星の呪術師と星漿体   作:ムスビイ

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いつもよりちょっと長めに書いてみました。
日本語おかしくなってないかな?ぜひコメントしてってください。

では本編をどうぞ。


第六話 いつもの

呪霊をあらかた祓い終わり、仕事が終わった達成感とストレスを発散した爽快感で上機嫌な

星影は、屋敷への帰路についていた。

 

 「夕食は何だろう?オムライスが出るといいなぁ...」

 「ああ、急にまた母さんの手料理が食べたくなってきた。」

 

自分の好物に思いを馳せている星影は、家族について思い出す。

星影は約1年前に呪術師になり、それからは1度も家族に会っていないのだ。

いや会っていないというより会えないという方が...

 

プルルルプルルルル

 

夕暮れの物静かな森林に電子音が響き渡る。

音の発生源は星影が持っている携帯電話のようだ。

このガラケーは星影が初めて単独任務で呪霊を倒した時の報酬で買ったもので思い出の品でもある。

ちなみに「他の術師との連携を高める」という建前で購入したものの、

実際は自分で携帯を持ってみたかっただけというのは秘密だ。

しかもアドレスが登録されているのは全員任務で一緒になった呪術師だけである。

 

...いや別にただ仕事用の携帯をプライベートでも使うのは如何なものかと思っただけで決してアドレスを登録できるような友人がいないわけでは

 

 「おっと、早く出ないとまずいな。」

 

自分の交友関係について危機感を抱いていると、自分に電話がかかってきていることを忘れかけていた。さて、いったい誰からだろう?今の俺は護衛の任に就いているわけで、呪霊討伐の依頼が来るとも考えづらい。もしや何か緊急事態でも起こったのでは。

恐る恐る携帯を取り出し発信先を確認する。

 

 「うわっ...まじか。」

 

すると星影が急にうめき声をあげて顔をしかめる。

だが電話がかかってきてしまった以上出ないわけにもいかない。

ため息をつきながらも受話器のマークが書いてあるボタンを押し話しかける。

 

 「もしもし」

 「ひさしぶりだね、輝君。ターゲットの護衛は順調かな?」

 「...なんでそのことを知ってるんですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冥さん

 

星影の携帯には「師匠」という文字が映っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の父親は星雲操術を扱う呪術高専の元教師だった。

父が任務先で呪霊に襲われていた女性を助けたところ、その女性に一目惚れしその場で告白してしまったらしい。最初は相手も断っていたらしいがその後何度もアプローチに来た父に折れるようにして交際が始まった。その女性というのが俺の母だ。

母は助けてくれたことにお礼を言おうとしたら急に「一目惚れしました!俺と結婚を前提に付き合ってください!」と言われ耳を疑ったらしい。

父もその時のことを「今思うと恥ずかしいな...」と苦笑しながら語っていた。

でも俺はそんな男らしい父のことを尊敬していたし、実際母だって満更でもなさそうだった。

結局父は身の安全を考えて結婚と同時に呪術師を辞め、一般企業に就職。

呪術師をしていた時の貯金で小さな一軒家も買った。

さらに、俺が生まれてからは賑やかだった夫婦生活に拍車がかかり

近所からは「絵にかいたような幸せな家庭」として有名だった。

 

誰もがこのまま幸せな生活が続くと信じて疑わなかった。

二年前のあの梅雨の日までは

 

その日はちょうど東京での連続降雨記録を更新したことがニュースになった。

当時小学二年生だった俺はお気に入りの黄色いレインコートを着て下校する。

いつもの道を歩き

いつもの坂を下り

いつもの床屋の前を通り

いつも通り家の玄関までたどり着いた。

そして少し背伸びをして家のインターホンを押す。

去年までは思いっきり背伸びをしなければいけなかったのだが、どうやら少し背が伸びたようだ。

うれしくなった俺はジャンプしながらインターホンに話しかける。

 

 「おかあさーん!ただいまー。あけてー!」

 

返事がない。よく見るとリビングに電気が点いていない。

スーパーに買い物にでも行ってるのかと思った俺はポケットからカギを取り出す。

カギを自分で持っているのにインターホンを押すのは、おかあさんがインターホン越しに

「おかえり」と言ってくれるのが好きだったからだ。

早速カギを開けようとドアノブに手をかけるとそのままドアが開いてしまった。

 

 「あれ?なんであいてるんだろ。」

 

不思議に思いながらもゆっくりとドアを開ける。

 

 「ただいまー...ん?」

 

家の中に入った俺はまたおかしなことに気づく。

母の靴が残っているのだ。

もし出かけているなら靴は無くなっているはずだ。

 

今考えてみたらここで気づいておけばよかったと後悔する。

 

そして玄関の電気を点ける。

するとさっきまでは暗くて気づかなかったが、玄関から泥の跡が伸びていきリビングまで繋がっているのを見つける。

ここまでくればどんな子供だって異変に気付く。

俺は雨でびしょびしょのレインコートを脱ぐことも忘れてリビングへ駆け寄る。

 

 

 

 

 「おかあさん!どこにいるの...」

 

 

 

 

見つけてしまった。

床にうつぶせに倒れこみ血まみれになっている母を

きれいに整っているはずの髪がぼさぼさになり部屋中にドス黒い液体が飛び散っていた。

さらにその横にはもう一つ人影があった。

 

 「おとうさんッ!!!」

 

同じく床に倒れこみ微動だにしない父だった。

いつもはあんなにたくましく見えた背中が今は刺し傷だらけ。

 

どう見てもすでに二人は死んでいた。

 

 「やっべ、見られちゃった。」

ガンッ

 

すぐ二人に駆け寄ろうとした俺の肩が掴まれ体が壁に投げつけられる。

俺を襲った衝撃と痛みに耐え、声がした方に目線を向けるとそこには背の高い金髪の男がいた 

 

 

 「ッ!!」

 「おっ!いい目をしてくれるじゃねえか!やっぱ死ぬ前はそうでなくちゃなぁ。」

 

表情がこわばる。

こいつがおとうさんとおかあさんを殺したんだ、

何故殺したのか、お前は誰なのか、聞きたいことはたくさんあったが恐怖で口が動かない。

 

 「ごめんなぁ本当は3人一緒に殺してあげたかったんだけど元呪術師相手だと隙を作りづらくて

  なぁ。」

 「ほら、しかもこいつ一級じゃん?真っ向勝負とか無理ゲー過ぎw」

 

呪術師?一級?なにを言っているんだ?

 

 「もともとお前はターゲットじゃなかったけど見られちゃったからには殺すしかないよなぁ。

  まあ心配すんな。痛みも感じず一瞬で殺してやるよ。」

 

 「俺、子供には優しいんだよ。」

 

殺される。

男の気持ち悪い笑みを見た俺はそう確信した。

だが恐怖で足が動かない。

 

 「よし、そのまま動くなよぉ」

 

男の手が揺らいだかと思うといつの間にかその手にナイフが握られていた。

いやだ。しにたくない。体が震え、涙がこぼれてくる。泣き叫ぼうにも声が出ない。

男がナイフを振り上げる。

 

 「よっこいs」

 

バァン!

 

玄関から何かが破られるような爆音がする。

 

 「ッ!おい!もう来たのかよ!」

 

男が振り返ろうとすると、玄関から何かが飛び込んできた。男はすぐにナイフを振るいそれを切り落とそうとするが紙一重でよけられる。そして飛び込んできた何かが一瞬揺らいだと思ったら、男の首が切り落とされ、断面から血が噴き出る。音が聞こえてから5秒程度の出来事だった。

 

 「どうやら少し遅かったみたいだね。」

 

目の前から声が聞こえる。

そこには白縹色の髪をした長髪の女性が立っていた。

その女性は倒れた父さんを見て目を細めた後、俺に手を差し伸べてくる。

 

 「ケガはないかい?星影輝くん」

 

たった今人を殺したとは思えない

とてもきれいな指だった。

 

 

 

 

 

 

俺たちはリビングから離れいったん外に出た。

安心したらまた涙があふれてくる。今度は大声を出して泣きじゃくる俺の背中をその女性はさすり続けてくれた。

それから約10分後俺の家に車に乗った大人が大勢やってくる。濃いひげを生やした強面のおじさんがなにやら大声で指示をしている。

どうやら、おとうさんたちを運ぼうとしているらしい。

 

 「私たちも一緒に行こうか。」

 

さっきの女性、冥冥さんというらしい。冥冥さんは黒い服を着た大人の人と話をすると俺を車に乗せてくれた。少し心が落ち着いた俺はずっと聞きたかったことを冥冥さんに聞いてみた。

 

 「冥冥さん、呪術師っていうのは、なんのことなんですか?」

 「...ああ、あの呪詛師から聞いたのか。」

 「教えてください、どうしておとうさんは殺されたんですか。」

 「そうだね...話すのは構わないけど君、」

 

戻れなくなるよ。

 

冥冥さんの目つきが変わる。さっきまでは優しい目をしていたが、今は何を考えているか全くわからない。

「戻れなくなる」それがどういう意味かはわからないけど。きっとこのまま何もわからずに終わるなんて嫌だ、絶対に。

 

 「いいんです。ここで帰るよりはマシです。」

 「いい目をしているね。さすが先生の息子さんだ。」

 「わかった。すべて話してあげよう。まずは呪術師について。」

 

そのあと、冥冥さんはすべてを話してくれた。

呪術師のこと、呪霊のこと、父さんたちを殺した呪詛師のこと、そして

父さんのこと。

 

 「さて、これで説明できることは全てだ。理解できたかな?」

 「ほとんどわかりませんでした。」

 「まあ、そうだろうね。今のを聞いただけで理解できるのは少数派さ。」

 「でも、」

 

どうやらおとうさんは呪術師というやつで昔倒した呪詛師っていうやつの仲間に恨まれていたらしい。そしてお母さんを人質に取られ、殺された。でも死ぬ間際に冥冥さんにメッセージを送り、それを受け取った彼女がこの家に駆け付け、俺を助けた。つまり

 

 「おとうさんが命を懸けて俺を助けてくれたのはわかりました。」

 「そうだね私も肝を冷やしたよ、まさか久しぶりに連絡をよこした先生からの一言が

 「息子を助けてくれ」だとは。」

 「というか冥冥さんはおとうさんの生徒だったんですね。」

 「たったの2年間だけだけどね。」

 

そう、驚くことにおとうさんはどうやら学校の先生だったのだ。

確かに勉強を教えるのがやけにうまかったけど本物の先生だったのか、

だが、これで俺のすべきことは決まった。

 

 「冥冥さんいろいろ教えてくれてありがとうございました。」

 「なに...君にはすべてを知る権利があった。だから教えただけさ。」

 「そして、最後に一つお願いがあります。」

 「呪術師になりたい。とでも言うのかな?」

 「!...はい、そうです。」

 「呪霊に食われて死ぬかもしれないし呪詛師に刺されて死ぬかもしれない。

  常に死と隣り合わせ、それが呪術師という仕事だ。それでも君はやるのかい?」

 「はい。もう決めました。俺もおとうさんみたいに呪術の先生になります。」

 「...わかった。じゃあ私が師匠になってあげよう。」

 「本当ですか!ぜひお願いします!」

 「ただし条件がある。」

 「条件?」

 「単刀直入に聞こう。」

 

私にいくら払える?

 

 

...ん?

 

これが俺と師匠の出会い、俺が呪術師になった理由だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「俺の任務は極秘情報の一つのはずなんですけど。」

 

星漿体の護衛は絶対に失敗できない機密事項だ、呪詛師なんかに知られたらたまったもんじゃない。師匠にも長期任務に行くとしか伝えていないはずだ。

 

 「ああ、君を護衛に推薦したのは私だよ。知らなかったのかい?」

 

あんただったのかよ、通りでおかしいと思ったわ。

 

 「今初めて聞きましたよ!全く...」

 「まあ星漿体の護衛なんてめったにできるものじゃない。よく学んできなさい。」

 「...本音は?」

 「黒井家は金払いがいいからね。かなり貰ったんだろう?」

 「やっぱりかよ!この守銭奴呪術師。」

 「失礼だね。一般人よりもすこしだけお金が好きなだけさ。」

 

俺は冥さんを師匠とする代わりに俺に振り込まれた給料の約三割を冥さんに払っている。

おかげで最近は普通の呪霊討伐だけではなく、呪詛師グループの調査など危険度が高い代わりに報酬が高い仕事がよく割り振られる。まあ経験になるからいいんだけどさあ、俺まだ十歳なんだよ?呪術師になったのも去年からなんだよ?大人がそれでいいのかよ。

 

 「それで?わざわざ電話をかけてきた理由はなんですか?」

 「なに、私のかわいい一番弟子に立派な依頼が届いたんだ。お祝いの電話位するさ。」

 「ほんとかなぁ。」

 「君は私をなんだと思ってるんだい?」

 

特級守銭奴呪術師です。

 

 「じゃあそろそろ切りますよ、早く屋敷に戻らないと。」

 「ああ、これからも頑張りなさい。」

 

ピッ

 

 「はぁ...疲れるなぁ」

さっきまでの上機嫌を台無しにされ、星にぐったりと倒れこみながら星影は屋敷へと戻っていくのであった。

 

 

 

 

 

 




冥冥さんの口調がむずすぎる。
あと明日か明後日くらいにオリキャラまとめてプロフィールまとめときます。
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