泥田坊①
「たまには良いね。こうして旅をするのも」
「そうだね!」
時は1971年…
俺と猫娘はゲゲゲの森を離れ、あてのない旅をしていた
「それにしても、なんでおやじさんはついてこなかったのかな?」
「さぁ…」
そう、この旅には父さんも誘おうとしたけど『わしの事はいいから、お前達2人で旅を楽しむといい』と言ってついてこなかった
「父さん、元気にしてるかな…」
「そっか、もう半年経つんだよね…もう少ししたら帰ろっか、ゲゲゲの森に」
「それもそうだね」
「じゃあ鬼太郎!一緒に歩こ!」
「わっ!」
猫娘が俺の腕にしがみついてきた
「ちょ、ちょっと猫娘!」
「鬼太郎…嫌なの?」
猫娘が上目遣いしながら見てくる…
ぐっ!罪悪感が…
「あ、嫌ってわけじゃ…」
「やった!ありがと鬼太郎!」
そう言って猫娘はスリスリしてきた
ホントにスキンシップ激しいよな…まっ、嫌いじゃないけどね
「鬼太郎!あそこに港町があるよ!」
猫娘が指差したところに確かに港町があった
「ホントだ。あそこで何か食べてこっか」
「賛成!あたしお腹ペコペコ!」
かくして俺と猫娘は港町に立ち寄ることにした
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「いや~!おいしかった~!」
港町に立ち寄った俺達はお店で名物の漁師漬けを食べて店を出た
満腹感に浸っているとどこからかサイレンの音が聞こえてきた
「何かあったのかな?」
「…行ってみよう!」
「あっ、鬼太郎!」
俺はサイレンが聞こえてきた場所まで走っていった
「これは…!」
そこにあったのは泥だらけになって倒れている人間達の姿だった
「なにこれ…!?」
猫娘も驚いてるな…
すると俺の妖怪アンテナがピンと立つ
俺の髪は妖気を探知することができ、妖気を感じるとこんな感じに髪が立つ
この妖気…この泥から感じるぞ!
「あの、何があったんですか?」
「ああ…漁に出ていた漁師達がヘドロがある場所で事故にあったらしいんだよ」
「事故?」
「ああ。そういや、漁師の1人が気を失う前に、泥の姿をしたデカいバケモノに襲われたって言ってたっけ…まぁ、恐怖のあまり幻覚を見ただけだと思うけど」
俺達は現場を後にする
「猫娘、君はどう思う?」
「絶対妖怪の仕業だって!」
「そうだよね…もしかして…」
「鬼太郎。犯人に心当たりあるの?」
「うん。とにかく、事件があった周辺を調べてみよう」
俺は旅に出る前、父さんから貰った妖怪オカリナを取り出し、音を奏でる
「鬼太郎ちゃ~ん!」
オカリナの音色に導かれて一反木綿が来た
このオカリナは思い浮かべた妖怪に音色を届けて呼ぶことが出来るんだ
と言っても、俺も今日初めて使ったんだけどな…
「一反木綿!私をあの海まで連れてって!」
「わかったばい!」
俺は一反木綿に乗る
「猫娘はここで待ってて!」
「気を付けてね!」
「うん!」
俺は一反木綿に乗って現場まで急行した
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「この辺…ヘドロがたくさんあるな…」
俺と一反木綿は海まで飛んで行ってヘドロがたまってる場所を見つけた
このヘドロ…妖気が大きいぞ!
「田を返せー!」
ヘドロから巨大な泥の妖怪が現れた!
「あ、あいつは!」
「やっぱり泥田坊だったんだ!」
「でも泥田坊は確か、田んぼで大人しく暮らしている妖怪の筈ばい!」
「田を返せー!」
「…もしかして、君が暮らしてた田んぼが人間に壊されて、住む場所がなくなったの?」
「田を返せー!」
怒り狂っている様子の泥田坊は俺達に襲い掛かってきた!
戦うしかなさそうだ…!
「髪の毛針!!」
泥田坊に向かって髪の毛針を飛ばすが手で弾かれちまった
泥田坊は口から泥を吐き出して俺達に放ってきた
「一反木綿!避けて!」
「お任せばい!」
一反木綿は泥をかわしてくれてるけど、このままじゃ埒があかない…
だったらあの技だ!
「一反木綿!ここから離れてて!」
「鬼太郎ちゃん!?」
俺は一反木綿に離れるように言って海に飛び込む
喰らえ泥田坊!
「体内電気!!」
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
よし!思った通り体内電気が効いたぞ!
水は電気を通しやすくするからな!
「指鉄砲!!」
俺の指鉄砲は直撃し、泥田坊はバラバラになって海に飛び散った
「一反木綿!泥田坊の欠片を集めるの手伝ってくんない?」
「いいけど、どうしてばい?」
「泥田坊は雨とか水で復活しちゃうんだ。こうしてる間にも復活しちゃうから急いで!」
「わかったばい!」
俺達は泥田坊の欠片を集めてそれをビニール袋に入れた
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「じゃあ猫娘。留守番よろしく」
「うん!気を付けてね!」
「じゃあ行くばい!」
次の日、猫娘を宿に置いて一反木綿と一緒に近くに良い田んぼがないか探しに行った
う~ん…あれからしばらく探してみたけど田んぼが1つも見つからないな…
「田んぼ、中々見つからないね…」
「そうばいね…昔はたくさん田んぼがあったのに…」
「泥田坊…きっと仕方なく海で過ごすようになったんだね」
「鬼太郎ちゃんは優しいばいね~」
「だってさ、このままじゃ泥田坊が可哀そうじゃん。なんとかして見つけてあげないと!」
「それでこそ鬼太郎ちゃん!ゲゲゲの森一のお人好しばい!」
「それって誉めてる?まぁ事実だけど…」
そういや前世でもお人好しだって周りから言われてたっけ?
懐かしいなぁ…
「鬼太郎ちゃん?」
「あっ、なんでもないよ!」
俺と一反木綿は田んぼ探しを再開した
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「よーし!見つけたぞ!」
俺と一反木綿は小学校にある田んぼを見つけた
学校の先生の話じゃ農薬を使っていない綺麗な田んぼらしい
ちょっと狭そうだけど、もうこの辺りにある田んぼはあそこだけだからな…
雨も強くなってきたな…泥田坊の欠片は袋に入れて宿の中に置いてあるから大丈夫だろうけど…
「鬼太郎ちゃん!あれを見るばい!」
「えっ!?」
俺は港町の方を見て、思わず声を上げてしまった
なんと、泥田坊が復活して、町で暴れていたからだ…!