暗殺教室 孤独な捨て子の物語   作:rixk

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ひとまず書き上がったので投下

前回書き忘れましたが、蓮霧君がE組に来た時系列はカルマ君の停学明けから大体四日後くらいになります

◁ 追記 ▷
2024 05/25 20:05、改行及び鉤括弧などの修正を行いました。


2話 実力の時間

 

 

 

とりあえず一時間目の授業がもうすぐ終わるけども・・・。

 

(うん、メチャクチャわかりやすい!)

 

ナニコレ本校舎の授業の存在意義を疑うレベルでわかりやすいんだが??

もうこの人────いや人ではないけど──── 一人で学校一つ分くらいの授業は賄えるんじゃないか……?

 

「では今回はここまで、何か解らなかった所があれば是非聞きに来てください」

 

殺せんせーが授業を締め、磯貝の号令で休み時間に入る。 こうしてE組に来てからの最初の授業は幕を閉じた。

 

(休み時間はまたユーロビート聴いて時間潰すか)

 

鞄からイヤホンを取りだそうとして、ふと背中に違和感。

 

(そういえば刀仕舞ったままだったな)

 

背中に手を伸ばし、刀を取り出す。

一度抜刀して鞘を左腰に装着し、鞄から鍔を取り出して刀に取り付けてから納刀。 ついでに小太刀も後ろ腰に装着する。

 

改めてイヤホンを取りだそうとすると、磯貝が話し掛けてきた。

 

「なぁ、蓮霧。 お前、速水と何があったんだ?」

 

・・・・・なんのことかと思ったらその話か。

 

「さぁ、なんのことかナ?」

 

「一年の頃、お前達は仲の良い姉弟って学年でも有名だった。 なのに、なんでさっきの自己紹介では"たまたま偶然"なんて言い方をしたんだ?」

 

(・・・・・・はぁ)

 

まあ、その疑問は尤もだろう

 

「・・・・・簡単なことだヨ。 何故、血の繋がりがない赤の他人に対して・・・・・・・・、家族として振る舞わなくちゃいけないんだい?」

 

少し、教室の空気が重くなった。

 

「話は終わり? 用が済んだなら、席に戻ったらどうだい?」

 

磯貝にそう告げ、イヤホンに手を伸ばそうとすると────、

 

「"血の繋がりがない"って、どういうことだ……?」

 

・・・・また質問が来た。 仕方がないので答えておこう。

 

「言葉通りの意味サ。 元々、道端に捨てられてたのを、偶然運良く速水さんの親に拾われた。 それだけだ」

 

質問に答え、今度はクラス中に聞こえるように発言する。

 

「・・・一つ忠告しておこうか。 俺に家族の話題は振らない方がいいよ。 これを聞き入れてくれるのなら、俺はこのクラスの一員として、君たちの友人でいられる。 でも、そうじゃなかったら・・・・・また今みたイに、敵意と殺意ヲモって会話するコとになるだロウね」

 

言いたいことを言い終わり、今度こそイヤホンに手を伸ばす。

これ以上話す気がないと悟ったのか磯貝も席に戻り、俺と話そうとする者はいなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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それから二時間目の授業を終え、二度目の休み時間。

まあさっきああ言ったのもあり、俺に話しかけてくるヤツはいな────

 

「なぁ蓮霧、お前自己紹介ン時スポーツカー好きだって言ったよな」

 

────いたわ

 

えぇっとコイツは・・・。

 

「吉田・・・・だっけ?」

 

「おう。 聞きたいんだけどよ、具体的に何が好きなん「シルビア最高」お、おぅ」

 

ハッ! つい反射で被せてしまった

 

「あーごめん、続けてくれ」

 

「いや、いい。 お前、バイクって興味あるか?」

 

「悪い、あいにくと俺はクルマ一筋なんだ。 スマンな」

 

「そうか、今度ウチ来ねぇか? バイクの良さってモンを教えてやるぜ?」

 

「ほう、それは楽しみだね。 それじゃ、今度お邪魔させてもらうよ」

 

「あぁ」

 

 

そう言って吉田は戻っていった。 んー、バイクかぁ・・・・・

ま、食わず嫌いはよくないし。 一度体験してみなきゃわからない、か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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三時間目の授業は体育・・・なんだけど。

 

「さて、蓮霧君」

 

「ハイ」

 

「訓練に入る前に、君の実力が知りたい。好きな武器でいいので、俺と模擬戦をしてもらう。 俺に武器が命中するか二分が経過したら終了だ。 君の実力を測るため、俺は一切の攻撃をしない」

 

「いいですヨ。 まぁ、当たる気はしませんが」

 

・・・・・何故か烏間先生と模擬戦をすることになった。

 

現役の精鋭軍人に刀当てろとか無理ゲーでは?

 

・・・・・(考え中)

 

・・・・・無理では??

 

「では、始めようか」

 

心の準備はできてないってのに、始まりの刻は無情にも訪れる。

 

「ではお二人共、構え・・・「「「ちょっと待てェ!!」」」にゅ?」

 

なぜか殺せんせーが開始の合図を執ったので慌てて止める

 

「何見てるんですか殺せんせー! 戦闘は初見殺しの応酬なんですからどっか行っててください!」

 

「いいじゃないですかぁ少しくらい」

 

「オレはどっか行ってって言ってるんですケド??? 今日の昼休みに遊びがてら殺しに行くんで手札は明かしたくないんです!」

 

「にゅや・・・・。 そこまで言うのなら仕方ないですねぇ・・・」

 

そう呟くと殺せんせーは職員室に飛び立っていった。

 

「では、改めて・・・いざ、参ります!」

 

「あぁ、来い!」

 

戦いが、始まった・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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相手は現役精鋭軍人、出し惜しみする余裕はない。

・・・・全部見切って防がれる前提で動きはするけど、せめて一矢報いるとしよう

 

「・・・ッ!」

 

俺に先手を譲る以上、烏間先生も俺の動きはいくつか予想するはず。 まあ、だからこそ初見殺しじゃなきゃ通用しないわけで。

 

「なるほど、縮地法か」

 

「ええ、格上に抗うには初見殺しを重ねなければいけませんから!」

 

初動に選んだのは縮地抜刀術。

後ろに退いて躱されたが、刀の間合いに入れたのは大きい。

右半身を前に出したまま右手の一刀剣術を振るう。 烏間先生は全て避けるか腕を弾いて軌道を逸らし続けている。

 

十数回程度斬撃を放ち、次の動作に移る。

フリーにしていた左手で後ろ腰の小太刀に手を掛け逆手で抜刀し振り抜く。 体で腕を隠して死角から斬りつけたのにコレも防がれた。

・・・予備動作もほとんどなくした不意打ちだったんだけどなぁ・・・、ええい実力の差を嘆くのは後だ!

 

左を振り抜いたことで今前に出てるのは左半身。 かつ左手は逆手に構えたまま顔前にある

 

牽制も兼ね、左手を振って小太刀を投擲。 それと同時に右の刀で突きを放ちつつ投擲。

 

当然投擲は顔を逸らされ避けられるわけだが、

 

「何ッ!?」

 

柄に仕込んだ糸を引いて手元に戻すと見せかけて小太刀を弾いて烏間先生の方へ飛ばす。 流石にこれは予想外だったのか、烏間先生は二歩ほど横へとずれた。

屈んで避けてくれたら飛んできた小太刀を蹴り落とすつもりだったのだが・・・。

 

さて、もう好きなタイミングで切れる手札は右でしか抜刀出来ない小太刀一本・・・・。

つまり、ここからは純粋な剣技で勝負しなきゃいけないわけだ。

 

さ、ここからは二刀剣術に移ろう。 まぁ、あまり得意ではないが・・・・。 左手の扱いがヘタクソなんだよな────って、今はんなこと気にしてる暇ないっての!

 

下らないことを考えている間に一歩大きく下がりつつ左手で左腰の二本目を抜刀。その場で逆手から順手に持ち換えて上段に構え、右を納刀し次の動作に移る準備を済ませる。

 

再び縮地で距離を詰め、右の抜刀と同時に左で切り落としを行う。 右は次に繋げられるよう振りは少なく、左は速度を重視して振りを大きく。

 

今度は縮地を予想してたらしくアッサリと躱された。 次は右の刃を内側に回して切り上げつつ勢いを付け、その勢いを利用して左の回転斬り。

 

これもまた半歩下がって避けられる。 流石現役というか、動きに一切の無駄がない

 

もう初見殺しもないし、戦闘スタイルを絶えず変えながら戦うしかないわけだが・・・・。

 

「こうも見事に躱され続けると手札数が足りないんですケド・・・」

 

文句を言いつつ左を逆手に持ち替えて補助に回し、右の刀を軸に斬りかかる。

 

「フッ。 まさか俺に相手にここまで戦えるとは大したものだ」

 

「悉く防がれながら言われても説得力ないです、って!」

 

少し苛立ちを込めた言霊に合わせ、少し強めに刀を振り下ろす。

 

(こうなったら一か八かだ、試してみる価値はある)

 

少しずつ、最後に向けての準備を進めておく。 賭けにはなるが、これしかない

 

少しずつ剣筋を荒く、より苛烈にさせていく。 まぁ、焦っているのは本当だが……

 

(まだ、まだ・・・)

 

左の刀を浮かせて回し、左の掌で押し込んで手から離れる前に掴んで引く。

 

(・・・・ここだ!)

 

右の横薙ぎと左の斬り上げのタイミングが合わさり、右の刀が上に弾き飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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(ここまででわかったが、蓮霧君の実力は相当なものだ)

 

事実、こちらの予測から外れる動きと変則的な剣術は何度か俺に掠りそうになっている。

 

(だが、まだ甘い。 少しずつ焦りが見える)

 

剣筋が段々と荒くなり、動きも読みやすくなっている。

 

「・・・・! ッチィ!」

 

焦りからか少々動きが粗雑になったことで左右の刀が交錯し片方の刀が宙を舞った。 そろそろ潮時だろう。

幸い手から離れたのは右の刀だったようですぐさま小太刀を抜刀してきた。

 

刀を弾いてしまったことで冷静さを取り戻したのだろう、続いての斬撃は先程よりも確実に落ち着いている。

 

しかしそろそろ二分、蓮霧君の実力も大体わかった。

 

我流独学でこれほどの実力を持っているとは思ってもみなかった。 彼の成長が楽しみ────

 

「ッ!?」

 

真上から落ちてきた刀を体を仰け反らせて間一髪で避ける。 先程刀を飛ばしたのはこれが狙いか!

そうして再び前を見ると視界には投擲された小太刀と追撃の構えを取る蓮霧君が映っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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仰け反った烏間先生に投擲した小太刀が命中すると同時に辺りにストップウォッチのタイマーが鳴り響き、クラスメイト達からはどよめきが届いた。

 

なんとか烏間先生に一矢報いることができたようだ。 正直上手く刀を飛ばせるかは賭けだったが・・・、どうやら今回は運が良かったようだ。 今後はこれを安定させれるようになれば優秀な手札を一枚増やせるな。

 

「まさか俺に一撃入れるとは、見事なものだ」

 

「かなりのハンデを貰って、ですけどね。 特に小太刀のブラインドアタックは結構自信あったんですよ」

 

「あれか。 あの攻撃には少々驚いたが、体で死角を作るのはよく見られる手法だからな」

 

「むぅ、そうですか。 それで、俺の実力は大体わかりました?」

 

「あぁ。では、これから訓練を始める」

 

それを聞いて地面に落ちた小太刀と刀を回収し、それぞれ鞘に納めてみんなのところへ戻る。 ちなみに訓練自体は俺もみんなと同じナイフを使用するそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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なかなか有意義な時間だった。 内容はナイフ術の基礎だが、どれも剣術に応用できる。 次の訓練も楽しみだ。

 

教室に戻ろうだとすると、何故か前原を筆頭に男子数名が駆け寄ってきた。

 

「おや?」

 

「スゲェじゃねえか蓮霧! あの烏間先生に一発当てるなんて!」

 

「ちょいと刀の心得があるだけサ」

 

「いやいや、俺と磯貝の二人掛かりで掠りもしなかったんだぜ?」

 

「やっぱ蓮霧クンは強いね~」

 

「・・・・ねぇカルマ~、これまで戦闘に発展した十回中、六回も俺に勝ってるヤツに言われても煽りにしか聞こえないんだけど?」

 

「いやいや、蓮霧クンこそ俺の攻撃を悉く受け流してカウンターしてくるじゃん」

 

「それで、プラスチックの刀なら掴んでも大したことないから握り潰すと?」

 

「刀がなければ蓮霧クンは大したことないからねェ」

 

「あはは、また斬り捨てられたいかい?」

 

「そっちこそ、また殴り飛ばされたいのかな?」

 

「おいおい! 落ち着けよお前ら」

 

どこか慌てた様子で前原が仲裁に入って来た

 

「この程度ちょっとした挨拶みたいなもんさ」

 

「そーそー、俺等からすればこんなの日常茶飯事だよ?」

 

「・・・・不良同士仲がいいんだな。 さて、立ち話もなんだし戻らないか? 次の授業が始まる前に着替えなきゃ」

 

埒が明かないと判断したのか磯貝が割って入ってきた。

 

「それもそうだね、じゃあ戻りますかぁ」

 

そう言って話を切り上げ、校舎を向いて歩き始める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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現在五時間目も終わり、本日最後の授業である六時間目。

 

え、昼休みの暗殺? 当然失敗したが?? 見切られるだけなら兎も角、鞘から小太刀抜かれて全部防がれたが???

 

あ、チャイムが鳴った。

 

初日はこれで終わりか。 なかなか濃密な一日だったねぇ。

 

荷物を仕舞い、イヤホンを付けて帰路に着く。

 

また不良シバいて修練を積むとしよう。 そう考えながら家に向かって歩を進めた





今回はここまでです。
トーシローには戦闘描写含め色々と難しい・・・。

蓮霧君の実力自体は現状カルマ君とほぼ同じです。
力と打たれ強さのカルマ、技と小細工の蓮霧ってイメージ。

そして彼の過去に一体何があったのか…… これは道中回想回挟んだりするつもりなのでお楽しみに
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