夜になり、俺はどん平くんの家に忍び込んだ。
どん平くんはぐっすり眠っており、俺はささっとバットを手に取った。
これで終わればいいんだけど…
「う~ん…ん?バットがない!」
「あちゃ~…起きちゃったか…」
「あっ!君は昼間の!」
「ごめんね。これは私のバットなんだ。返してもらうよ」
「ダ、ダメだよ!」
そう言ってどん平くんにバットを取られてしまう。
「そうは言ってもさ、人の物を盗ったら泥棒だよ?」
「構うもんか!このバットには僕達の未来がかかってるんだ!絶対に返すもんか!」
強情だなぁ…よし!じゃあ父さんが提案したこの作戦で…
「じゃあこうしよ?私のチームと君のチームで試合をしない?もちろん野球のね」
「し、試合?」
「うん。君のチームが勝ったらそのバットは君の物だよ」
「ホ、ホント!?」
「その代わり!君たちが負けたら…バットと一緒に君達の命を貰うよ!」
「な、なんだって!?」
「どうする?」
「…わかった!日時は?」
「明日の深夜3時、場所は君がバットを拾ったあの墓場。いいね?」
「ああ!負けるもんか!」
「じゃあ、また明日。おやすみ、どん平くん」
俺はどん平くんの家から出て、ゲゲゲの森に帰った。
(な~に!このバットさえあれば勝てるさ!)
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そして次の日の深夜3時…墓場で待っているとどん平くんとその野球チームがやって来る。
「逃げずに来たみたいだね」
「当たり前だろ!」
「というか、君1人なの?他のメンバーは?」
「君達の後ろにいるよ?」
「えっ?」
どん平くん達がの後ろには俺のチームメイトの妖怪達がおり、その中には猫娘の姿もあった。
「よ、妖怪だ~!」
「ヒ、ヒィィィィ!!」
「も、もしかして、君も妖怪なのか?」
「そうだよ」
俺はどん平くんの質問に正直に答える。
案の定どん平くん達は驚いてしまっていた。
「ど、どうする?」
「バッカ野郎!今更逃げられるかよ!」
「そうだよ!それに大丈夫!僕達にはこのバットがある!」
「そ、そうだな!」
なにやら相談してたみたいだけど、腹を括ったみたいだな。
さて、俺達も作戦会議をするか!
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「鬼太郎!頑張ろうね!」
「うん。猫娘も怪我がないようにね」
「鬼太郎ってば!私の事心配してくれてるの?嬉しい~!///」
「うわっ!」
猫娘がいきなり抱きついてきた。
やけにスリスリしてくるけど…うん、可愛いな…
「お前らホント仲良いよな~。ヒューヒュー!」
「あんたはあっち行って!」
そう言って猫娘はねずみ男の顔をひっかいた。
ホントこの2人仲悪いよな…まぁ猫とねずみだしな…
「なにすんだ!俺は監督だぞ!」
「知るかそんな事!」
「ほら2人とも、会議の途中だよ」
俺は猫娘とねずみ男を宥め、作戦会議を再開した。
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「では先攻は人間チーム!妖怪チームは守備について!」
人間チームの先攻で俺達は守備につき、俺がピッチャーをすることになった
「プレイボール!」
審判の一言で試合が始まった。
俺はキャッチャーの妖怪にボールを投げる。
「ストライク1!」
ボールはキャッチャーの元に行き、ストライクになった。
それからバッターがアウトになり、次のバッターとしてどん平くんがやって来た。もちろんあのバットを持って…
「それ!」
「ハッ!」
「ストライク1!」
どん平くんは俺を投げてボールを打てず、ストライクになった。
「あれ?おかしいな…」
「どん平!頑張れ!」
「よ、よし!今度こそ!」
「それ!」
「ストライク2!」
またもどん平くんは打ち返せなかった。
「…なんか変だぞ」
どうやら人間チームが勘づいてきたっぽいな。
このボールが普通のボールじゃないことに…
「それ!」
「フン!…あれ!?」
ボールはどん平くんの目の前で止まる。
どん平くんはボールを打とうとするけどボールはバットに当たらず、そのままキャッチャーの元に飛んでいった。
「タイム!」
そこに人間チームがタイムを要求してきた。
「おい鬼太郎!あのボールは何だよ!?」
「妖怪ボール。絶対にバットで打てないようになってるボールだよ」
「そ、そんなのインチキじゃないか!」
「そうだそうだ!」
よく言うよ…そっちだってホームランを打てるバットを使ってるくせにさ…ってかあれ、元々俺のバットだし。
「わかった!じゃあこのボールは使わないよ」
「それでいいんだよ!」
「ただし、君達もそのバットを使っちゃダメだよ」
「な、なんだって!?」
「ど、どうするどん平?」
「どうするったって…このままやっても勝ち目がないし…わかった!このバットは使わないよ!」
「では両チーム、バットとボールを渡しなさい」
俺とどん平くんは審判にバットとボールを渡し、試合を再開した。
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あれから試合を続けていたけど、あっという間に7回表に入ろうとしており、得点は42対0で俺達妖怪チームがリードしていた。
「鬼太郎。このままじゃ人間チームに勝ち目はなさそうじゃな…」
「こんなに弱いだなんて思わなかったよ…」
父さんが元々考えていた作戦は、上手い具合に手加減し、人間チームと引き分けで試合を終わらせる事だった。そうすればあの子達の命を奪わずバットを取り返せるからな。
だけど思ったより人間チームが弱く、あっという間に妖怪チームの優勢になっていた。
このままじゃ確実に妖怪チームの勝ちになって、あの子たちは命を奪われる…どうしたら…そうだ!
「父さん!ちょっといい?」
「なんじゃ?」
俺は父さんにコッソリ頼みごとをする。
「どうかな?」
「うむ。可愛い娘の頼みじゃ。わしに任せておけ!」
そう言って父さんは走っていった。
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それから少し経ち、49対0で9回表に入ろうとしていた。
「あぁ~!もうだめだ~!」
「ごめんよみんな、僕のせいで…」
「良いって事よ…俺達が欲張りし過ぎたんだ…」
人間チームはすっかり諦めモードになってるな…
でもそろそろ父さんが…
「コッケコッコー!」
その場にニワトリの鳴き声が響き渡る。
「ヤバい!夜明けだ~!」
「みんな!帰るぞ~!」
妖怪チームのほとんどは朝が苦手な奴ばかりだからな。
俺と猫娘、ねずみ男以外は慌てながら帰っていった。
「もう朝?ちょっと早くない」
「確かにそうだな…」
「あれだよ」
疑問に感じている猫娘とねずみ男に真相を見せてあげる。
「鬼太郎~!」
そこにニワトリに乗った父さんがやって来る。
俺が思いついたのはニワトリの鳴き声でもう朝が来たと錯覚させるというものだ。
「なるほど、そういうことか~!」
「あのまま試合を続けてたらあの子たちは命まで失くしてたからね」
「鬼太郎ってば優しい~!そういうとこ大好きだよ!」
「ハハハ、ありがとう猫娘」
「たくよ、女同士でイチャつきやがって…」
「なんか言った?」
「いえ何も!」
猫娘の迫力にねずみ男は黙ってしまった。
「あの…」
するとどん平くんとそのチームメイトが話しかけてきた。
「おっとごめん。このままじゃもう試合はできないから…そうだ!バットは私達妖怪の物。命は君達人間の物。これで良い?」
「う、うん…」
「異議なし…」
「君達、このバットを使わなくてもいいように強いチームになりなよ。頑張ってね」
「う、うん!」
そう言ってどん平くん達は慌てて逃げていった。よっぽど怖かったんだ…
その後、どん平くんが所属するチームが本当に強くなり、全国大会で優勝する事になるのは、もう少し先の事だ…
ここでこの作品の鬼太郎達のイメージCVを公開します
鬼太郎(♀):戸松遥
目玉おやじ:野沢雅子
ねずみ男:松岡禎丞
猫娘:日高里菜
ではまた次回!