転生する術式を持つ少女がいろんなキャラの地雷になる話   作:おにい

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二章を書くというのは嘘です(プロット終わらなかった)。
一話だけガチ日常回を入れます。少しだけ伏線もあるので読んでた方が楽しめるけど読まなくても不幸になるだけで大丈夫です。多分事故に遭う。


日常回「六話と七話の間の話」

【タバコ】

 

 とある日の高専一年生の教室。

 放課後、珍しく四人とも任務がなく教室で駄弁っていた。

 

「硝子~、タバコって美味い?」

 

 教室の窓際でタバコを吸っている硝子に悟は聞いた。

 悟の問いに硝子はタバコを口から離す。

 

「なんだよいきなり」

 

「硝子っていつもタバコ吸ってんじゃん? 美味いのかなって」

 

 悟は硝子のタバコを指差しながら言った。

 硝子は少し首を傾げ悩んだ。

 

「うーん……まぁ、美味いな」

 

「悟、タバコは駄目だよ」

 

 二人の会話を聞いていた傑が割って入った。

 

「なんだよ。一本くらいいいだろ」

 

 悟は少し不機嫌そうな表情で言った。

 傑は硝子の吸っているタバコを見る。

 

「硝子もだけど、タバコは体に悪いんだ。病気になるよ」

 

「病気になっても透が治してくれるもん」

 

 硝子は隣に座る透を見て言った。

 透はタバコをあまり気にしない性格だった。

 

「治しますよ」

 

 優しく微笑んだ透が言った。

 透であれば癌になろうと治すことが可能だった。

 

「透、そうやって甘やかしてばかりじゃダメだよ」

 

「なんだこれマッズ!!?」

 

 傑の目を盗んで硝子のタバコを一本取った悟が吸ってむせていた。

 涙目になりせき込んでいる。

 

「……聞けよ」

 

 傑はそんな悟の姿に頭を抱えた。

 

「あはは、最初から美味しくは無理ですよね」

 

「けほっ……なに、透も吸った事あるの……?」

 

 笑顔で言う透に悟が首を傾げて聞いた。

 すると、透の隣に座る硝子が透の肩を掴んだ。

 

「え、透は駄目だよ! 体に悪いよ!」

 

「硝子はどの口が言ってるんだい」

 

 傑は冷静にツッコんだ。

 

「いや……タバコは吸ったことないですよ?」

 

「タバコは……?」

 

「私が吸ってたのはもっとフワフワする感じのやつでした」

 

 笑顔で懐かしそうに言う透に傑は顔を青くした。

 硝子も驚いた顔をしていた。悟だけが分かってないように首を傾げていた。

 

「……なんだか嫌な予感がするんだけど、それって……?」

 

「なんでしたっけ……? 昔友人に勧められてハマっちゃって……えーと……あっ! 〇〇〇〇〇〇(絶対吸っちゃダメなやつ)です!!」

 

 透の言葉に全員が固まった。

 そして、数秒ほどの時間が経って傑が口を開いた。

 

「……透、その友達とは縁を切ってくれ」

 

 傑は透の肩を力強く掴みながら言った。

 

「えぇ!? もうやめましたし大丈夫ですよ!」

 

 透がその薬物を摂取していたのは数回前の前世だった。

 その当時はそう言った薬物が流行った時代であった。

 

「なんだかんだ透が一番狂ってるよな……?」

 

「それは異論ないね……」

 

 悟の問いに硝子は頷いたのだった。

 

 

【タイプの人】

 

 高専女子寮。

 透の部屋は同級生たちの溜まり場になっていた。

 透の部屋はいつでも誰でも歓迎できるようにお菓子や飲み物が常備されていた。

 そんな透の部屋でいつもの如く四人は(たむろ)っていた。

 

「透ってさ。どんな人がタイプ?」

 

 悟が透に膝枕されながら聞いた。

 ちなみに膝枕は順番で回っている。

 

「急ですね」

 

「透って周りに俺や傑みたいなイケメンがいるのに全然色気ださないじゃん? 硝子は何となく分かるとしておかしいだろ。もしかしてB専とか?」

 

「その自信どっから来てんだよ」

 

 硝子は呆れたように聞いた。

 傑はすかした顔をして本を読んでいるがしっかりと話に耳を傾けていた。

 

「んー、見た目に好き嫌いはないですね……好みでしいて言うなら」

 

 透は頭を傾けた。

 

「しいて言うなら?」

 

「強くて優しい人は好きですね」

 

 透が笑顔で言った。

 

「俺じゃん」

 

「いや私だろう」

 

 悟と傑は自信満々に言った。

 

「どう考えても優しさって点で私でしょ。クズ共は黙ってろ」

 

 硝子はそんな二人に中指を立てながら言った。

 優しいとは。

 

 

【お酒】

 

 透の部屋。

 二年生への進級を祝ってその日はパーティーをしていた。

 最初は楽しく進んでいたが、硝子が飲んでいる酒に悟が興味を持ち一口飲んだ瞬間。

 

「はは、傑が五人居るんだけどナニコレぇ?」

 

 悟は酔っぱらってしまった。

 そんな悟を傑が膝枕して介抱していた。

 

「あーあ、五条酒弱すぎでしょ」

 

「悟にもこんな弱点があったんだね」

 

「お酒の呪霊とかいたらやられちゃうんじゃない?」

 

 二人がそんな軽口を言っていると、透が台所から水を持ってきた。

 

「悟さん大丈夫ですか?」

 

「はっはっは、透~」

 

 水を持ってきた透に抱き着く悟。

 透は気にする様子もなく水を飲ませようとする。

 

「おい五条! 透に抱き着くなよ!」

 

「これはもうお酒は禁止だね……」

 

 硝子と傑の二人は嫉妬から怒っていた。

 しかし、抱き着かれている張本人の透は気にした様子がない。

 

「まぁまぁ、私は気にしませんよ」

 

「少しは気にした方がいいと思うよ?」

 

 傑の言っていることはもっともだった。

 硝子も頷いている。

 

「友達なら抱き着くくらい普通ですし……」

 

「なら私も」

 

 傑と一緒に悟を咎めていた硝子だったが、免罪符が出来た瞬間に透に抱き着いた。

 傑は乗り遅れた。

 

「おっと……硝子も甘えん坊ですね……」

 

 透は抱き着いてきた硝子の頭を撫でながら言った。

 何回も姉をやっているからか、透はとてつもない母性を感じさせた。

 

「母性えぐい……お母さんになって」

 

「……私、子供は作らないって決めてるんです。妹ならいいですよ」

 

「なら妹で……お姉ちゃん~」

 

「はいはい……可愛い妹が出来ましたね」

 

 透は微笑みながら硝子を撫でる。

 硝子は嬉しそうに目を細めていた。

 

「俺は旦那になりたい……」

 

 悟は立ち上がってそんなことを言った。

 そんな悟の発言に透は苦笑いになる。

 

「いや、私結婚する気も──」

 

 ──悟が透にキスをした。唇に。

 

「おい!! 悟!! それは流石にマズイだろう!!」

 

 すぐさま傑が悟を透から引きはがした。

 悟はやってやったぜ的な顔をしている。

 

「……夏油、包丁持ってきて」

 

 硝子は本気でキレている。というか斬ろうとしている。

 

「はっ、透はこれくらい許してくれるだろ?」

 

 普段の透の言動からこれくらいは許してくれるだろうと踏んでいた悟。

 傑も確かにそうかもしれないがするな、と頭を抱えた。

 

「だとしても駄目だろう……」

 

「包丁どこだっけ……」

 

 硝子は包丁を探しに台所に向かっていた。

 

「な、透は許してくれるよな……?」

 

 悟の問いに透は返事をしない。

 透は俯いていた。

 

「…………」

 

「あれ、透?」

 

 悟は透の顔を覗き込もうとする。

 瞬間。透は顔を上げた。

 

「……悟さん……いえ、悟……」

 

 その声には今までにないほどの怒気が感じられた。

 悟の酔いは一瞬で覚めた。

 

「は、はいっ……!!」

 

 悟は気を付けの体勢になる。

 透の顔は真っ赤であった。

 

「私は今からアナタを全力でビンタします……私のファーストキスのことはそれで流してあげます……反転術式で治しもしません……」

 

「と、透!?」

 

 透は悟に近づいて、腕を振り上げた。

 悟は驚いている。

 

「ふんッ!!!」

 

 透がビンタをした瞬間。黒い火花が弾けた。

 ──天然の黒閃だった。

 

「ぐぇ!!?」

 

 悟は窓から外まで吹っ飛んだ。

 

「……」

「……」

 

 今までにないほど怒っている透の姿に、硝子も傑も逆に冷静になっていた。

 

「悟さんは今後お酒禁止です……」

 

 透の顔はずっと真っ赤なままだった。

 普段は少しお姉さんっぽくも子供っぽい表情の透が乙女のような表情になっていた。

 

「あんな顔の透見たの初めてなんだけど……」

 

「私もだよ」

 

 そんな透の表情をこっそり写真に収める硝子だった。

 傑は目に焼き付けた。

 

 

【禪院家】

 

 透は任務帰りに近くを通ったという事で、数か月ぶりに禪院家にやってきていた。

 

「ただいま帰りました」

 

 禪院家の玄関を開けると、一人の女の子が透に抱き着いた。

 その女の子は透のいとこの禪院真衣(ぜんいんまい)であった。

 

「おねーちゃん!!」

 

「真衣! 大きくなりましたね」

 

 真衣の後からもう一人真衣と似た顔立ちの女の子が来た。

 真衣の双子の姉、禪院真希(ぜんいんまき)だ。

 

「おかえりねぇさん」

 

「真希もお出迎えですか! 嬉しいですね!」

 

 透は真希に笑顔を向けて言った。

 すると真希も嬉しそうに微笑んだ。

 

「いや、私達だけじゃない」

 

 真希はそう言って後ろの角を指差す。

 すると、そこから一人の少年が出てきた。

 

「……久しぶりやね。おかえり姉さん」

 

 少年の名前は禪院直哉(ぜんいんなおや)

 直哉の姿に透はさらに喜ぶ。

 

「直哉! 直哉も来てくれるなんてお姉ちゃん感激ですよ!」

 

「姉さん、今回は何日いれるん?」

 

 笑顔を向けてくる透の姿に直哉は顔を赤くして聞いた。

 

「あぁ、実は任務の途中で寄っただけで、すぐ高専に戻らないといけないんですよ。家族の顔を見に来ただけです」

 

「……そうなんね」

 

 申し訳なさそうに言う透に残念そうに返す直哉。

 透の手を握っている真衣も残念そうな顔をしていた。

 

「えぇ! おねーちゃんすぐ行っちゃうの!」

 

「ごめんなさい。本当はゆっくりしたいんですけど」

 

「えぇー」

 

 真衣の反応に透は困ったように笑う。

 透はもうこのまま高専に帰らないでもいいかな、なんて考えていた。

 しかし、そんなわけにもいかない。

 

「あはは、その分、今回は家族成分をしっかり吸収してから出ようと思います! ほら、真希真衣近くに来てください!」

 

「うん!」

 

「……あぁ」

 

「ほら、ぎゅーです。これでお姉ちゃんは頑張れますよ」

 

 透は力いっぱい二人を抱きしめた。

 

「苦しいよー」

 

「ん」

 

 苦しいと言いながら嬉しそうな真衣。

 真衣の手前はしゃいで喜べないが、とても幸せそうな真希。

 

「よしっ! 次は直哉です!」

 

 しばらく抱きしめて二人を離すと、次は直哉に向かって両手を広げた。

 直哉は少し固まって困惑していた。

 

「えっ……いいん?」

 

 直哉は照れながら聞いた。

 

「いいも何も直哉も私の可愛い家族ですよ。お願いします」

 

 透は笑顔で答えた。

 

「……ん」

 

 直哉は顔を真っ赤にしながら透に近づく。

 近づいた直哉を透は力いっぱい抱きしめた。

 

「ぎゅーです」

 

「うわー直哉顔真っ赤!」

 

「きもい」

 

 直哉は二人にいじられてさらに顔を赤くした。

 透は仲の良い会話に嬉しそうだ。

 

「……うっさいわ……」

 

 

【罰ゲーム】

 

 ある日の透の部屋。

 いつものように四人は集まっていた。

 その日は悟の持ってきたテレビゲームで遊んでいた。

 

「はい透の負け―!」

 

 悟が変顔で煽りながら透に言った。

 

「ぐぅ……ゲームは苦手です……」

 

 透はLOSEと表示されている画面の前でコントローラーを握っていた。

 悟の持ってきたゲームは四人で対戦のできるゲームだった。

 透は今までゲームなど全然触れたことが無く、三人に惨敗していた。

 

「これで十連敗だね」

 

 傑は透の負けっぷりに苦笑いで言った。

 

「透って何でもできるイメージだったけど、ゲームは苦手なんだね」

 

 硝子は意外と思いながら言った。

 確かに透は多才である。しかし、それは人より練習しているというだけであって、最初は人より劣っている事の方が多い。

 

「囲碁とか将棋とかなら……プロにだって負けないんです……」

 

「四人で出来ねぇじゃん。次、罰ゲームありでやろうぜ」

 

 悟は笑顔で言った。

 

「絶対透が負けるじゃん」

 

「悟、弱い者いじめは駄目だよ?」

 

 味方だった硝子と傑にも無意識で煽られる透。

 透は悔しさから涙目でコントローラーを強く握りしめていた。

 

「……こ、ここまで舐められたのは初めてです……確かにここまでは私の惨敗でしたが、それは私がゲームに慣れてなかっただけなんです……次は勝ちます……」

 

「おっ、やる気じゃん。じゃあ、負けたらセクシーポーズで写真撮るから」

 

 悟はにやけ面で言った。

 完全に舐められていると感じた透は悟を睨んだ。

 

「やってやりますよ!! 浴衣姿でおはだけてやりますよ!!」

 

 透は立ち上がり、自信満々に言った。

 

「これ……止めた方がいいと思うかい?」

 

「透のセクシーポーズ見たいから止めないで」

 

「……そうだね」

 

 そんな会話をする硝子と傑。

 もちろん、透はボコボコにされて負けた。

 

「──くっ、殺してください」

 

 星漿体護衛任務、前日のことだった。




明日から本当に二章です!
ちゃんと主人公の死後から始まるのでご安心ください!!日常回はこれまでです!!

お気に入りと高評価と感想をすると幸せにします。
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