八幡がもう空気だ。。。
「え?!柳って弁当自分で作ってんの?」
「うん、まぁね」
「なんかそれ、めっちゃ意外だわ」
「・・・・なんかお前失礼」
昼休み、俺はクラスメイトの速水と机と机をくっつけて昼ご飯を食べていた。
速水は席が俺の前で話す機会がたくさんあったから、クラスの中でも比較的仲が良いほうだろう。
「いやいや、これでも褒めてんだぜ!ってことでこの唐揚げもらいっ!」
「あ、おい!」
そう言って速水は俺弁当箱から唐揚げとって食べる。
「おぉーうめぇー!意外にうまい!」
「・・・・やっぱお前おちょくってんだろ。」
こいつ、いつかしばく。
「っでおまえどうなの?最近」
「え?なにが?」
「部活だよ。部活。奉仕部?だっけ?」
「別に特に変わったことはないけど」
変わったといえば由比ヶ浜さんがよく部室来るようになって、雪ノ下さんと百合してることぐらいか。
うん、あれは実に良い光景だ。なんなら写真に撮っときたいぐらいの。
「なーんだ。つまんねーのー」
「お前は何を期待してんだよ…」
全く!男の子って不純なことしか考えてないんだから!
え?俺ですか?もちろん考えてます。
昼ご飯が食べ終わって速水が部活の先輩呼び出されたらしいので、俺は一人ボーッとしていた。
「悪い。今日は部活あるからパスな」
「えー隼人ー。一日ぐらいいいじゃん」
後ろの方がなんか騒がしいと思ったら、クラスの派手グループだった。
葉山隼人。やっぱりこいつがクラスの派手なグループのトップみたいだ。
まぁこんだけ顔良くて、性格良くて、おまけにサッカー部も次期キャプテンって言われてるらしいもんな。
そんなチートみたいなステータスだったら当たり前か。
「今日はね。サーティワンでダブルが安いんだよ。あーしチョコとショコラのダブルが食べたい」
そう言い放った女子の名前は三浦由美子。なんかTHE・女王様って感じがする。
顔は綺麗な顔立ちしてると思うんだけどね。話し方とか言動がキツすぎてあまり男子は寄り付かないんだろう。
俺も前の学校の時は派手なグループに属していたのだが、この学校に来てからは、あまりこの二人が好きじゃないので、あまり仲良くしようと思わなかった。
「まぁあんまり食べ過ぎないようにな」
「だーからーいくら食べても平気なんだって。太んないし。ね。ゆい」
「やーほんと優美子って細いよねー腕とか足とか。っでわたしちょっと行くとこが…」
「えーそう?でも雪ノ下さんってこの方がやばくない?」
「確かにゆきのんはやばっ」
「・・・・・・・・・」
「あ、でも優美子のほうが華やかっていうか・・・」
・・・・どうしよう由比ヶ浜さんがすっげー憐れに思えてきた。
「まぁいいんじゃない。俺も部活の後なら付き合うよ」
見兼ねた葉山がそう言ったら女王様は「そ、じゃあまたあとでメールして」と機嫌は治ったみたいだ。
「あの…それで私お昼行くとこあるから」
「そーなん?じゃあ帰りにレモンティー買ってきてよ。あーし今日飲み物忘れちゃってさー。パンだしお茶ないときついじゃん?」
「あーけど、私もどって来るの5限になるっていうか、お昼まるまるいないっていうか…」
肩身狭そうだな。超気使いまくりじゃん。
「え?なに?ゆい最近付き合い悪くない?」
「それはなんというか、私事で恐縮ですと言うか」
由比ヶ浜さんのはっきりしない答えに三浦さんが苛立ちを覚えたのかかつかつと長い爪で机をたたく。教室にはその音しかない。
さっきまで騒いで連中も静まり返っている。
「あんさー。ゆいのためにために言うけど言いたいことあるならはっきり言いなよ。あーしら友達じゃん」
「ごめん…」
あぁもうこれ由比ヶ浜さんだめだな。まぁもうそろそろ見てられないし助けないとね!
「おい、もうその辺で…」
ってあれ比企谷くん?
教室いたんだ。てか意外にやさしいとこあるんだね!
ちょっと見直したよ!
「っるさい」
三浦さんが蛇のように比企谷くんを睨む。
負けるな比企谷くん!
「ジュースでも買って来ようかなぁ。で、でもやっぱやめとこうかなぁ」
前言撤回。このヘタレが!
もうしゃーないか。ここは俺が助けないとね。やっぱり知っている女の子が困っているのはにんげ、いや一人の男として見過ごせないしね。
よし、息を大きく吸って、せーのっ!
「あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
クラス全員の目線が俺に向けられる。
うわーその視線がまた痛い。
まぁそりゃそうだよね。教室でいきなり叫びだすやつなんて誰だって変な目見てしまう。
「比企谷くん、由比ヶ浜さん!今日の昼休みって部活のことで平塚先生に呼ばれてたんだった!今から行かないと!」
そう言って俺は由比ヶ浜さんの方へ行く。これは嘘だが多分バレることはない。
「はやくしないと遅れるよ。」
「ちょっまだ話の途中なんだけど」
「ごめん。三浦さん、俺達急ぐから話の続きは放課後にでもして!」
もうここは勢いで押し切るしかない。俺は由比ヶ浜さんの手首を掴んで教室から出て行った。そして廊下には既に比企谷くんがいた。逃げんの早いよ。
「あの、やなぎん痛い」
俺の足を止めたのが由比ヶ浜さんの一言だった。
「あ、ありがとねやなぎん」
「うん、でも放課後はしっかり三浦さんに正直な気持ち伝えないとだよ」
「そうだよね。やっぱりはっきり言わないだよね。」
「大丈夫!愛しの比企谷くんにクッキー渡した時のこと思い出して!」
「ちょっ、やなぎん何言ってんの?!」
由比ヶ浜さんが頬を赤らめる。なにこのウブな反応。この子見た目に反してすごく乙女だよね。
「っで部室行かなくていいの?雪ノ下さん待たせてるんじゃ…」
「あ!そうだった私行かなきゃ!ありがとうやなぎん!」
そう言って由比ヶ浜さんは走り出して行った。
その日の放課後の由比ヶ浜さんはやたらといきいきしていた。
恐らく、三浦さんに自分の思っていることが伝えられたんだろう。
彼女はまた一歩前に進むことができたのだ。
っで比企谷くんどこ行ったんだ?
5話いかがだったでしょうか?
次回はまだなにも考えてないです!