「これより、ゲゲゲの鬼太郎の裁判を開廷する!」
12月23日、大天狗様の一声で妖怪大裁判が執り行われた。
被告人は俺だ…
弁護側には父さん、猫娘、砂かけ婆、ぬりかべがいる。
検察側の妖怪達には見覚えがある奴ばかりいる。みんな過去に俺が懲らしめた奴らだ。他にもう1人おじいさんの妖怪がいた。
「ねぇ、子泣き爺と一反木綿はまだ来ないの?」
「もう来ても良い筈なんじゃが…」
「何か変じゃのう…」
父さん達の会話を聞くに子泣き爺と一反木綿も来る予定だったらしいな…
まず、検察側の証言が始まった。
「鬼太郎は妖怪でありながら人間の味方をし、これまで多くの妖怪を退治してきました!ついには人間達に我々を売り渡した!よって厳刑に処すべきです!」
「何を言う!お前達が人間達に悪さを働くから鬼太郎がお前達を懲らしめたにすぎん!」
「言いがかりもいいところだ!」
『そうだそうだ!』
検察側は言いがかりと言って反論する。
「待ってよ!鬼太郎は何も人間ばっかり助けてるわけじゃないんだよ!傍聴人の中には鬼太郎に助けられた妖怪達がたくさんいるの!そうでしょ!?」
猫娘は傍聴席にいる妖怪達の方を見る。
確かにみんな過去に俺が助けた妖怪達ばかりだけど誰も返事をしなかった。
「誰も返事をしないではないか?」
「そ、そんな事ないよ!ねっ?」
猫娘の問いかけに誰も答えようとしなかった。
よく見ると検察側の妖怪達が傍聴人達を睨んでいた。
あいつら…俺が有利になる証言をしないようにみんなを脅したんだな!
「静粛に!」
大天狗の一声で周りは静かになる。
「大天狗様!これ以上の審理に意味はありません!鬼太郎に有罪判決を!」
「うむぅ…」
あの爺さんが俺に有罪判決を下すようにと大天狗様に進言する。
このままじゃマズいな…
「ちょっと待ったぁーーーーーー」
そこへ待ったをかける声が聞こえてきた。
声の正体はねずみ男だった。
「ねずみ男!」
「間に合って良かったぜ!大天狗様!俺の証言も聞いてください!きっと決定的になると思いますよ!」
「…いいだろう。ねずみ男、証言を」
ねずみ男が証言することになって、俺はほんの少し安心する。
「あいつも良いとこあるじゃん!」
猫娘も今回ばかりはねずみ男に感心していた。
「…実は俺、12月10日にある封書を渡され、それをテレビ局に持っていったんです。後から知りましたが、それは例の番組の企画書だったんです…」
なるほど…ねずみ男は真犯人に会ってるらしいな。
だとしたら犯人に人相を知ってる筈だ。
「俺に封書を持っていくように指示したのは、そこにいる鬼太郎です…」
えっ…?
「な、何言ってんのあんた!?」
「ねずみ男よ、それは間違いないな?」
「はい。残念な事に…」
待て待て待て!何であいつ、俺がやったって言ってるんだ!?
「待ってください!私はそんな事…」
「静かに!」
俺は発言しようとしたけどカラス天狗に止められてしまう。
「本件はこれ以上の審理を必要としないものとする。よって、ゲゲゲの鬼太郎に判決を言い渡す!判決は有罪!500年の
「そんな!」
有罪判決が下されてしまった…しかも解かされるなんて…
「さぁ立て!」
「待ってください!何かの間違いです!放してください!」
俺の言い分は聞いてもらえず、カラス天狗は俺を連行していった…
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俺は処刑場に連れていかれ、拘束されていた。
「大天狗様の命令で直ちに鬼太郎を処刑しろとの事だ」
カラス天狗達の会話を聞くにもう俺は処刑されるみたいだ。
「鬼太郎の服を脱がせるんだ」
「はぁっ!?」
俺が驚いている間にちゃんちゃんこ、衣服、下駄を剥ぎ取られ、更に胸を包んでいたさらしも取られてしまった。
うぅ…流石に恥ずかしい…でもこれはあの力を使うチャンスだ!
「白蛇の手錠を外し、溶解液が入った壺に入れるのだ!」
カラス天狗は俺を拘束していた白蛇の手錠を外した。
よし!今だ!
「なっ!?」
「鬼太郎が消えたぞ!」
「逃げたのか!?」
カラス天狗達は俺の姿が突然消えた事に驚いている。
俺は地面と同じ色になり、カメレオンみたいに擬態してるんだ。
カラス天狗達が動揺している間に俺はこの場から逃げていった。
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その頃、ねずみ男と百々爺は…
「上手くいったな!これでようやくお前さんの天下じゃな!」
「…」
百々爺は嬉しそうにしているがねずみ男はあまり嬉しそうではなかった。
「…百々爺!これ、あんたにやるよ!」
ねずみ男はテレビ局から貰ったお金を百々爺に渡す。
「どういう意味じゃ?」
「確かに世の中金と…その考えは変える気はねぇ!けどよ!親友の鬼太郎を殺して得る金なんていらねぇんだよ!」
「わしを裏切るのか…?」
「そういうこった!そんじゃあ俺は鬼太郎を助けに行くぜ!」
ねずみ男はそう言ってその場から立ち去ろうとする。
「お前達!裏切り者がいるぞ!」
百々爺がそう言うと鬼太郎の裁判の時に検察側であった妖怪達が現れてねずみ男を包囲する。
「どういう事だよ!あんた俺のファンなんだろ!?」
「そんなもん、お前を騙すための嘘に決まっとろう!お前達!そいつを始末しろ!」
百々爺の一声で妖怪達はねずみ男に襲い掛かり、タコ殴りにしていく。
「いって~!これでも喰らいやがれ!」
ねずみ男は尻から大きな屁を出した。
妖怪達はあまりの臭さに悶絶してしまう。
ねずみ男はその隙に逃げ出した。
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裁判所から逃げ出した俺はゲゲゲの森に戻り、その辺で拾った布を身体に羽織って父さんを探していた。
おっと!父さん達がいたぞ!
あれ?猫娘がいない…
「父さん!みんな!」
「鬼太郎!無事だったか!」
「うん!ところで猫娘は?」
「猫娘は…ポリス達に連れていかれてしもうた…」
「えっ!?何で!?」
砂かけ婆から聞かされた事実に俺は思わず驚き、声を出してしまった。
「どうやらポリス達はわしを人質に連れていくつもりだったらしいが、猫娘が自分から身代わりになると言い出してしもうて…」
「ポリス達は、『鬼太郎が次の夜明けまでに出頭しなければ猫娘もろとも溶解液で溶かす』と言っておった…」
次の夜明けか…今はだいたい夜の11時くらいだからもうそんなに猶予はないな…
「お~い!鬼太郎~!」
そこへ俺を呼ぶ声が聞こえてきた。
あいつは…ねずみ男!?
「お前!よくも鬼太郎を嵌めおったな!」
「そ、それはそのぉ…」
「落ち着いて砂かけ婆」
ねずみ男に詰め寄る砂かけ婆に落ち着くように言う。
「鬼太郎!こやつはお前を有罪に追い込んだのじゃぞ!」
「わかってるさ。でもねずみ男の裏切りはよくあることだし…友達だからさ、許したいんだよ」
「き、鬼太郎~!」
ねずみ男は何故か感動しながら号泣していた。
とにかく俺達は事の経緯をねずみ男から聞くことにした。
検察側にいたあの爺さんは百々爺という名前でどうやらそいつが俺を嵌めた張本人らしい。
更にねずみ男を使って子泣き爺に眠り薬を飲ませて百々爺が一反木綿をどこかに捕らえたらしい。
「よし!わしと砂かけとぬりかべは一反木綿を。鬼太郎とねずみ男は子泣きを探しに行くのじゃ!」
父さんがそう言うと俺達はそれぞれ子泣き爺と一反木綿の救出に向かった。
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「…あ、あのよ」
子泣き爺がいる場所に向かってる最中、ねずみ男が話しかけてきた。
「どうかした?」
「…ホントに、俺を許すってのか?」
「そのつもりだけど?」
「でもよ!危うく溶かされて500年も壺の中に入れられるとこだったんだぜ!わかってんのか!?」
「まぁ確かに危機一髪だったけど…でも君は思いとどまって百々爺のとこから離れたんでしょ?だから許す」
ねずみ男の裏切り行為は今に始まった事じゃないし、大変な目にも合ったりする…それでもねずみ男は大事な友達だ。友達の事は信じないとな。
「…そ、そろそろ子泣きが眠ってるとこに着くぞ!」
「そっか」
(…ありがとな、鬼太郎)
しばらく歩いていると眠らされている子泣き爺の姿が見えてきた。
「子泣き爺!しっかりして!」
俺が呼びかけると子泣き爺は目を覚ます。
「鬼太郎…?」
「大丈夫?」
「確かわし、ねずみ男から酒を渡されて…ねずみ男!さてはあの酒に眠り薬を入れおったな!」
「いや!これには深~い訳が…」
「今はそれどころじゃないんだって!子泣き爺。実は猫娘がポリス達に連れていかれたんだ!早く真犯人の百々爺を捕まえないと!」
「なんと!そういう事なら急がんとな!」
俺達はその場を離れようとする。
「こんなところにおったのか」
「ゲッ!?」
「あんたは!」
俺達の目の前に大勢の妖怪達を引き連れた百々爺が現れた。
「ちゃんちゃんこもリモコン下駄もない鬼太郎など敵ではない!者ども!思う存分恨みを晴らすのじゃ!」
妖怪達は一斉に襲い掛かって来た。
突然の事に俺達は妖怪達に滅多打ちにされていく。
『うわっ!?』
すると大勢のカラス達がやって来て妖怪達に大きめの石を落としていった。
「鬼太郎!」
そこに一反木綿に乗った父さんと砂かけ婆が駆け付けてきた。
「何をしておる!早くやってしまえ!」
妖怪達は俺達にまた襲い掛かろうとしたが目の前に大きな壁が立ち塞がった。
「ぬりかべ~!」
壁の正体はぬりかべだ。
「ありがとうみんな!」
俺は助けてくれたみんなに礼を言って百々爺の元に走っていった。
「それ!」
「髪の毛針!!」
百々爺は鼻から毛針を飛ばしてきた
俺はそれを髪の毛針で対抗して打ち消す。
「そらっ!」
「うおっ!?」
俺は百々爺を捕まえ、馬乗りになる。
「さぁ!大天狗様の所に行って罪を白状しな!」
「嫌じゃ!わしは溶かされたくないぞ!」
「私が大天狗様に罪を軽くするようにお願いしてみるよ。さぁどうする?」
「わ、わかった。降参だ…」
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「時間だ」
その頃裁判所では約束の時間になった為、猫娘が処刑されようとしていた。
「待ってください!」
そこに間一髪で百々爺を連れた鬼太郎達が戻って来た。
「鬼太郎!」
猫娘は嬉しそうに笑顔になる。
「大天狗様!テレビ事件の真犯人は百々爺です!」
「百々爺よ、それは本当か?」
「は、はい…すべてわしが仕組んだ事です」
「そうか。それ!百々爺を捕らえろ!」
百々爺はカラス天狗達に取り押さえられる。
「鬼太郎!」
解放された猫娘が鬼太郎に抱きついてきた。
「猫娘!なんでこんな無茶をしたのさ!」
「ごめんね…おやじさんが連れていかれそうになったから…でも私、信じてたから!絶対に真犯人を捕まえて戻って来るって!」
「猫娘…ありがとう」
鬼太郎は猫娘をぎゅっと抱きしめたのであった…
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『メリークリスマース!!』
12月24日のクリスマスイブに俺達は自宅でクリスマスパーティーをしていた。
あれから百々爺は3年間牢で過ごすことになった。
ねずみ男も偽証罪で2ヵ月牢で過ごすことになったが俺が大天狗様に頼んでイブの今日だけ自由にしてもらえる事になった。
「鬼太郎」
「猫娘?」
「…これからもよろしくね!」
猫娘は笑顔でそう言ってきた。
「…こっちこそ、これからもよろしく!」
俺も笑みを浮かべてそう返した。
今回で70年代編は終わります
次回から80年代編に入りますが60年代編、70年代編より少し長くやろうと思ってます。
そして猫娘に恋のライバル?
次回からの80年代編も楽しみに待っていてください!