ヘルカイザーと自称した最上。
その強さは、はっきりと言って、異常だった。
「ぐっ」
先程まで戦っていたヘルカイザーは、その両手に持っているネビュラスチームガンをこちらに向けて、引き金を引いて、エネルギー弾を放つ。その一撃に対して、俺はその攻撃を避ける為に空を跳ぶ。
だが、その軌道を読んでいたように、ヘルカイザーは、その身体から歯車のエネルギーを真っ直ぐと放った。
その先は、俺に向けた攻撃である。
歯車は、一目では、不規則に見える。
だが。
「がぁ!?」
背中に襲った痛み。
それが、ヘルカイザーが放った歯車による罠だとすぐに分かる。
「先程はあの攻撃に驚いたが、どうやら、不完全のようだったな」
「だから、さっきから、何を言っているんだ、お前は」
すぐに俺はガッチャージガンを取りだし、その銃口をヘルカイザーに放った。
だが、ヘルカイザーは、眼前に出した歯車の盾で、その攻撃を防ぎ、そのまま追撃する。
「例え、お前に記憶が無くても関係ない!かつての計画で、世界の融合は成功した!だがっ」
その一言に、俺は疑問と共に見開いてしまう。
「それをっ貴様がぁぁ!!!」
そのまま、俺は大きく吹き飛ばされてしまう。
「ぐっ」
「だが、どうやらまだ不完全のようだ、ならば、ここで消せば」
ヘルカイザーは、ゆっくりとこちらに近づく。
さすがにこのままでは危険だ。
そう考えていた時だった。
「そうはさせないよぉ!」
聞こえた声。
見上げれば、ヘルカイザーに向かって、何かが攻撃が降り注ぐ。
その方向を見ると、そこに居たのは、戦兎さんがいた。
「待たせたな、一ノ瀬」
「戦兎さん!遅いですよ!」
「よく言うだろ、ヒーローは遅れて来るもんだと、それに、こっちも終わったからな」
そうしながら、俺の方へと、ケミーカードを渡した。
ケミーカードには何も描かれていないが。
「これは」
「ケミーではなく、エクスガッチャリバーの力自体を十全に発動させる為に俺が創ったカードだ。最上は、既にデータのあるケミー達では対抗出来ないからな」
「ぐっ、葛城巧!」
「俺はもう、葛城巧じゃない、桐生戦兎だ、最上。そして」
そのまま、桐生さんが取り出したのは一つのアイテム。
「ここからは、お前が見た事のないビルドだ」『クローズビルド』
そのまま桐生さんもまた、そのアイテムをゆっくりと構える。
「俺も、負けていられないよな!」『クロスオン!X TOGETHER!CARROLL!!GARY!!MIKA!! LEIA!!FARRAH!!』
同時にエクスガッチャリバーを取りだし、そのままガッチャードライバーに装填する。
「はぁはぁ、やっと追いついた、ここか!」「ようやく座標を掴めたから」
それに合わせるように、万丈とキャロルが辿り着いたようだった。
だが、そんな事を気にせず、俺達はそのまま構える。
「・・・おい、なんだこいつ!なんで私の方に手を伸ばしている!!」「んっ、おい、これって、まさかあのパターンかよ!!」
そのまま、俺達は構える。
「「変身!!」」「「駄目です!!」」
その叫びと同時だった。
『ラビット! ドラゴン! Be The One! クローズビルド!イェイ! イェェーイ!』
『ガッチャーンコ!X!レインボーガッチャード!スーパー!』
鳴り響く音声。
それと共に、戦兎さんの姿が変わる。
それは、戦兎さんのビルドと相棒である万丈さんのクローズが合わさった姿。
その名の通り、まさしくクローズビルドだ。
俺もまた、その姿は変わっていた。
これまでのスーパーガッチャードとは違い、身体を覆うアーマーの大半は紫色の魔法使いを思わせる。
それに合わせて、青い水の結晶を思わせる籠手が右腕、黄色いトンファーが一体化している左腕、ギーツさんのブーストを思わせるマフラーがある赤い右脚に鋭い刃が備わった左足。
どうやら、レインボーという名の通り、身体が虹色のような身体だ。
「おぉ!すげぇ!!これがエクスガッチャリバーの力かぁ!!!」『おいっこれは一体どういう事だ!』
「おぉ、まさかとは思ったけど、空になったジーニアスボトルにラビットボトルを入れてみたけど、まさか成功するとはな」『おい、戦兎!お前、またやりやがったな!!』
「んっ?」
何やら、俺の身体だけど、それ以外が入っているような。
ケミーではないようだけど。
「あれ、そう言えば、キャロルはどこに行ったんだ?」『お前の変身に巻き込まれたんだよ!!』
「えぇ、キャロルが俺の身体に!!」
まさかの事で、さすがに俺は驚きを隠せなかった。
『どうするんだ!このまま戻らなかったら!』
「あぁ、大丈夫、俺達の時も、なんとか戻ったから。まぁ、もしもの時は」
『おい、なぜ、そこで黙る!おい、ビルド!!』
「とにかく、今はヘルカイザーが先だ!」
『ビルドォォ!!!』
俺の身体の中から、キャロルの叫びを聞きながら、俺は真っ直ぐと走る。