立花と雪音の2人が、その場を去ろうとした時、戦士は再び翼を広げて、真っ直ぐと2人の所へと向かおうとした。
「そうはさせるかよ!」
だが、それを邪魔するように、グドスもまた、背中にプロペラを展開させて空を飛びながら、その戦士に向かって、斧を投げる。
投げられた斧に対して、戦士はすぐにその場で避ける。
その避けた先に向かって、グドスもまた突っ込みながら、もう片手にある斧で攻撃を仕掛ける。
「さて、あの子達に良い所を見せないといけないんだからな、お前は大人しくしておけよな!!」
それと共にグドスは叫びながら、斧を薙ぎ払う。
戦士もまた、グドスを無視する事が出来ないと感じたのか、すぐに体制を整えながら、そのまま剣を手にグドスへと突っ込む。
「うおおぉ!」
互いに叫び声を上げながら、斧と剣がぶつかり合う。
その一撃によって、衝撃が走り、空中で振動波が広がっていく。
しかし、それでもなおも両者は一歩も引かずに戦い続ける。
グドスは、その力任せな攻撃を、ただひたすらに振り回していく。
それに対し、戦士は、その攻撃を見極めるように、ギリギリの距離を保ちながらも、確実に反撃を与えていく。
そして、その一撃を与えるたびに、また別の一撃を喰らわせられるように、グドスの攻撃を避けていき、時には受け流しながら、的確な攻撃を繰り返していった。
そんな戦いの中において、戦士の方が有利だと思われるかもしれない。
しかし、それは違う。
確かに戦士の方には余裕があるように見える。
「本当に、こいつは何者なんだ」
グドスはそう呟きながらも、斧を振り回し続けていた。
そして、グドスが戦っている空中から、地上でも、その戦いが行われていた。
ユウゴッドは、その両腕に装着されているマシンガンを、真っ直ぐと目の前にいる敵に向けて放つ。
マシンガンから放たれる銃弾の数は凄まじく、本来ならば敵はそれだけでも蜂の巣になっても可笑しくない程の威力だった。
だが。
「どうなっていやがるんだ」
その敵には、まるでダメージはなかった。
それは、その手にあるスーツケースを思わせる武器であり、それで決定的なダメージを与える部分の攻撃を避けていた。
それ以外の銃弾は、確かに装甲に当たっているが、多少火花が散る程度であり、傷一つ付いていない。
この敵の防御力が高いというわけではない。
ただ単純に、その鎧が硬いのだ。
例え、どんな攻撃を受けようとも、全くと言っていい程に無傷に近い状態となる。
そして、マシンガンの攻撃の一瞬の隙。
それを狙うようにスーツケースの形が変形し、まるでショットガンを思わせる形態へと変わる。
そのまま銃口をユウゴッドに向けて構えると、弾丸を放つ。
その弾速はとても早く、とてもではないが避ける事は不可能だろう。
だからこそ、その攻撃に対してユウゴッドは瞬時に両腕を交差させ、受け止める。
「ぐっ」
その衝撃によって、思わず苦悶の声を上げてしまう。
それほどまでに、その弾丸は重かった。
それでも、なんとか耐え切る事が出来たのは、ユウゴッド自身の実力のおかげだと言えるだろう。
だが。
『ベルデフルバースト!』
「っ」
鳴り響いた音声、それと共にユウゴッドの眼前には量の蟻を模した無数のエネルギー弾が迫る。
それに対してユウゴッドはすぐにその場から離れようとしたが、間に合わないと判断して防御態勢を取る。
それにより、全身を覆うアーマーの一部が破壊されてしまい、更に地面へと落下していく。
そこでようやく体勢を整え直し、地面に着地する。
「ぐっ、威力はとんでもないけどっ、がぁっ」
すぐにユウゴッドは立ち上がろうとした。
だけど、その最中、その腰にあるガッチャードライバーにあるケミー達の様子が可笑しい。
「これはっ、変身が保てないっ」
同時に、ユウゴッドの変身は解除されてしまう。
「なっ何が起きてっ」
『サファリブレイク!』
その様子を見ていたグドスが疑問に思っている間にも、戦士もまた蝙蝠の羽を広げながら、その手にある闇を纏った剣でグドスに向かって、一閃。
「ぐっ」
なんとか、両手の斧で防御する。
その防御のおかげで、ダメージを受けずに済み、そのまま地上へと落下した。
「まだまだっぐっ」
だが、次の瞬間、グドスの身にも、ユウゴッドと同じ現象が起きた。
変身を強制的に解除されていた。
「これは一体」「ケミー達が」
見れば、ケミー達が何か苦しんでいる様子であった。
そうしている間にも、2人の方へと目を向ける。
「「……」」
だが、2人の戦士は、その場を動かなかった。
やがて、空中から出てきた魔方陣によって、その場で姿を消した。
「一体っ何が起きているんだっ」