歌姫と錬金術とライダー   作:ボルメテウスさん

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敵を信用するには

敵の襲撃が終わった後、そのままエメラルダンことマーヤは、拘束されたまま、S.O.N.G.の本部へと入っていた。

 

「・・・それで、君が協力者という事で良いんだな」

「そうだよ、という事で、仲良くしようね」

「それを言って、納得出来ると思うか」

 

そう、一番に反対の意見を言ったのは、クリスだった。

 

「えぇ、良いじゃないの、元は敵同士だったけど、今は仲良くやっているんだから」

「そのお前の考えがどんだけ危険なのかは、この中ではあたしが一番、知っているんだよ!」

 

そう言いながら、クリスの言葉は確かに頷ける。

なぜならば、同じフィーネの下にいたクリスからの言葉だからだ。

 

「そうかな、だって、どんな考えを持とうと、ノイズで人々に向けたのは変わりないじゃないか。それが今では、私達は人類の脅威に立ち向かっている」

「それはっ」

「ほら、似た者同士なのに、私だけ差別するなんて、酷いじゃないかなぁ」

 

マーヤはそう呟きながらも、周囲を見ながら、最後には俺を見る。

 

「そういう意味では、君は、私の事を信じていた様子だよね、一ノ瀬君」

 

そう、俺に問いかけていた。

 

「んっ?何の事だ?」

「ふふっ、何って、あの時は一緒に共闘した。それは少なくとも、私の事を少しは信用しているという事よね」

「あぁ、その事か」

 

確かにあの場で共闘したのは事実だ。

だけど、少し勘違いしているようだ。

 

「俺、お前の事、これっぽっちも信用していないぞ」

「あら」「えっ?」

 

その答えを聞いて、その場にいた全員が今度は驚きを隠せない様子だった。

 

「そうなの?また、なんでかなぁ?」

「そもそも、お前がこれまで、どんな事をしていたのか知らないのに、いきなり現れて、私は味方ですと言われて、信じる奴はいないだろ」

「まっまぁ、それは確かにそうだけど」

「では、なんで、信じたんだ、一ノ瀬」

「決まっている」

 

俺はそのまま、マーヤの腰にあるガッチャードライバーに目を向ける。

 

「ケミーが少なくとも力を貸している。拒絶している感じはしていないから、少なくとも悪意はない」

「それって、もしかして」

「ケミーを信じたから、俺もそれに信じた。それだけだ」

「それは、それで、問題があると思うが」

 

そう、風鳴さんは言う。

だけど、俺の意見は変わらない。

 

「どちらにしても、何を基準に信用するのか、分からないんだったら、俺はそこから信じる事にする。

でなければ、ずっと疑い続けても、何も解決しないからな」

「・・・はぁ、お前がそう言うんだったら、別に良いけど」

 

その言葉に対して、多くのメンバーはため息を吐きながら、納得する。

 

「それじゃ、これからよろしくお願いします、マーヤさん!」

「・・・えぇ、よろしく」

 

それと共に、立花さんが握手をすると、マーヤは、どこかぎこちなかった。

未だに、これからの事は決まっていないが、とりあえずは味方が増えた事に喜びべきだろう。

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