星の呪術師と星漿体   作:ムスビイ

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minotaurosさん誤字報告ありがとうございます。
助かりました!
皆さんも「ここ日本語おかしくない?」と思うところがあったら
じゃんじゃん報告してくださいね!

では本編をどうぞ。


第五話 油断大敵

「よし、始めるか。」

 

屋敷を出た俺は早速探索を開始する。

とは言ってもこの屋敷は周りが自然に囲まれているため歩きにくいし、

空から偵察しようにも木が邪魔でよく地上が見えない。

大規模な調査は困難だろう。

 

まあ、やりようはある。

 

星雲操術 起動

 

まずは生成した星に重力を付与して俺を引き付け、そのまま森全体を見渡せる高さまで上昇する。

黒井家の屋敷全体を見渡せる。いやデカすぎんだろ。この金持ちめ...

金持ちへの嫉妬という負の感情をもとに術式を発動する()

 

 「天体生成×5」

 

次に追加で五つの星を生成する。

まあこれだけだとただ周りにふよふよ浮いてるだけなのだが、ここに更に能力を付与する。

 

 「能力付与 電波源」

 

電波源とは強い電波を発生させる天体の総称だ。

身近な天体でいうと太陽も常に電波を発生させている。

今俺が乗っている星を含めた合計六つの星に電波源の能力を付与し、等間隔で上空に配置する。

そう、つまり即席のレーダーである。

 

 「探知開始」

 

六つの星から電波が放射される。

俺と星の間で情報をリンクさせてあるので何か不審なものを見つけたらすぐにわかる。

俺の頭の中にこの森の情報が流れ込んでくる。

 

 「おっ、見つけた。」

 

屋敷から南に約800メートル地点、明らかに野生動物とは違う形をした物体を発見する。

一度俺が乗っているものを残して星を消しておく。

俺は今、能力を付与していないなら30個くらい星を出すことができる。

しかし、能力を付与するとその分呪力操作が面倒になるので脳に負担がかかる。

まあさっきの星くらいなら出しっぱでも問題ないんだけど、一応ね。

呪力ももったいないし。

 

そう自分に言い訳をしながら呪霊に近づいていくと、呪霊が目視で見えるようになる。

熊のような見た目をしているがよく見ると腕が4本あるし、牙も爪も本物の熊とは比べ物に

ならないほど大きい。

すると何かにおいを嗅ぐような動作をした後、こちらに視線を向ける。

どうやら嗅覚がかなり優れているらしい。

呪力量から見るに三級か準二級といったところだろうか。

だが油断は禁物だ。突撃はせずに、まずは牽制から。

 

 「天体生成×1」

 「能力付与 流星」

 

これは文字通り星に流れ星の能力を付与する術式だ。

重力に次いで俺が愛用している能力でもある。

 

 「よし!行ってこい!」

 

本物の流れ星まではいかないが、一瞬で星が超高速まで加速する。

そしてそのまま呪霊の顔面を貫通し首から上を吹き飛ばす。

例え呪霊であっても頭を吹き飛ばされてしまってはひとたまりもない。

そのまま呪霊は断末魔の叫びをあげる間もなく祓われてしまった。

 

 「あ、やっべ祓っちゃった。」

 

牽制のつもりだったんだけどなぁ

まあ準二級くらい瞬殺できないと準一級呪術師の名が泣くわけで、

 

 「よし!この調子でじゃんじゃん祓ってこう!」

 

今日一日、溜まりに溜まったストレスを込めて順調に呪霊を祓っていった星影は

三時間で三級5体、準二級3体、二級1体の合計9体の呪霊を祓いニコニコの笑顔で屋敷に戻るのであった。

 

 「それにしてもいっぱいいたなぁ。やっぱ夏だと呪霊は増えるね、旬の季節ってやつだ。」

 

確かに夏、特に初夏は呪霊発生のピークである。

冬の終わりから春まで、溜め込まれてきた負の感情がじめじめとした

気候とともに解放されるのだ。

 

ただし、星影は気づかなかった。

この自然に囲まれた土地で呪霊が大量発生するという異常現象に。

確かに夏になると呪霊の数は増える。しかしそれは、人間の負の感情ありきであって

人の少ない田舎で溜まる負の感情など高が知れている。

それなのにたった三時間で9体もの呪霊を発見する?

そんなの明らかな異常現象だ。

 

しかし星影はそれに気づけなかった。

「準一級術師」

確かに星影は実力という点でいえば上から数えていった方が確実に早いだろう。

ただ星影は同じ階級の術師と比べて一つ、致命的な欠点がある。

 

それは、圧倒的な経験不足

星影は9歳で呪術師となり、たった1年で準一級呪術師となっている。

期待の新星と言えば聞こえはいいが、裏を返せば本来、準一級術師が持っているべき

知識や経験を持たずに昇級してしまっているということだ。

もしここにもう一人準一級術師がいたなら確実に星影の判断に異を唱えただろう。

 

「知は力なり」という格言が存在する。

ならばその逆は?

必要な知識を持たなかった場合はどうなるのか。

命が懸かっている現場では一つのミスが大惨事を生み出す。

 

だがストレスを発散して上機嫌な星影が気付けるわけもなく、

星影が自分のミスに気づいたときにはもう遅いのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「夕食は何だろう?オムライスが出るといいなぁ...」

 

...き、気づいたときにはもう遅いのだ。




ここで主人公のスペックを書いておきます。

名前・星影 輝 (ほしかげ てる)
年齢・10歳 (2002年時点)
生年月日・1991年11月4日
術式・星雲操術
階級・準一級
身長・148cm (運動してるので同年代の中では高め)
好きなもの・天体観測、オムライス、リンゴジュース
嫌いなもの・パプリカ、死んだ魚の目、絶叫マシーン
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