ってなわけで普通に4話です
あとタイトルに自分のセンスの無さを感じる
それではどーぞ
おれが総武高に転入してから一週間が過ぎていた。
すっかり新しい環境にも慣れた。我ながら大した順応力だと感心する。
授業もちゃんと理解できているし、何人かは会話できる友達もできた。まぁまだどこかに遊びに行くような友達はできていないが…。それもいつかはできると信じてる。
つか比企谷くんってほんとクラスに友達いないんだな。休み時間は寝てるし昼休みにはさっさとどこかへ行ってしまう。あれどこ行ってんだろ?
結構面白い奴だと思うんだけどな。超捻くれてるけど。
奉仕部はというとこの一週間特に依頼も来てないない。おいおい、これじゃ勝負成立しないんじゃねーの。
比企谷くんも雪ノ下さんも本しか読んでねーぞ。
もう文芸部でいいんじゃね?
奉仕部の部室の前に行くといつになく賑やかだった。
「はぁ?ビッチって何よっ!私はまだ処ーう、うわわ!な、なんでもない!」
「別に恥ずかしいことじゃないでしょう。この年でヴァージー」
「わーわーわー!ちょっと何言ってんの?高二でまだとか恥ずかしいよ!雪ノ下さん女子力足んないんじゃないの!?」
「・・・・・くだらない価値観ね」
うぉー入りにくいなおい。何の話してんだよ。俺がいる時にしろよー。
まぁ入るなら今しかないよな。よし!
「うーす」
「あれ?やなぎんじゃん」
「あれ由比ヶ浜さん?」
由比ヶ浜結衣、2年F組のクラスメイトで人当たりがよく、非常に話やすい子だ。
あと胸でかい。平塚先生とどっちがでかいだろな?
「あら、知り合いだったの?」
「まぁ同じクラスだからな」
「そういえば、そうだったわね」
「っで由比ヶ浜さんはなんでここに?」
「依頼だそうよ」
おー初依頼じゃん!って待てよ。一つ確認しとかなければならないことがある。
「依頼って雪ノ下さんと由比ヶ浜さんが処女ってこととか関係あるの?」
もしそうだとしたらオラ、ワクワクすっぞ!
「そんなわけないでしょう。一回死になさい」
ですよねー。
「ってかさっきの聞いてたんだ!」
由比ヶ浜さんが頬を赤らめる。何この子可愛い。
「聞いてたんじゃない、聞こえたんだ。ってかどーしてそんなカミングアウトする流れになったんだ」
「だってヒッキーがビッチとか言うから…」
まぁ正直俺もそう思ってた。
ん?ヒッキー?
「あれ?比企谷くんってヒッキーって呼ばれてんだ!二人って仲良かったんだな」
「いや、俺はこいつがここに来るまで同じクラスだってことも知らなかった」
え?同じクラスなんだよね?
比企谷くん、君はどんだけ人に興味ないんだよ。
由比ヶ浜さんが依頼内容はクッキーをうまく作りたいということらしい。雪ノ下さんは準備があるからと由比ヶ浜さんと家庭科室に向かった。
その間、俺と比企谷くんは自動販売機に飲み物を買いに行くことにした。そういえば比企谷くんとこうやって二人きりってのは初めてだな。
ーー無言。全く会話がない。ここは俺から切り出した方がいいよな。比企谷くんそういうの絶対無理そうだし。
「比企谷くんってさ。休みの日とかってなにしてんの?」
我ながらベタな質問だな。
「まぁ、昼まで寝て読書したりゲームしたりだな」
「もうニートじゃん」
「悪いかよ」
「いや、悪くはないけど、俺も予定ないとそんな感じだしさ」
「じゃあお前も一緒じゃねーか」
「そだね」
はい!会話終了!
ダメだ無理だ。俺にはハードルが高すぎる!
あ、でも自販機着いた!
結局それ以降比企谷くんとの会話はなかった。
家庭科室に着くと雪ノ下さんが作ったであろうクッキーが机の上に置かれていた。
「そこのクッキーは食べていいわ」
どうやら俺たちの役目は味見係らしい。
まぁ女の子の作ったクッキーを食えるなんてラッキーだよな。
「え、なにこれ?めっちゃ美味いな!」
っと比企谷くんが素直に褒める。あの捻くれ者の比企谷くんが。
そんなに美味いのか。どれどれ。
俺もクッキーに手を伸ばして口に運ぶ。
「・・・・・うまい」
すっげ。クッキー食って感動する日が来るなんて。
もう一個、もう一個と手が勝手に動いちゃうレベル。
「ほんと・・・すごくおいしい」
「ありがとう」
雪ノ下さんがお礼を言う。すっげー笑顔で。やっばい惚れちゃうー。割とマジで。
するとチーンという電子音が鳴った。
「由比ヶ浜さんの焼いたクッキーができたみたいね」
俺たちは戦慄した。
「なにこれ?ジョイフル本田に売ってる木炭みたいになってるぞ」
一番最初に口を開いたのは比企谷くんだった。
確かに皿にのっているソレは木炭にしか見えなかった。
「とりあえず味見係二人、味見しなさい」
「雪ノ下さん、これは味見じゃないよ。毒味だよ。下手したら死ぬよ。致死率80%はあるよ」
「毒じゃないし!・・・・いや毒かな?」
作った本人認めてるし…。しかしこれは覚悟決めるしかないな。
「よし一個食べてみようか比企谷くん!」
「なんで俺なんだよ」
「味見係じゃないか!せーの食べるよ!」
そう言って俺は比企谷くんに木炭クッキーを押し付けた。
「ったく。わかったよ」
「よし、せーのっ!」
ジャリッっとクッキーからなってはいけない音が鳴った。
うん予想通りの不味さだ。
でもよかった生きてる。
由比ヶ浜さんのクッキーをなんとか食べ終えたところで、俺たちは作戦会議をしていた。
「それじゃあどうやったらよくなるか考えてみましょう」
「由比ヶ浜が二度と料理しないこと」
「全否定された!?」
「比企谷くん、それは最後の手段よ」
「それで解決しちゃうんだ!」
この二人ってなかなかひどいよなってつくづく思う。
「やっぱ私料理に向いてないんだよ。才能ってゆーの?そういうのがないんだよ。」
まぁさすがにあの木炭クッキー食わされてからじゃそんなことないよ!とも言えない。
「なるほど解決方法が分かったわ」
え?マジ?
「どーするんだ?」
「努力あるのみ」
え?マジ?
「それは解決方法なのか?」
「由比ヶ浜さん。あなたさっき才能がないって言ったわよね?」
そこから雪ノ下さんの由比ヶ浜さんへのお説教タイムが始まった。
もう俺がビビってたレベル。
それぐらい雪ノ下さんの言葉はどこまでも正しかった。
奉仕部に最初に来た日の比企谷くんとの会話から察するに、彼女もまた彼女を理解してくれる友達がいないのだろう。
凡人からすると彼女はどこまでも我が道を行く高嶺の花なんだ。
対する由比ヶ浜さんはクラスでも派手なグループに属していてコミュニケーション能力も高い。しかしそれは人に迎合するのが上手い、それは孤独を恐れていて周りと合わせてしまう。
そんなの雪ノ下さんの方が絶対的に人間性として強いに決まってる。
逆に言うと由比ヶ浜さんが付け入る隙がないに等しい。
「「「かっこいい」」」
その言葉で家庭科室の時間が止まった気がした。
「建前とか全然言わないんだね…なんかそういの…かっこいい!」
なんだそっちか、一瞬マゾなのかと思った。
「何を言ってるのかしらこの子は…結構きついこと言ったつもりなのだけれど」
うん、安心してすっげーひどかったから。
「うん、確かに言葉はひどかったけど本音ってかんじがした!」
「ごめん次はちゃんとやる」
由比ヶ浜さん本気なんだな。
「雪ノ下、一回一緒にやってやれよ」
「そうそう味見ならいくらでもするし」
「げっ…」
比企谷くんそこは合わせようよ…。
「・・・・・わかったわもう一回正しいやり方を教えるわ」
こうして彼女らクッキー作りの二回戦が始まった。
「はぁどうすれば伝わるのかしら」
「なんでうまくいかないんだろ。」
かれこれ二時間ぐらいクッキーを焼き続けていて最初の頃に比べたらクッキーっぽくはなったがまだ彼女たちは納得してないらしい。
「あのさぁ、なんでお前ら美味いクッキー作ろうとしてんの?」
「はぁ?」
「ったくもうお前ら待ってたら日が暮れちゃうぞこれ」
「比企谷くん今日雨だからね」
「・・・・10分後ここに来てください。俺が本当の手作りクッキーを見せてあげましょう」
あれ?比企谷くんのテンションが一気下がっちゃった。悪いことしたな
「分かったわ。見せてもらおうじゃない。」
雪ノ下さんそれたぶん負けるフラグだわ。ってあらら由比ヶ浜さん連れて出てっちゃった。
「お前はどーするんだ?」
「まぁ比企谷君のやりたいことわかったしねー」
なかなか面白い方法だと思う。
「まぁ今回はサポートにまわるよ」
「そーかよ」
「これが本当手作りクッキーなの?」
「あんま美味しくなーい」
「そっかじゃあ捨てるわ。一生懸命作ったんだけどな」
そう言って比企谷くんがクッキーの皿にてをかける。
「あ、ちょっと待って!その言うほどまずくないっていうか…」
「まぁお前が作ったクッキーなんだけどな」
比企谷くん名演技だな。ちょっと尊敬した。
「どういうことかしら?」
っと雪ノ下さんが問いかける。
まぁそうなるよね。
「つまりだ。手づぐりクッキーはそれなりの味だったらいいんだ。頑張ったという事実さえあればな」
「そんな単純なの?」
由比ヶ浜さんはまだ疑ってるみたいだ。
「男ってのは残念なくらい単純なんだよ。話しかけられただけで勘違いするし、手作りクッキーなんてもらったら大喜びだ。」
本当男ってバカだとつくづく思うよね。
あ、俺も男だ。
「ま、あれだよ由比ヶ浜さん。女の子が自分のために頑張って作ってくれたクッキーをもらったら男なら誰でも心が揺れるんだよ。ねっ!比企谷くん!」
「あぁ、もう揺れまくりだね」
よし、これでとどめだ。
「比企谷くんは由比ヶ浜さんががんばって作ったんだから絶対に受け取って食べてくれるよ」
俺は由比ヶ浜さんだけに聞こえるに言った。
「ちょっーーー!!!」
おー頬赤らめてる。ビンゴか。恋する乙女だね。
「雪ノ下さん!今日はありがとう!あとは自分でやってみるよ!」
「そ、そう」
由比ヶ浜さんはそのままあわてて帰って行った。
いやーなんかもうほっこりする。
「柳くんあなた最後由比ヶ浜さんに何を言ったの?」
「そうだ、いいとことりやがって」
「まぁそれは企業秘密で」
「答える気ないみたいね」
「だな…」
物分かりが良くて助かります。
さーて片付け片付け。
翌日の奉仕部はいつも通り比企谷くんと雪ノ下は読書していて俺は携帯をいじっていた。
すると戸かノックの音がした。
平塚先生ではないな。
「やっはろー」
と気の抜けた声が教室に響いた。
つーか千葉の挨拶ってやっはろーなのか?
「こんにちは由比ヶ浜さん」
あ、違うみたいだ。
「でどうしたの?なにしにきたの?」
「雪ノ下さん怖いからその聞き方」
「え?なに?あんまり歓迎されてない感じ?もしかして雪ノ下さん私のこと嫌い?」
よく雪ノ下さんにそんなこと聞けるな。マジ勇者だわ。
「嫌いではないわ、……少し苦手、かしら」
「女子言葉では同義語だからね!?」
へぇー覚えとこ。
「っで用は何かしら?」
「昨日のお礼でクッキー作ったんだけどどう?」
「あまり食欲がないから結構よ。気持ちだけで充分だわ」
即答だった。あまりの速さにボルトもびっくりだ。
「いやーやってると意外にハマっちゃってさ。今度お弁当とか作っちゃおかなーなんて。あ、ゆきのんっていつもお昼どこで食べてるの?」
「ここで食べてるわ。あとそのゆきのんっていうの気持ち悪いからやめてちょうだい」
「え?まさかゆきのん一人で食べてるの?それなら一緒に食べようよー」
「私は一人で食べるの好きだから。あの、人の話聞いてる?」
すげっ!由比ヶ浜さんに雪ノ下さんが完全に押し切られている。
雪ノ下さん完全こっち見てSOS出してるよ。
「じゃあ俺飲み物買いに行くわ」
あ、比企谷くんが逃げた。
「あ、ヒッキーちょっと待って!」
由比ヶ浜さんも比企谷くんを追いかけて行った。おお!クッキー渡すのか。頑張れ由比ヶ浜さん!
「随分仲良くなったみたいで」
「なんのことかしら?」
ここでシラを切るのはさすがに無理がありますよ。頬赤く染まってるよ!雪ノ下さん。
「またまた照れちゃって!ゆ・き・の・ん!」
「あなたは本当に死になさい」
・・・本気の殺意いただきました。
4話終了です
いやー長かったです
疲れた