白状します。ネタが思いつかなかった!
ってなわけでどうぞ!
「はぁーあ、やっと終わった」
時刻は午前四時、俺はやっと材木座くんの原稿を読み終えたところであった。
小説の内容は学園異能バトルものというありきたりなものだった。
ラノベとかあんまり読んだことないから長すぎて読むのがめっちゃ疲れた。
やばいよ眠い。だめだ。今寝たら確実に寝坊するぞ。
だって四時だもん。しかも午後じゃなくて午前だぜ?
寝ちゃダメだ。寝ちゃダメだ。寝ちゃダメだ。寝ちゃダメだ。
なんかこんなこと言ってるとどっかのシ◯ジくんの『逃げちゃダメだ』が頭にチラつくな。
あ、ダメだ、集中切れた。寝ちゃうよ……。
……失敗した。
現在午前十一時、寝坊だ。遅刻だ。
俺はまだ完全に目覚めてない目をこすって時計を見た。
もうダメだな。何回見ても十一時だ。
だから寝ちゃダメだって言ったじゃないか!
もうこうなってきたら全てのやる気がなくなってしまう。
とりあえず朝食にしよう。母さん用意してんのかな?
『啓介へ
家を出ます。
ご飯は置いておきます』
食卓にパンと共に置いてあった手紙にそう書いてあった
なんで家出する人の手紙っぽいの?
おかしくない?
つーかなんで起こしてくれないんだよ。
ダメだ!ツッコミどころが多すぎる……。
パンを食べながらケータイを開いたら一件メールが来ていた。
あ、平塚先生からだ。
From 平塚静
件名 なし
本文
柳君、学校に来ていないというにはなにかあったのでしょうか?
休むにしても連絡をしてください。
連絡待ってます(笑)
(笑)ってなんだよ!
超怖いよ!しかもなんかわかんないけどメールの内容がすごく重く感じる。
なんで敬語なんの?
なんで俺は朝からこんな一人でツッコンでんだよ!
なんだよ!この自分なにしてんだろ感!
なんか急に虚しくなってきた。
「ふわぁぁぁ、よく寝た」
「……美和、なぜいる?」
あくびをしながら部屋にいたのは学校に行ってるはずの我が妹、美和だった。
「え?昨日言わなかったっけ?私の学校今日が創立記念日だから学校ないの」
「初耳だ」
てかめっちゃ羨ましい。
「アニキこそなんでまだ家にいるの?」
「……寝坊したんだよ」
「あははは!!バカじゃん!」
「妹よ。兄は何時に寝たと思っている?」
「知らない、興味ない」
………即答かよ。
「さいですか……」
「っで学校行かないでいいの?」
「今から行っても昼休みの真っ最中だしな。
もうちょっとゆっくりしてってから行く」
「へぇーじゃあさー」
そう言いながら美和が俺の向かいの席に座る。
そして満面の笑顔でこう言い放った。
「お昼ご飯作って!」
「はぁ?なんで俺がやだよめんどく……」
「お・ね・が・い」
こら、上目遣いはやめなさい!どこでそんなこと覚えて来たの?
そんなことされたらお兄ちゃん……
「……はい」
断れるわけないじゃないですか!
「ありがと!アニキ大好き!」
おーい美和ー目が明後日の方向向いてるぞー。
前にDQNに絡まれた時の目になってんぞー。
「はぁ……」
ため息をつき、俺はキッチンに向かった。
所変わって放課後、俺は平塚先生によびだされていたのであった。
「っで遅れた理由は?」
「はい!ただの寝坊です!」
「ほう、それで5時間目の頭に来ていたというわけか。
君はどれだけ寝るつもりだ?」
「先生!ここは説教じゃなくて11時に起きても登校するという俺のやる気を……」
ビュンッっと俺の耳の横で風を切る音が聞こえた。
そう、平塚先生のパンチだ。
あっぶねー、あと0.5秒反応遅れてたら顔面にクリーンヒットだったぞ……。
「言い訳より先に言うことがあるだろう?」
「ち、遅刻してすいませんでした!」
やばい、この人マジ怖い。
「それと?」
それとってなんだ?なんかまだあったけ?俺なんかしたっけ?ちょっと待ってなんかモーション入ってるって!
「ってあぶねっ!!」
再び平塚先生の拳が飛んでくる。
もうやだ。帰りたい。
「なぜ……」
「なぜ?」
「なぜメールに返信しなかったー!!」
えーーー。それで怒ってんのー?
「いや、あの、その」
やばい言葉が見つからない。
「なんだ?」
「えーと、ごめんなさい!」
とりあえず謝るしかないか。
「はぁ……」
平塚先生がため息をつく。
いや、まさか体を脱力させて俺に強力な一発を打つつもりなのか?
「まぁ今回は許してやる」
違うかった。なんだろう?このなんとも言えぬ恥ずかしさは……。
え?てか結構簡単に許してくれるんだな。二発顔面にパンチ入れられかけたが……。
「それにしても柳。」
「なんですか?」
「お前なにか格闘技でもやってたのか?
私のパンチを避けれる生徒は君ぐらいだぞ。」
おい、それ教師のセリフかよ……。
「いえ、そんな経験ありません。
ていうかどんだけ生徒殴ってんですか!」
「……勘違いするなよ?
私が殴るのは、君と比企谷ぐらいなんだからな!」
誰に需要あんだよ。そのツンデレ……。
昼の美和の上目遣いとは大違いだな。なんか威圧感があるぞ……。
上目遣いのはずなのに…
つか比企谷くんも殴られてたんかい!
「……じゃあ俺もう部活行っていいですか?」
「あぁ、それにしても君も真面目なやつなんだな。
私が勢いで入れた部活なのに毎日サボらず行ってるみたいじゃないか。」
「……えぇ、まぁそうですね」
「前の学校では部活は入部と退部を繰り返していたと聞いていたからな。正直意外だよ。」
確かに俺は前の学校では部活を入っては退部していた。
それは別にどこかの漫画やアニメの主人公みたいに自分が高スペックすぎてつまらなくなったとか、そんな現実とかけ離れた理由ではない。
ただただつまらなかった。面白くなかったのだ。
サッカー部にしても、野球部にしても、バスケ部にしても、やってて一度もこれだ!って思うことがなかったただそれだけの理由だ。
「辞めたら先生に殺されそうですからね」
そう言って誤魔化すのが正解なんだろう。
「まぁそれにしてもだ。君がまだ奉仕部を続けてるということはそれなりには奉仕部を気に入ったんじゃないのかね?」
「……まぁそうかもしれないですね。
失礼します」
そう言って俺は職員室のドアを閉めた
「ごめーん、ちょっと平塚先生に呼ばれてて遅れ……」
「ひでぶっ!!」
部室のドアを開けて一応遅れた時の社交辞令的なものを言おうとした俺になんかでかいが襲いかかってきた。そしてそれを俺は……。
「うぉりやぁぁぁ!!」
「ぶふぉぉぉぉぉ!!」
蹴飛ばした。
あ、材木座くんだった……。
「っでどうする?これ」
「えぇ、どうしたものかしらね?これ」
「んーどうしよっかー?これ」
やってしまった。材木座くん撃沈してるよ。
「っでなんで材木座くん転がってたの?」
この際、これ扱いはスルーでいいや。ちょっとかわいそうだけど。
「んーえっとね………」
由比ヶ浜さんが俺が来るまで起きたことを説明してくれる。
「ゆきのんがまずボロボロに感想言って、私が『難しい漢字いっぱい知ってるね!』って言って、ヒッキーが『それってなんのパクリ?』って言ったらこうなったよ!」
「あーうん、だいたいわかった。ありがとう」
すごいな。すっごくざっくりとした説明なのに状況が理解できた。
「ふぅ、ひどい目にあった……」
あ、材木座くん起きた。
「ごめんなー。材木座くん!つい……」
「いえ、あの、全然大丈夫です……」
やばい、恐怖植え付けてしまった。
めっちゃ素じゃん!
「いや、あの小説だけど……」
ギクっと材木座くんの顔が青ざめる。
「ま、まぁ感想を聞かせてもらおうか……」
「いや、あのさー」
どうする?正直に言うとスッゲーつまんなかった。
でも、今の材木座くんの精神状態でそれを言うと、もう小説を書かなくなるかもしれない!
そうなったらなんか変に責任感じるよな?
よしここは面白かったって言おう!
「……俺も面白くなったと思う」
「んごばっ!!」
あ、言えなかった……。
その時比企谷くんがうずくまってピクピクしてる材木座くんに肩を置いた
「材木座、言い忘れてたけどさ……」
「八幡……」
材木座くんが顔を上げて比企谷くんの方を見る。
比企谷くんもまた材木座くんの方を見る。
見つめ合う二人。
そして比企谷くんがこう囁く。
「大事なのはイラストだから。中身なんてあんま気にすんなよ」
「なんでとどめさしちゃうの!?」
俺のツッコミが部室中に響き渡った。
奉仕部四人の総攻撃にあった材木座くんはしばらくピクピクして動かなかったがその後立ち上がってこう言った。
「……また読んでくれるか」
え?なんて言った?
材木座くんが再び口を開く。
「また読んでくれるか」
「お前……」
「「ドMなの?」」
俺と由比ヶ浜さんの声が重なる。
雪ノ下さんは『アニキ大好き!って言ってる妹と同じ目をしてた。
「お前あんだけ言われてまだやるのか?」
「無論だ。確かに酷評はされたもう死んじゃおっかなーどうせ生きててもモテないし友達いないし、とも思った。むしろ、我以外みんな死ねと思った」
「そりゃそうだろうよ。俺もあんだけ言われりゃ死たくなる。」
「だが……」
材木座くんは続ける。
「だがそれでも嬉しかったのだ。自分が好きで書いたものを読んでもらえて、感想を言ってもらえるというのはいいものだな。この想いになんと名前をつければいいか判然とせぬのだが。……読んでもらえると嬉しいよ」
普通の人があんな評価を受けたらとっくに諦めているだろう。
俺だったら諦めてる。でも材木座くんは『また読んでくれるか』と言った。
それはきっと材木座くんが本気だからなんだろう。好きなこと、やりたいことがあってそれに本気で打ち込める。そういう人間は頑張るということを知っている。
「あぁ、読むよ」
比企谷くんが優しく答える。
「そうか、新作ができたらまた持ってくる」
そう言って材木座くんは教室を後にした。
『それなりに君は奉仕部を気に入ったんじゃないのかね?』
帰り道、俺の頭の中には平塚先生に言われた言葉がずっと残っていた。
確かにそうかもしれない。
今考えたら俺が部活を一ヶ月も続けるなんて初めてだ。
いつも通りだったらとっくにやめている。
目の腐った捻くれたいいやつも、自分の信念を決して曲げない性格キツイ美少女も、外見ビッチでも人のことを思いやれる優しい女の子も、俺はそんな三人といることが、あの部室が気に入っているのかもしれない。
そんな柄でもないこと考えながらいつもより早いペースで家に向かった。
そろそろキャラ説明入れたほうがいいのでしょうか?
って俺はこれ何回言ってんだろ?
次回はいつになるやら……。