ルーティーンの積み重ね
死者の記憶で溺れるのを避けるには、生者の記憶が欠かせない
身近な親しい人物を錨にしてようやく「自我」を保つことが可能となる
というか転写なんだ!?
14:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
>転写なんだ!?
驚くとこ、そこ?
15:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
ここに書き込めてる時点で普通じゃない気がするんだけど、スレ主もよくわかってないパターン?
16:俺もいるぞ! ☆ このスレッドへ返信
あっちのことは大体把握してるんだけど、まさかソースコード(アーツの原型)が同じというだけで直接カキコできるとは思わんだ
なにこれ怖っ…
とりあえず初めに彼女の経歴を簡潔に教えてくれ
17:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
アルニカ 27歳 イベリア西部リウビア村出身。 両親はイベリアで活動していたトランスポーターだったが、事故により死亡。
リウビア村は静謐から立ち直れず貧困に喘いでおり、アルニカは献身的な信徒としてラテラーノへ救済を求める。
しかし救済対象はサンクタのみと当てが外れ失意に暮れていた所、ドレスデン製薬が協力を申し出る。
アルニカは読めもしないリターニア語の契約書にサインしその14日後、彼女を含めたリウビア住民全70世帯121人は消息不明となった。
18:俺もいるぞ! ☆ このスレッドへ返信
イベリア難民の人身売買問題ときたかぁ
住人達は「何のため」に「どう」使われた?
19:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
「何のため」
源石の持つ情報を解析するためのパーツとして
「どう」
意識を取り出し感応伝達アーツの一部に組み込んだ
20:俺もいるぞ! ☆ このスレッドへ返信
源石に累積した情報を漁るための検索ツールの部品にしたってことね
ハイハイ
続けて。内容はそれなりに詳しく。
21:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
リターニアでは源石という手付かずのアーカイブから尽きぬ情報を得るため研究が重ねられていたが、その余りに膨大すぎる無差別な情報が汲み取りの障壁となっていた。そこで人間をフィルターにし、研究者に必要な情報のみを出力する手法が考案された。
度重なる実験を経て、ボリバル北東部にある地下源石鉱脈ミクトラン産の源石が最も安定して情報を分析できることが判明。CADUCEUSの通信中継ユニットに99%使用されていることから、天災を偽装し回収、分解。
取り出した源石情報及び、抽出、調整を行ったリウビア住民全70世帯121人の意識を被検体アルニカの脳に転写。
被検体の容体が安定したのちに解析が行われる予定だったが、貴重なサンクタの被検体を惜しみ実験の主任術師「混血」は「贋作」によって解析簡略化された「黒羊」の模造アーツを改良し編み出された自動源石無力化アーツの実験も並行するため特殊なアーツユニットを移植される。
これは源石の更なる研究発展の足枷となる鉱石病を無害なものにするため、アーツの才能を持たない人間の使い道として一部の選帝侯の指示の元押し進められているプロジェクトである。
様々な種族の被検体のデータを収集しているが、サンクタはアーカイブ上アルニカしか存在していない。この情報は3年間更新されていないため、正確性に欠ける。
22:俺もいるぞ! ☆ このスレッドへ返信
盗難!詰め込みすぎ!バカッ!
つまり要約すると
掲示板→脳に情報転写。塵界の音系案件
源石エネルギーの熱変換→アーツユニット埋め込み。ローキャン水槽系案件
ってこと?アークナイツ()詰め合わせパックやめろ〜〜
ドレスデン製薬ってさぁリターニアの選帝侯とクルビア軍部絡みじゃん
あーもうめちゃくちゃだよ。
「混血」ってあれでしょ?純血のリッチと純血のブラッドブルードの混血児のことでしょ?
なにも見なかったことにして帰っていい?だめ?
ところで彼女の記憶も見れたんだけど、予知夢も実験の産物?
23:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
否
高速演算能力を由来とする未来視はイレギュラー
24:俺もいるぞ! ☆ このスレッドへ返信
え
25:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
掲示板由来の膨大な知識による「神託」
源石エネルギーを熱エネルギーに自動変換する「奇跡」
が実験により彼女にもたらされた能力
隠密の才も研究施設から彼女を脱出させるために知識から集めたものである
「予知」はラテラーノの「アレ」由来の演算能力による偶発的産物
26:俺もいるぞ! ☆ このスレッドへ返信
ええ……?それってもうマジな聖女なのでは?とボブは訝しみ、その謎を解明すべくボリバルの奥地へと向かったーーー!
27:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
向かうな
28:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
「アレ」との接続理由は不明。
予知は以前から何度も実行されていたものの、自覚のない彼女には認識できておらず、稀に断片を拾う程度でしかない。
29:俺もいるぞ! ☆ このスレッドへ返信
サンクタたちの神様の加護受けちゃってる?
もしかしてアルニカちゃんの祈りが届いちゃったとか?
30:匿名オリジムシ ☆ このスレッドへ返信
「アレ」との接続理由は不明。
ただ、「アレ」は彼女を認識している。
◇◇◇
「ということらしい」
「なるほどわかんない」
1092年 12月 ボリバル,ドッソレス ウルサス料理店「ヴァレーニエ」
ドッソレスの繁華街から少し離れた路地に構えるこの店は、ボリバルでは非常に珍しいウルサス料理中心の飲食店。
夫婦二人だけで営む小さな店で、ボリバル人には馴染みのないウルサス料理ということから、歓楽都市にありながら知名度は殆ど無い。
だが、国内の争乱から国外に亡命したウルサス貴族の間では、故郷の味を懐かしむことが出来ると有名で、リピート客が非常に多いのが特徴だ。
そんな隠れた名店のドアにぶら下がる可愛らしいプレートが、本日貸切であることを伝えていた。
店内には店を切り盛りする夫婦、かわいらしい熊が描かれたエプロンをつけた厳つい顔をしたウルサスのイーゴリと、同じエプロンを身につけた赤いリボンで髪を結っているサンクタのイヴァンジェリスタ。そして、とんでもない大金で店を貸し切りにするなり、名物のサボテンケーキとウルサス式紅茶を頼んだ長身の男の計三人だけだった。
「いや待て、勝手に話を進めるな」
完全に蚊帳の外に置き去りにされていたイーゴリが声をあげる。
金持ちの気まぐれということで、貸し切りというのはよくあること。
しかしこのモーニングスターと名乗るリーベリは、ケーキを運んできたジェリスタに触れるなり突然彼女と話をさせろと懇願してきたのだ。
身なりからして、いきなり暴力を振るう野蛮人には見えないが、外見でその人の中身はわからないもの。イーゴリは興味津々に目を光らせた妻の意見を聞いて、しぶしぶ共に立ち会うことを条件に首を縦に振る。
その結果が、この謎の発言。
男はリーベリに似つかぬ尻尾を揺らし、好奇の目を夫婦へと向ける。そして曖昧な笑みを浮かべ、恐ろしいほど甘い紅茶で喉を潤す。
「搔い摘んで話すとね、君の奥方であるイヴァンジェリスタ君は、特別なんだ」
「奥方って言われた!やったーーー!」
「その実態は、サルカズ王庭とリターニアの洗礼された術式と常に進化し続けるクルビア産の技術が合わさった厄ネタオブ厄ネタ」
「厄ネタじゃないすか!やだーーーー!!」
飛び上がる勢いで喜んだと思いきや、突然明かされた彼女の実態にジェリスタは絶叫する。
「というか、みんなbotだったってこと???酷いんだけど??メッチャ生きてるふりしてたんだけど???」
「自我崩壊を起こした君が、健全に新たな自我を構築できるよう、彼らなりの配慮があったんだよ。ところで私相手だと塩対応っぽくない?誰も☆押してくれないし」
「健全。生き恥ウェディングドレスが健全!ちぃ覚えた」
聞き取れない言語入り混じる眼前で広げられる漫才のようなやり取りに、隣に座る夫は疎外感にガツンと頭を殴られる。
このなんとも言えない不気味さは、ジェリスタとどこか似たものを感じさせるではないか。
まさか……肉親!?
サンクタは純血でなければ生まれないことを知らないイーゴリは、突拍子もない想像に内心酷く慌てふためく。
初対面ながら、まるで昔からの知り合いのようにスラングで言葉を交わす二人の様子を、このウルサスはあまり冷静に見ることはできないようだ。
「わかるように説明しろ。あとジェリスタは変なこと覚えるな」
勝手に話を進められるのは面倒だと、妻の姿をこの不審な男の視界から隠す様にイーゴリはテーブルに身を乗り出す。
むぅ、と不満げに頬を膨らませる彼女の姿は愛らしいが、知らない話を目の前でされるのはあまりに居心地が悪い。
特に、知らない男と親しげにするなど許せるものか、と彼の嫉妬心を逆撫でしていたのだった。
「お前達は何者だ?」
苛立ちをあえて隠さないイーゴリは、2人を交互に見据える。
この男は一体何を知っている?何を企んでいる?もし何かあればただでは済まないぞ、と鋭い視線でモーニングスターを刺した。
戦闘経験を持つウルサス人の屈強な風貌から放たれる敵意。そこら辺のチンピラなら思わず後ずさりするような気迫。
対して優雅に紅茶を飲む男は、何も感じていないように飄敵意々とした顔で紅茶と一緒に出されたケーキを口内で崩す。
「改めて自己紹介をしよう。私は『モーニングスター』、CADUCEUS代表という枠割を持つが、今回はそれとは関係ない。君の奥方が不思議な力を持つと聞いて、個人的に足を運んだだけさ」
そう答えると男はケーキに舌鼓を打ち、持てる限りの賛美を並び立てる。
CADUCEUS?
CADUCEUSという単語が引っかかり、ウルサスは違和感に眉を顰める。どこかで耳にしたような気がするが……。
「妻のケーキを褒めるために来たのなら大歓迎だが、それ以外はお断りだぞ」
疑問ははひとまず脇に置き、イーゴリは男の真意を問いただす。
「うーん、私もそうしたいところなんだけども、こうして実態を知ってしまった以上何も伝え言わけにはいかなくなってしまってね」
再び紅茶を口に含み、爽やかな甘さと酸味の余韻を上塗りする。そうしてまたサボテン入りケーキという珍妙なスイーツを一から楽しむ。
あっという間にペロリと皿をカラにすると、モーニングスターは紅茶のお代わりを注文した。
お茶と
立ち上る湯気とほのかな茶葉の香りを浸り顔で楽しむと、モーニングスターは非常に高温の紅茶を冷ますことなく平然と飲み始めた。
「ではざっくりとイヴァンジェリスタ君について話そう」
「彼女は……、いやここは「アルニカ」と呼ぶべきだね。アルニカは貧しいイベリアの民で、貧困に喘ぐ故郷を救うべくラテラーノに赴いた」
「しかし、ラテラーノがその訴えに応じることは無く、彼女は失意に叩き落とされた」
「そんな彼女に救いの手を差し伸べたのは、とある製薬会社。彼らが持ちかけたのは、実験に参加するだけで村を苦しみから救うという甘い話」
「どう考えても怪しいが、彼女はそれに縋るしかなかった」
「結果、彼女含めた村人全ては実験の犠牲となり、村は完全消滅という形で苦しみから救われましたとさ。同時にアーツの負荷によって彼女の精神も壊れてしまう」
「しかし、ここでは終わらない。なんと実験によって生まれた特殊なアーツは、村人たちの意思を強く帯びており、彼女を導いて実験施設から脱出させることに成功したんだ」
「そして、雪原で君たちは出会い、壊れてしまったサンクタの器に、新しく「イヴァンジェリスタ」が生まれた」
「ここからは、既に回避された過去の話になる。君たちが新婚旅行にボリバルではなく、ラテラーノを選んだIFの話だ」
「ラテラーノ旅行はアルニカの失意の記憶を蘇らせ、2人の記憶が混じり始めたことにより心身のバランスは崩れていく」
「彼女に施されたアーツはかなり奇跡的なバランスで成り立っていた。それが崩れ、負荷やメンタルの傷により彼女は著しい勢いで弱っていった」
「安全な地への移住案は流れ、ウルサスでの生活が続き、ついに街全体を飲み込んだ暴動に巻き込まれてしまう。暴動の原因は色々あるが、大体が肥大化したレユニオン…大勢と縁を持ってしまったタルラが原因、と言えるかな?」
「イーゴリ君は友人を助ける最中暴徒に殺され、錨と呼べる人物を失ったジェリスタ君の衰弱は加速。亡き夫の名を騙ることで崩壊を免れていたと言っても過言ではない」
「結果として街を手に入れた暴徒たちはウルサス全体から狙われ、次第に散り散りに。残ったのは非感染者の排除思考が先鋭した戦闘員達と、それに相反する者たちによる二極化」
「感染者の痛みを取り除き、「予言」という複数の奇跡を起こすジェリスタ君が、「聖女」として使いつぶされることを危惧した君の友人が連れ出したは良いものの、感染者監視隊に見つかってしまい……そこで彼女のもう一つの人生はおしまい」
ここまで一気に話し終えたモーニングスターは、紅茶を冷める前に飲み干した。彼は最後だけ妙に言葉を濁らせたが、突然の情報の波を浴びせられた二人はそのことに気が回らない。
自分が死んだ未来の話をされ、それをすぐに受け入れる者なんてそうそういないだろう。ましてや、初対面の怪しげな男からさも実態に見てきたかのように言われて、はいそうですかと信じられるわけがない。
イーゴリも馬鹿馬鹿しいと首を振る。しかし、隣に座るジェリスタの顔は今までにない真剣な眼差しを湛えており、その小さな手はエプロンを強く握りしめていた。
「ジェリスタ」
サンクタはぴくりと体を震わせる。
急に夫が自身の手を握り、ジェリスタの潤んだ瞳を覗き込んでいたのだ。
「もしもの話に呑まれるな」
今にもどこかに消えてしまいそうなサンクタを、血が滲みかねないほど強く強く握りしめる。
その痛みと手から伝わる熱が、彼女をもう一つの人生から引き戻す。
自身からこぼれ落ちた記憶を聞かされ、再び胸に込み上がる深い悲しみ。
彼女の潤んだ瞳からこぼれ落ちる慟哭を、イーゴリはその広い胸で受け止めた。
ジェリスタが落ち着くまでの少しの間、モーニングスターは紅茶を楽しみつつゆっくりと待つ。
そして頃合いを見て、彼は再び口を開いた。
「おそらく君は、「アレ」の演算能力を無意識に拝借している。高度過ぎる予測演算は、未来予知と変わらない。君の予知夢は予測演算の一例だが、君が夢だと自覚しなければ持ち帰ることはできず、予測演算の視点である君の自意識は帰還できない。要するに夢を見ても目覚めたら思い出せないパターンだよ」
「やっぱり全然覚えてないけど、ものすごく辛かったあの夢って」
頬を赤く腫らしたサンクタは、ごしごしと夫のエプロンで涙を拭う。
「君が夢だと疑わなければ、確定していた未来、と呼べるものだろうね。つまり実質タイムリープに成功したようなものかな?」
「夢じゃなかったけど夢だった!!」
あの胸を締め付ける苦い感覚がいつまでも忘れられない内容が思い出せない悪夢。
それが本当に「夢」であったということを知り、彼女はほっと胸をなでおろした。
「不幸な未来、『レユニオンの聖女』ルートを回避して今僕がいるのは『イーゴリの性女』ルートなんだね」
「そういうこと真顔で言わない」
「僕のクマちゃんがすけべって言いたいの?そうだけどあげないよ」
「肉体関係ほど強い経験は無いけどさぁ、君の8割ぐらい旦那さんでできてないかなぁ!?」
「ですよ!だって僕の原料って、他人しかないじゃ無い」
サンクタの当然じゃない!という態度にモーニングスターは呆れ、深々とため息を吐いた。
「121人の犠牲の上に立ってるとか思うんじゃ無いよ。君は奇跡の子だ。君が精一杯君だけの人生を積み重ね、「アルニカ」を完全に自分と切り離して受け入れれば、自ずと会えるだろう。神様の加護(演算能力)があるからね」
「自我とは、個の選択と過程の積み重ねによる結果だ」
「君は『アルニカ』ではなく、『イヴァンジェリスタ・フョードロヴナ』だ」
「というわけで、君さえよければその「掲示板」の知識を有効活用させてもらいたいのだけれども…出来たらラテラーノに見つかる前に」
男はジェリスタに対する賛美の言葉を重ねつつ、どさくさに紛れ約束を取り付けようと企むも、それは新たな来客によって遮られた。
「ここのサボテンケーキ、なかなか美味しいと聞いたのだけど空いてるかな?」
店のドアは開かれ、取り付けられたベルが来客を知らせる。
一人の老人が、ゆっくりと店内に足を踏み入れた。雲のような白い髪と、非常に立派なひげを蓄え、アロハシャツにサングラスといういかにも観光客といった風貌のサンクタだ。
「ごめんなさい!今日は貸し切りなもので…」
急な貸し切りとあって、店先に貸し切りを示すの看板を下ろすことをすっかり失念していたと、ジェリスタは慌てて老人に謝罪する。
「おっとそれは残念だ」
しかしその声色には微塵も落胆が含まれていない。サンクタで無いイーゴリでも気がつくぐらい、明らかだ。
ドアには複数の言語で貸切を示す看板が揺れている。現にこの老人が使っているリターニア語もはっきりと用いられていた。
「君、名前を聞いても?」
「え?イヴァンジェリスタ、ジェリスタです」
「奇遇だね、私も同じ名前なんだよ」
「え」
イヴァンジェリスタ。
脳内で技めく住人たちはその名に何か意味があるようなそぶりを見せていたが、肝心な彼女自身に興味はなく今日この時まで完全に忘れていた。
その意味を、この場にいる誰よりも早く察したモーニングスターは、笑みを浮かべたまま硬直。冷汗が止まらず、つい先ほどまでの『私は何でも知っているYO!』オーラは完全に剥がれ落ちていた。
視界の隅でリーベリが引き攣った笑みを固まらせ内心慌てふためいてる様子に胸がすく。
イーゴリは爽快な気分にしてくれた老人に感謝しつつ、警戒心を露にゆっくり問いただす。
「次から次へと…今日は忙しいな。お前も何者だ?」
「大したものではないよ。今はイヴァンジェリスタXI世と呼ばれる、スイーツ好きな老人さ」
「良ければ少し話がしたいのだが…いいかな?」
◇◇◇
その後、1099年にラテラーノで開かれたサミットで振舞われたサボテンケーキはラテラーノ中に衝撃をもたらし、ボリバル風スイーツの流行が訪れた。
◇◇◇
1097年 ロドス本艦 食堂 p.m. 12:24 天気/晴天
「ルサールカの惨劇って?」
端末と睨み合いをしていた少年は、隣でパンケーキを頬張る白いコータスの少女へと疑問を投げかけた。
この重装ウルサスオペレーター特製のウルサスパンケーキ、羽獣肉に絡められたピリ辛サルサソースは、鉱石病の影響で味覚の弱い彼女でも十分楽しめる特製仕様なのだ。
「惨劇?…あぁ、あれのことか」
コータスは口回りについたサルサを惜しむように舐める。
少年の言葉がいまいちピンと来ず、その事件の当事者でありながら「惨劇」という単語を結び付けるのに時間がかかった。
すかさず対面に座る利発なウルサス少女が、グイっとコータスへ顔を近付けた。
「レユニオンの聖女、と呼ばれる人物による予言により、街の住人は避難を済ませていて、警官との衝突もデモ主催側が完勝を遂げた。という噂は本当なんでしょうか?警官が手も足も出ずあっという間に無力化され、まさに「惨劇」だったという話は誇張ではないのですか?」
押さえられない好奇心で目を輝かせる少女の様子に少し驚きつつ、コータスは懐かしむように当時の記憶を思い返す。
「そうだな。警告してくれた友人のおかげで、幸にほとんど被害は出さず、我々は勝利することができた」
「だが」
「レユニオンの聖女なんてものは存在しない。彼女はただの、友人だ」
『青空と雪原と神託』を最後まで読んでいただきありがとうございました。
設定などは後日あとがきで公開します。
感想、批評、質問などありましたらお気軽にどうぞ!欲しいです(乞食)