「う~ん!ラーメンなんて久しぶりだよ~!」
ある夜の事、ねずみ男と一緒に屋台のラーメンを食べに来ていた。
ちなみに父さんは妖怪の集会に参加しているのでここにはいない。
「それにしても珍しいね。君が奢ってくれるなんてさ」
「な~に!最近やってる商売で思いの外儲かったからさ!」
「どうせまたろくでもない商売してんじゃないの?」
「失敬だな!」
「ハハ、ごめんごめん」
俺達は駄弁りながらラーメンを食べる。
「チクショー!部長の奴、偉そうにしやがって~!」
「おっちゃん、酒とラーメン頼むよ!」
屋台の中に酔っ払いの男2人組が入ってきた。
ああいうのには関わらない方がいいよな…うん。
「そういや先輩!最近噂になってる心霊スポットに行ってみたんですよ~!」
「心霊スポットだぁ…?」
「そしたら…なんと…何もいませんでした~!」
「あったり前だろ~!この科学の時代にお化けや妖怪なんているわけないだろ~!」
「そうですよね~!」
「「ギャハハハハハ!!」」
「妖怪もお化けもいますよ?」
俺は酔っ払い2人に物申す。
「あん?何言ってんだこのガキ?」
「妖怪やお化けはホントにいるって言ったんですよ」
「はっ!バカバカしい!」
「鬼太郎ちゃん、こいつらに何言っても無駄だぜ。きっと妖怪やお化けを信じないくらいおつむが弱いんだよ」
「まぁ、そうかもね」
「おつむが弱いだと~!?」
「先輩!我々をもっとも軽蔑した言葉ですよ!」
「このガキ!」
「痛っ!」
このおっさん、おもいっきり俺の頭を殴りやがった!
中身は男だけど今は女の子だぞ!?女の子を殴るなんて最低だな!
「だ、大丈夫か鬼太郎!」
「な、なんとか…」
「あら~!鬼太郎ちゃん、デカいコブが出来てるわよ!」
「ホントだ…おじさん。同じ大きさのコブでお返しさせてもらうからね」
「やってみろ!俺は元ボクサーだぞ?まっ、いつでも相手になってやる。おい、帰ろうぜ」
「はい!」
そう言っておっさん達は帰っていた
待ってな。すぐに思い知らせてやるからな…
あれから酔っ払い2人組は駅にたどり着き、帰りの切符を買おうとしていたが…
「えっ?もう終電出ちゃったの?」
「はい…」
「そこをなんとか頼むよ~!」
「そう言われましても…」
「今夜は特別に奥多摩霊園行きの臨時電車が出ることになってますよ?」
窓口の奥に駅員らしき人物がおり、そう告げてきた。
「あ、駅長さん。まだ居られたんですね」
「ああ。その2人を臨時電車に乗せてあげたまえ」
「わかりました」
「さぁ、恐怖の時間の始まりだよ…」
駅長に変装していた鬼太郎が笑みを浮かべながら2人の男を見ていた。
それから2人はホームまで案内された。
ホームには2人の他に人が大勢いた。
「先輩。なんだか生あったかい風ですね」
「そうだな…」
しばらくすると電車やって来て扉が開く。
「なんか、火葬場の扉が開く音みたいだな…」
「はぁ?何言ってんだよ?」
「えっと、この前知人の葬式があってその時に…」
「ったく、気のせいだ気のせい!」
「で、ですよね…」
「ほら、行くぞ」
2人は電車に入っていき、席に座る。
他の人達もそれに続き、電車に入る。
「…先輩、なんか臭いません?」
「言われてみたら…それになんだ?この煙…」
2人の男は窓からホームを見る。
ホームには大勢の駅員がおり、線香を持っていた。
更に乗客達もお経のようなものを唱えだした。
「先輩…俺達、乗る電車間違えたんじゃ…?」
「な、なに言ってんだ…夜中にそう何本も臨時電車があるわけないだろうが…」
「そ、そうですよね…」
しばらくすると電車が動き出した。
『皆さん。毎度ご乗車ありがとうございます。次の停車駅は臨終、臨終』
アナウンスが聞こえてきた。
次の停車駅は臨終と言う駅らしい。
「なんか、変わった名前の駅名だな…」
「そうですね…」
電車は臨終駅にたどり着いた。
「誰も降りませんね…」
「ああ…それに誰もいねぇ…」
「ヒッ!」
「どうした?」
「こ、この人が、急にガクッてなって…」
「どうせ酔っぱらってんだろうよ…なっ!?」
2人の男は周りの異様な雰囲気に驚いてしまう。
なんと他の乗客もぐったりしていた。
「な、なんだよこれ…」
「せ、先輩。この電車、気味が悪いですよ!」
しばらくすると電車は動き出した
『次の停車駅は、火葬場、火葬場』
次に電車は火葬場と言うえきに停車する。
「ここでも誰も降りない…もうここで降りませんか?」
「降りるったって、こんな気味の悪いとこで降りられるかよ…」
そう、駅の周りには草むらしかなく、町らしきものは一切ない。
「なぁに!終点までの辛抱だよ!」
そうして再び電車が動き出した。
「次の停車駅は、骨壺、骨壺」
すると車掌がやって来た
「お客さん。切符を拝見させてください」
「あ、ああ…」
2人は切符を差し出す。
「ありがとうございます。切符をお返しします」
車掌は切符を返し、乗務員室に戻っていった。
「せ、先輩…」
「なんだよ?まだ不安なのか?」
「だってよく考えてみてくださいよ!最初に通過した駅名が臨終、次に火葬場と来て、骨壺ですよ?これ、葬式の順番じゃないですか?」
「な、なに言って…」
「もしかして俺達、あの世行きの電車に乗ったんじゃ…そうだとしたら、乗客達が変なのにも納得できます…」
「骨壺~!骨壺~」
すると骨壺駅に停車する。
外には不気味な女がおり、駅名を呟いていた。
「お、降りるぞ!」
「先輩!置いてかないで!」
「ここで降りるんか…?」
「ヒィッ!?」
2人の目の前にいつの間にか不気味な女がいた。
「無理じゃろうな…あんたらは終点までの切符を買いなさったんだから…」
2人は電車の中に戻る。
するとドアが閉まり、電車が動き出した。
「…先輩、俺達が買った切符の終点は霊園…つまり!」
「は…は…」
「墓場じゃねぇかーーーーーッ!!」
男の1人の叫び声が響き渡る。
「せ、先輩!乗客達が!」
「あ…あぁぁぁぁぁぁ!!」
乗客たちはいつの間にか骸骨になっていた。
「しゃ、車掌に言って電車を停めてもらおう!」
「こんなところに停めてどうするんですかっ!」
「うっせー!このままじゃ俺達あの世行きなんだぞ!?」
2人は乗務員室のドアを叩き、車掌を呼ぶ。
するとドアが開いた。
しかし、乗務員室にはたくさんの妖怪がいた
「なんですか?」
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」」
2人は大声を出し、逃げていった。
すると男の1人が窓を開ける。
「先輩!何してんですか!?」
「こっから飛び降りんだよ!」
「そんなことしたら危ないですよ!」
「このままじっとしてるよりマシだ!俺達は、幽霊電車に乗っちまったんだ!!」
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!!!」」
2人は電車から飛び降りていった…
「いてて…」
「俺達、助かったんですか…?」
2人は野原におり、大きなコブが頭に出来ていた。
「せ、先輩!あれ!」
「あ、あれ!?」
2人の後ろにはずいぶん昔に捨てられたであろうオンボロ電車があった。
「こりゃいったい…」
「フフフ…」
「だ、誰だ!」
電車のそばに鬼太郎とねずみ男の姿があった
「お、お前らさっきの!」
「見てみなよ。頭に私と同じ大きさのコブが出来てるよ?」
「え…?」
「ホ、ホントだ…」
「お前たちはこの鬼太郎先生の霊力でスリルを味わってったってわけだよ?」
「じゃ、じゃあ、お前はあのお化けの仲間…?」
「おじさん達。妖怪やお化けは本当にいるんだよ?よく覚えておいてね…」
「ヒ、ヒィィィィ~!!」
「お助けぇ~!!」
鬼太郎が微笑むと2人の男は悲鳴を上げて逃げていく。
「「ハハハハハハハ!!」」
2人が逃げていく様を鬼太郎とねずみ男が笑いながら見ていた。