「ここが、集合地点だけどっこれは」
その状況を見て、マリアは思わず顔を歪ませる。
それはまさしく地獄絵図というべき光景だった。
最上が造りだしたガーディアンによる軍勢が、その手に持った銃で周囲に人間に向かって放っていた。
その目的は未だに分からないが、それを無視する事が出来なかった。
「Seilien coffin airget-lamh tron」
マリアの口から唱えた歌。
それによって、彼女の身体は銀色のシンフォギアを身に纏う。
それこそが、彼女の新たなシンフォギア、アガートラーム。
同時に周囲にいるガーディアンに向けて、その短剣を放った。
次々と短剣を突き刺さり、爆散する。
「とにかく、避難を」
そう考えていると、ふと人影が見えた。
そこには、避難している群衆でおり、その中には、これから合流するはずだった万丈龍我がいた。
「なんでっ」「いや、あれは違う」
その万丈が茶髪ではなく黒髪。
それによって、彼が合流する万丈ではない事にすぐに分かる。
そして、そんな万丈は、彼の恋人である小倉香澄と一緒に逃げていた。
だが、そんな彼らに向けて、ガーディアンの銃口が向けられた。
「まずいっ」
そう、向かおうとした時だった。
「おらぁ!!」
ガーディアンに向かって、拳が飛ぶ。
その拳は、真っ直ぐとガーディアンを吹き飛ばし、二人から守った。
「あれは確か」
「あぁ、仮面ライダークローズ、万丈龍我が変身しているライダーだ」
まさしく、彼らが合流するはずだった人物だった。
「ここは危ないっ、さっさと逃げろ!」
「おっおぉ、ありがとうな」
それを聞いた万丈はすぐに立ち上がる。
そんな最中、香澄は、クローズへと目を向ける。
「あなた、もしかして」
「・・・良いから、さっさと逃げろ」
そう、疑問に思う彼女を急かすように言い、そのままクローズもまたガーディアンへと目を向ける。
その最中、他のガーディアンと比べても、異常な存在がそこにいた。
周囲に雷を放っており、周囲の建物に被害を出していた。
「あれは、確か」
「レベル10のリクシオンの能力を取り込んでいるのかっ」
その、ガーディアン、リクシオン・ガーディアンは周囲の人々に向かって放つ。
それに対して、クローズはすぐにその身を盾にする。
「ぐっ、逃げろ!!」
「っ」
それを聞いて、香澄はどこか悲しそうに、その場を去った。
「・・・確か、あの話の中で」
「人体実験を受けた人間だけが、記憶を取り戻したって言っていた、それはつまり」
旧世界において、人体実験を受け、スマッシュとなって死んでしまった彼女もまたその記憶を蘇っている。
「ライデンチ、頼むぞ!」
同時に、ファイクはライデンチの力で、クローズに襲い掛かる電撃を押さえ込み、そのまま合流する。
「無事かしら」
「お前らは、確か戦兎が言っていた他の世界の奴らか」
「あぁ、立てるか」
「おうよ」
そのまま、クローズは、龍我は立ち上がる。
「さっきの人、あなたの恋人だったの?」
「お前、なんで、それを」
「ここに来る前に、桐生さんがこれまでの出来事を交えた話を教えてくれたんだ」
「あの記録かよ、たくっ」
そう、龍我は頭を掻きむしる。
「そのつらくないのか?」
「つらいって、何がだよ」
「・・・恋人と再会出来たのに、一緒になれなくて」
それは、少なくともファイクにとっては重要な事であった。
マリアもまた、もしも、亡きセレナと再会したら、どのような答えが出るのか、分からなかった。
そして、龍我は。
「むちゃくちゃつれぇよ」
そう、嘘偽りなく、答える。
「だけど、今のあいつの幸せは、この世界の俺が創ったんだ。それを俺が勝手に割り込む事なんて出来ないよ」
「けど、それじゃ」
あまりにも報われない。
その言葉が、ファイクとマリアの脳裏にあった。
だけど、龍我は、変わらなかった。
「十分に俺は報われているよ。あの時、守れなかったあいつの幸せを守る事が出来る。
その為だったら、俺は戦える。何よりも、俺は仮面ライダーだからな」
その仮面の下に涙を流しているようにも見えた。
だが、その覚悟を、二人は確かに受け止めた。
「だったら、守ろう、この世界の平和を」
同時にマリアの手元にあるケミーカードがクローズから僅かに光を吸う。
「力を、貸してくれるか」
「あぁ、良いぜ」
それと共にクローズもまた、懐からナックル型の変身アイテムを取りだし、そのまま手慣れた動きで、フルボトルを装填し、ビルドドライバーのレバーを回す。
ファイクもまた、すぐにケミーカードを二枚、ガッチャードライバーに装填し、そのまま構える。
「「変身!」」『ライデンチ!クローズ!ガッチャーンコ!ライデンクローズ!』『激凍心火!クローズブリザード!ガキガキガキガキガッキーン!』
鳴り響く音声と共に、ケミカルの姿は、雷と龍。
二つが入り交じったような姿であった。
同時に、クローズの姿もまた大きく変わっていた。
全身から漂う冷気と共に、クローズは、そのままビルドドライバーに装填されていたアイテムを見た。
「・・・間違って、持って来ちまった!!」
「えぇ!!」
さっきまでの格好良い印象から一変。
思いがけない一言で、思わずケミカルは叫んでしまう。
「だっ大丈夫なのか、それは」
「こうなったら」
「「こうなったら?」」
そう、クローズは拳を握り締める。
「当たって砕けろだぁ!!」
勝手に出してしまったオリジナルフォームであるクローズブリザード。本編でも、変身を試みるも失敗していましたが、もしかしたら変身出来るのではないかと思い、書かせて貰いました。