エリートに捕らわれてしまった鬼太郎の運命や如何に!?
鬼太郎がエリートに捕らわれてからしばらく経ち、国防大臣がトイレに向かっていた。
すると大臣がある異変に気が付いた
「おや?鬼太郎くんが寝ている部屋のドアが開いている…」
気になった大臣は部屋を覗いてみる。
「なっ!?鬼太郎くんがいない!」
なんと部屋には鬼太郎の姿はなく、いたのは眠っている目玉おやじだけであった。
「目玉のおやじさん!起きてください!」
「ん…大臣殿?どうかしましたかな…?」
「鬼太郎くんがいないのです!」
「なんじゃと!?」
目玉おやじは鬼太郎が眠っていた布団を確認し、すぐに部屋を出ようとする。
「親父さん!?どこへ行かれるのです!」
「鬼太郎を探すに決まっておろう!大臣殿はくれぐれも吸血鬼に気を付けてくだされ!」
目玉おやじは屋敷を出て鬼太郎を探し回る。
「あっ!あれは!」
目玉おやじは道に停まっている一台の車を見つける。
車の中にはエリートとねずみ男、縛られている鬼太郎の姿があり、車はすぐに走り出した。
「きたろ~!」
目玉おやじはすぐに追いかけるが車は遠くまで走っていき、見えなくなった。
「くそ~!鬼太郎がさらわれてしまった!おそらく吸血鬼の仕業じゃ!」
目玉おやじは項垂れてしまう…
「お~い!おやじしゃ~ん!」
そこへ布の姿をした妖怪がやって来る。
この妖怪は一反木綿。鬼太郎の仲間だ。
「おぉ!一反木綿!良いところに来た!」
「あれ?鬼太郎ちゃんはどこばい?」
「吸血鬼にさらわれてしまったんじゃ…一反木綿!鬼太郎を助けるために協力してくれ!」
「任せときんしゃい!おやじしゃん!おいどんの背中に乗りんしゃい!」
目玉おやじは一反木綿に乗り、飛んで行った…
「…ろう…き…」
…なんだろう…誰かの呼ぶ声が聞こえてくる…
「鬼太郎!さっさと起きろ!」
「ねずみ男…えっ!?」
俺、何で縛られてんだ!?
ってかここどこ!?
「その感じじゃ覚えてなさそうだな…お前は吸血鬼エリート先生の音楽催眠でここまで連れてこられたんだよ。ちなみにここはエリート先生の別荘の屋根裏部屋だよ」
「吸血鬼エリートの!?」
最悪だ…まさかエリートに捕まっちまうなんて…
ってか、このままじゃ大臣さんが危ないぞ!
「鬼太郎!エリート先生はお前を仲間にしたいそうだ。先生の仲間になった方がお前の為なんだよ!」
「どういう事…?」
「先生は…仲間にならないならお前を溶かすつもりらしい!」
「と、溶かす!?」
おいおい!物騒な話になってきたぞ…
でも、答えはとっくに決まってる!
「…私はエリートの仲間にはならない。仲間になるんだったら死んだ方がマシだよ!」
「お、お前!俺の友情が理解できねぇのか!長い付き合いだろ!?」
「長い付き合いなら君は知ってるはずでしょ?どんな目に合っても、私は頷かないって!」
「うぅ…!」
「中々気丈じゃないか」
俺とねずみ男の目の前に男が1人現れる。
「エ、エリート先生!来ていたんですね!」
こいつが、吸血鬼エリート…!
「初めまして鬼太郎くん…私は吸血鬼エリート」
「ご丁寧にどうも…ゲゲゲの鬼太郎だよ」
エリートは不気味な笑みを浮かべて近づいてくる。
逃げようにも椅子に縛りつけられてるから逃げられない…!
「サラサラした髪…麗しい瞳…その中にある不屈の眼…実に良い!君みたいな美女に会いたかったのだよ!」
こいつ…やらしい目をしながら俺の髪を触ってきやがった!
気持ち悪っ!
「是非とも君を私のモノにしたいのだが…私の計画の邪魔をするのなら致し方ない」
エリートの手には液体が入った注射器が握られてる…あの液体で俺を溶かす気だな…!
エリートは注射器の針を俺に向けてきくる。
「最後にもう一度聞こう…私のモノになる気はないかね?」
「…ないよ!」
「そうか…」
ぐっ…!
「き、鬼太郎!」
「実に残念だよ…」
父さん…猫娘…ごめ…ん…
「一反木綿、ここじゃ!」
一方、目玉おやじと一反木綿はエリートの別荘にたどり着いていた。
「それにしても、よく鬼太郎ちゃんの居場所がわかったばいね」
「わしら親子はピンチになるとテレパシーで通じ合う事ができるんじゃ。一反木綿、あの窓の部屋じゃ!」
2人は窓の割れている部分から部屋に入る。
部屋ではねずみ男が泣き崩れていた。
「うぅ…うぅ!」
「あれ?ねずみ男ばい」
「ねずみ男!鬼太郎はどこじゃ!?」
「…あれだよ」
ねずみ男は鬼太郎がいた場所を指差す。
そこにあったのは水たまりとロープと椅子、鬼太郎の下駄だけだった。
「こ、これが鬼太郎か!?」
「俺は忠告したんだ!それなのにあいつ…エリートに歯向かったばかりに溶かされて…!」
「そ、そんな!鬼太郎ちゃん!」
「うむ…まだ生気が残っておるぞ!ねずみ男!この液体を一滴残さずそこの壺に入れるんじゃ!」
目玉おやじは棚に置いてある壺を指差す。
「液体なんか集めてどうすんだよ?」
「恐山の妖怪病院に連れていくんじゃ。そこならきっと鬼太郎を元に戻せるはずじゃ!」
「じゃ、じゃあ、鬼太郎は助かるのか!?」
「ああ!」
「…おう!そうとわかれば!」
「おいどんも手伝うばい!」
ねずみ男と一反木綿は鬼太郎の液体を一滴残らず壺に入れた。
「それじゃあ一反木綿!頼んだぞ!」
「任せんしゃい!」
一反木綿は壺を持って恐山目指して飛んで行った。
「そういえばねずみ男、鬼太郎の下駄が見当たらんが?」
「そういやそうだな…一反木綿が持ってったんじゃない?」
「渡した覚えはないんじゃが…」
「おーい!そろそろ会議の時間だよ~!」
するとエリートの呼び声が聞こえてきた。
「エリートだ!」
「ねずみ男!お前はこのまま奴の秘書のフリを続けるんじゃ」
「おやじさんはどうすんだ?」
「お前のフードの中に隠れる。正直臭いから入りたくないが仕方ない」
目玉おやじはねずみ男の布の中に隠れる
「ったく!失礼しちゃうぜ!」
ねずみ男は愚痴を吐露しながらエリートの元へ向かっていった。
少しの時が経ち、大臣宅では…
「大臣。モンガ国という国から国王がやってきましたが…」
「モンガ…そんな国あっただろうか…?」
「南方にある小さな島国らしいんですが…」
「なるほど…だが予定にはないことだからなぁ…」
「しかし国王は通訳の者を連れて、家に前で待っておられるのです…」
「…仕方ない。通してあげなさい」
しばらくすると部屋の中にモンガ国王と通訳の男が入ってきた。
もちろんエリートとねずみ男だ。
「~~~~~」
「『初めまして。偉大なる国防大臣殿!』と申しております」
「こ、これはこれは、光栄ですな!」
「~~~~~~」
「『お近づきの印にこのバラをどうぞ』と申しております」
「おぉ!綺麗なバラですな!」
エリートはバラを大臣に渡す。
「血を頂くぞ!」
「なっ!?」
次の瞬間、エリートは本性を現し、大臣の肩を掴んで血を吸おうとする。
「痛っ!」
しかしエリートの顔面に2つの下駄が直撃する。
大臣はエリートが怯んだ隙にドアを開けて逃げていった。
「だ、誰か来てくれ!吸血鬼だぁーーッ!!」
「ク、クソ!こいつ!」
エリートは下駄に翻弄されていた。
「あ、ありゃ鬼太郎の下駄だ!なんで!?」
「忘れたのか?あの下駄は鬼太郎の脳波で動かせるんじゃよ!」
「そういやそうだった…でもなんでここにあんだよ?」
「おそらくお前とエリートが乗ってきた車に忍び込んでおったんじゃよ」
ねずみ男の布に隠れている目玉おやじが説明する。
「いたぞ!吸血鬼だ!」
そうこうしている内に大臣のボディーガード達がやって来た。
「やむをえん!」
エリートはギターでコウモリ達を呼ぶ
「ちょ、ちょっと~!」
コウモリはエリートとねずみ男を掴んでこの場から飛んで行った…
一反木綿:関智一