暗殺教室 孤独な捨て子の物語   作:rixk

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書き上がったので投下
なんとか二週間以内に投稿できて一安心

無事(?)に蓮霧君がE組の一員になったので、ここから原作軸に沿って進めていきます

◁ 追記 ▷
2024 06/05 22:30、改行及び鉤括弧などの修正を行いました。







3話 毒の時間

 

 

 

 

 

今日も今日とて暗殺失敗、蓮霧君ですっ☆

はぁ~・・・。

マッハ剣術ってナンダヨ・・・・・。 ただスペックでゴリ押してるだけじゃねえかよ。

 

(・・・というかさぁ)

 

さも当然のように人の刀使うなよあれ俺のだぞ!!

 

(・・・っと、おや?)

 

ふと前に目を向けると、奥田が試験管とフラスコ両手に教壇へ向かっている。

 

(あの後ろ姿、どこか決意のようなものを感じる。 ・・・いったい、どう殺るつもりだろうか)

 

興味本位で様子を見ていると、おもむろに試験管を差し出し───

 

「毒です! 飲んでくださいっ 殺せんせー!」

 

(??????)

 

え、いや、ゑ?

思わず思考停止してしまった。 クラスからも戸惑いが見てとれる。

 

「・・・奥田さん、これまた随分正直な暗殺ですねぇ」

 

ほら殺せんせーも困惑してるじゃないか。

 

「わ、私は皆さんみたいに不意打ちとか上手く出来ないので・・・、でもっ、化学だけは得意なので! 真心込めて作りました!」

 

「ねぇ千葉~、毒って真心込めるもんだっけ」

 

なんとなくカルマに聞くのは癪だったので、右前の千葉に話し掛ける。

 

「いや、違う・・・と思う」

 

よかった、危うくここではこれが普通なんだと認識するところだった。

 

「なるほどなるほど。 では、いただきます」

 

なんであの人は何のためらいもなく飲んでるんだ??

 

「飲むのかよ!?」

 

あ、前原がツッコミを入れた。

ツッコミがやけに様になってるのはなぜだろうか・・・。

 

一方で殺せんせーの方は苦しそうな声を出し───

 

───後頭部から角が生えた。

・・・なんで? いや、ホントになんで??

 

「水酸化ナトリウムですね、人間には有害ですが先生には効きません」

 

なぁんで毒物の味知ってるんですかね・・・・?

 

「あと二本あるんですねぇ」

 

「は、はい」

 

「それでは・・・・。 うっ、ぐぅぅぅ、うぐぁっ」

 

先程と同じように苦しそうな声を出し、今度は翼が生えてきた。

頭だけ切り取ったら顔が簡略化された代わりに羽の作画コスト上げたドラゴスライムみたいな感じだな、うん。

 

「なんか、無駄に豪華な顔になってきたな……」

 

「これは酢酸タリウムの味ですねぇ」

 

だぁから何で味知ってるんすかぁ・・・?

 

「それでは最後の一本を・・・・!」

 

「ど、どうだ・・・?」

 

「最後はどうなるんだ・・・!?」

 

さて、今度はどうなる?

ここまでの前列から考えると頭上に輪っかでもできるんじゃないだろうか。

それかここまで鬼、天使って順序で変化してるし悪魔に寄るとか。

色々考察をしてると変化が終わったらしく───

 

「・・・・・・・・・・」

 

まさかの無表情。

 

さっきまであった装飾品も全部消えてるしあれどこいった?

 

「真顔薄っ!」

 

「顔文字みてーだな!」

 

すげーなあれ、作画コストメチャクチャ安そう。

 

「王水ですね」

 

「だぁからなんで味知ってんだ!!?」

 

なんとなく予想してたとはいえつい反射でツッコんでしまった。

でも多分みんな思ってるだろ、多分。

 

「先生の事は嫌いでも、暗殺の事は嫌いにならないで下さい」

 

「急にどうした!?」

 

急に突拍子もないこと言い始めたぞどうした?

あれか? 真顔だと精神がナーバスになるのか??

先生表情と精神が連動してる節あるから表情変えれるって間接的に感情弄れるようなもんなのか?

 

「それと奥田さん、生徒が一人で危険物に触れるのは教師として見過ごせません。 放課後、先生が付き添いますので一緒に先生に有効な毒を作ってみましょう」

 

「は、はいっ!」

 

「ターゲットと一緒に作る、毒薬・・・」

 

「それホントに効くのか・・・・・?」

 

そうして今日の授業は終わった。 色々と、うん、色々と濃い数分だった。

 

にしても、毒ねぇ・・・。

対先生BB弾を粉末状にすりおろして職員室の冷蔵庫にあるジュースに混入させるとか・・・?

 

現実的に可能ではあるか。 混入させるのはそれこそ休み時間に殺せんせーがどっかの国に行ってる時とかでいいとして・・・・。

問題は烏丸先生だな。 あの人も一応は人間だし、プラスチックを飲み込ませる訳にはいかない。

まあ、そもそも殺せんせーの体の構造は謎が多いからイタズラ程度で終わってしまいそうではあるが・・・・。

 

・・・今度試してみるか。 烏丸先生には事情を説明しておけば誤飲の可能性はなくせるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

翌日、奥田は殺せんせーに宿題として指定されたという毒薬を持ってきた。

 

「ご丁寧に正しい保管方法について漫画で纏めてる・・・・・。 相変わらず手厚いなぁ」

 

渚が見てた漫画とやらを後ろから覗き見てみる・・・。

 

「おいなんだ"彼女も5人いる"って、ガッツリ浮気じゃねぇかよ」

 

「あ、蓮霧くん」

 

「でもほら、本人たちが納得してるならいいんじゃない?」

 

思わず思ったことを口に出すと俺に気付いたらしい茅野が諌めてきた。

 

「いや、そもそもこれフィクションだし・・・・」

 

「ねぇ渚、それ言うのは違うじゃん。 フィクションってのは空想の上に成り立つリアリティを楽しむものであって───」

 

「・・・・私は国語が苦手です。」

 

「・・・!」

 

奥田が心情を吐露し始めたのを察して口を閉じ、耳を傾ける。

 

「言葉とか、感情表現とか、そういったものの正解がわからなくて・・・。 でも、理科は得意なんです、正解は一つしかないので・・・」

 

ふむん、その辺の感じかたは人それぞれ、か。

俺は定まった答えよりも、複数の解からどれが適切に伝わるか、どう表現すればいいか考えることに楽しみを見出だすタイプだけど・・・・。

奥田はそれが苦手、ってとこかね。

 

「きっと殺せんせーは、私の才能を伸ばそうとしてくれてるんです。 そうすれば後は必要ないって」

 

「・・・・いや、それは違うんじゃないかな」

 

「・・・・・蓮霧くん?」

 

「違うって、どういうこと?」

 

思ったことを口に出すと、渚と茅野が真意を尋ねてきた、が・・・。

 

「・・・なぁに、直にわかるだろうさ」

 

あの人の性格なら、"いろんな選択をできるように"とバランスを重要視するだろう。

ここに来てまだ日は浅いがなんとなくそんな気がしている。

 

「それってどういう・・・」

 

「ほらほら、そろそろ殺せんせーが来る頃じゃないか?」

 

これ以上追及されないよう手を叩いて話題を逸らす。

言い終わると同時に殺せんせーが通勤してきたようで、奥田は先生の方へと駆け寄って行った。

 

「先生! これを・・・」

 

「はい、では早速いただきます」

 

殺せんせーは昨日と同じように受け取ったフラスコの中身を飲み干す

 

「ヌルフフフフフフ・・・。 ありがとうございます、奥田さん。 キミのおかげでまた一つ、先生は新たなステージへと進むことができます」

 

続いて耳に響いたのはそこはかとなく不穏な物言い・・・。

周りのみんなは何事かと先生の方を注視し、奥田は発言の意味を処理できてないのかその場から動けなくなっている。

 

はてさて何が起こるのか、と俺も少しばかり警戒しておく。 その間にも殺せんせーは煙を発し続け・・・・。

次の瞬間には体が溶けて、こう・・・・はぐれメタルみたいになった。

 

「「「溶けた!!?」」」

 

「奥田さん。 君に作ってもらったのはね、先生の細胞を活性化させて流動性を増す薬なのです」

 

つまり文字通りの液状化ってことか。

 

「液状ゆえ、どんな隙間も入り込むことが可能に!」

 

実演のために人の机に入る必要はないんじゃないかなぁ・・・?

 

「さぁ、先生を殺してみなさい!」

 

殺せんせーは言うが早いか、液状のまま教室中を駆け回り始めた。

 

「ちょ、壁とか天井の隙間に入られたら狙いようがないって!」

 

「スピードそのままな上に的が小せぇから当たんねぇんだがぁ!?」

 

唐突な無茶振りに俺を含めてクラス中が阿鼻叫喚の嵐に呑まれる。

 

「騙したんですか!? 殺せんせー!!」

 

少しの間殺せんせーに遊ばれてると、奥田の叫びが教室に木霊した。

 

「奥田さん、暗殺には人を騙す国語力も必要ですよ」

 

「えっ・・・?」

 

「どんなに優れた毒を作れたとしても、こうしてバカ正直に渡したのでは、今のようにターゲットに利用されて終わりです」

 

実際、その通りだろう。 殺されたい人間などそうそういない。

突然目の前の人に"死んでくれ"と言われて素直に従うような奴は相当な狂人か死にたがりぐらいのもんだ。

 

「例えば渚君、君が先生に毒を盛るならどうしますか?」

 

「え? うーん……」

 

唐突に話を振られた渚は、少し逡巡した後こう言った。

 

「僕だったら、先生の好きな甘いジュースを毒で割って、特製ジュースって言って渡すとか、かな」

 

「そう。 人を騙し、動かすのならば、他人の気持ちを知り、言葉を工夫する必要がある。 上手な毒の盛り方、それに必要なのが国語力です」

 

奥田も殺せんせーの言葉を聞いて何かに気付いたようで、先程までの自分の考えを省みているようだ。

 

「キミの理科の才能は将来皆の助けになります。 それを分かりやすく皆に伝えるために毒を渡す国語力も鍛えて下さい」

 

「は、はいっ!」

 

効果切れか元の姿に戻り、服を着た殺せんせーは奥田の力強い返事に満足そうに頷いた。

 

「あっはは、やっぱり暗殺以前の問題だねぇ」

 

「あまり揶揄ってやるなよ、いっつもフィジカルでゴリ押しされてるヤツもいるんだからサ」

 

少し自虐と皮肉の込もったカルマの揶揄いへの返答に、クラスメイト達が苦笑する。

しかし、たとえ毒を持っていようが殺せんせーの前ではただの生徒、か。

 

俺を含めて、何かしら心に歪みを抱えているであろう生徒の多いこのE組をどう手入れしていくのか・・・・・、

 

(・・・実に興味深いね)

 

今後のクラスに期待を馳せ、また始業の刻が来る。

さぁ、今日も一日、頑張りますか!

 

 

あ、そうそう、昨日考えたプランは無事玉砕した。

途中まではよかったんだけどね・・・。

実際に見た烏丸先生から聞いた内容によると、一応効きはしたが、口回りが軽く溶け始めたあたりで飲むのをやめたそうで。

結果的には、やっぱりイタズラ程度にしかならなかったそうな。

いやはや、残念残念。

 

 

 

 

 









最後までお読みいただきありがとうございます!

また二週間以内に書き終えれるよう頑張りますので、次回以降も是非是非よろしくお願いします!
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