一ノ瀬がドレッドと戦っていた同時刻。
ロンドンでの翼とマリアのチャリティーライブが開催されていた。
米国政府の死刑求刑が日本政府の立ち回りによってF.I.S.及び「フィーネ」の存在はなかったことにされ、フロンティア事変及び「フィーネ」の罪状は消滅。
この際、国連との司法取引により「フィーネ」時代の彼女は「国連のエージェントとして潜入捜査を行っていた」という筋書きが加えられ、国連指導の特別保護観察の名目で監視下に置かれながらもアーティストとして再び返り咲いた。
そんなチャリティーライブ時に、その襲撃があった。
「翼、さっき、襲ってきたのは、一体」
「分からない、だけど、まさか」
そうしながらも、マリアは走って行く。
それと共に入り口へと向かうと共に。
「聞こえる?今すぐに入り口に回せる?」
『えっ、いきなり、どういう事?』
「とにかく、お願い!」
そうしながら、マリアは連絡を取りながら、入り口へと向かう。
「今のは」
「ある意味、頼れる伝手だけど」
そう言っていると共に入り口へと辿り着く。
すると、そこには一台の車があった。
「まさか、あれに?」
「とにかく、急ぐわよ」
そうしあんがら、マリア達は、その車に乗り込む。
「出して」
「人使いが荒いな、本当に」
その言葉と共に運転手は、すぐに車を走り出した。
「あなたは、確か」
「あははぁ、こんな時にすいません、翼さん。
それで、マリア、どういう状況なんだ」
「敵と言ったら良いかしら、とにかく、あそこにいたら巻き込まれる危険性があるわ。だからこそ、すぐにでも離れる必要があるわ、ファイク」
そう、車を運転しているファイクに向けて、マリアは言う。
「そうか、ならば、あいつも呼んでいて、ある意味正解だったかもな」
「あいつ?」
そうしていると、車が走る先で、何かが見えた。
それと共に、ファイクは、そのまま止める。
「あれは」
「私達を襲ってきた奴ね、けど、先程よりも数が、それにっ」
「ノイズっ」
そこにいたのは、二つの人影。
片方は着流しに長髪、眉間辺りに残っている斜め十字の傷跡が特徴的な青年。
その腰には刀があった。
その目は、明らかに正気ではなく、どこか虚ろな様子だった。
「翼、さっきの様子からして、彼は知り合いのようだけど」
そう言いながら、翼に確認するマリア。
「あの人は、お父様の護衛をしていた1人で、八俣剣司さんだ。少し前に行方不明になっていると聞いたが」
「そう、それを言うと、私もあっちの方には見覚えがあるわね」
そう言いながら、もう片方の男に目を向ける。
「久し振りだな、ゴールド」
そう、ファイクは、金髪の男へと睨み付ける。
「おいおい、同じレプターチルドレンだったのに、その態度は良くないだろ」
「・・・よく言う、あのネフィリムの事件の後、脱走したと思ったら、外であんな事件を起こしていて」
「くくっ、酷いじゃないか、でも、そのおかげで、こっちは面白い物を手に入れられたからな」
そう言って、ゴールドが手にしたのは斧だった。
「それは」
「お前達の言う所の仮面ライダーに多少似ている力だよ、まぁ最も、こっちの方が少し上だと思うけど」
「お前が上?笑わせるなよ」
そうしながらも、ゆっくりと構える。
「八俣さん、なぜっ」
「あらまぁ、そちらのお嬢さんは、この人形とお知り合いですか、それはなんともお涙頂戴だねぇ、けど残念。今では、俺達の立派な道具の一つですから」
「道具だとっ」
そのゴールドの一言に、翼は怒りに表情を歪ませる。
「おぉ、怖いなぁ、だ・け・ど」
そうしながらも、ゴールドは、その手にはケミーカードを持っていた。
「俺の方がもっと怖いけどなぁ」『パクラプター!』
そのまま、その斧にライドケミーカードを装填しながら、ゆっくりと構える。
「再誕···!」
そう言って斧のトリガーを引く。
『リ·ボーン!古今無双!パクラプター!』
そうして、現れたのは、下半身は赤色が所々に付着している緑色の迷彩のスーツ、上半身には濃い緑色の薄いアーマーが、両腕と胸の辺りに装着されている。顔の右側には赤い飛沫が付着している。
「あれは、ヴァルバラドと似ている」
「くくっ、まぁ、こっちはプロトタイプかもな、それじゃ、そちらさんも」
それと共に八俣もまた、腰にある刀に、手に持ったケミーカードを蛇を思わせるナックルガードに装填する。
『ジャマタノオロチ!』
「霊装」
そう、冷たい一言と共に、ゆっくりと蛇を思わせるナックルガードを再度閉める。
『顕現!護国心意!都牟刈!!』
そうしていると共に、その姿は変わる。
それは、まるで蛇。橙色で和風を思わせるその剣士は、ゆっくりと構える。
「俺はヴェライブ、こいつは都牟刈だ。さぁってと、蹂躙といきますか」
そう、ヴェライブは笑みを浮かべる。
その時だった。
「結構無茶な事を言うなっ本当にっ!!」
「むっ」
そうしていると、聞こえた声。
それと共に橋に降り立ったのは、犬。
それも機械の犬であり、そのまま人の形へと変わる。
「君は確か、ジャスティファイ?!」
「なんで、ここに?」
そう、疑問に思う翼とマリアを余所に、ファイクは。
「ライブにいた所を見つけて、呼んでおいた。
もしもとは思っていたけど」
「翼さんのファンとして、駆けつけましたが、これは」
「少しだけ、手伝ってくれ」
そうしながら、ファイクもまたガッチャードライバーを取り出す。
『ライデンチ!バクオンゼミ!』
「変身!」
『ガッチャーンコ!ライデンゼミ』
鳴り響く音声と共にファイクもまたケミカルへと変身する。