歌姫と錬金術とライダー   作:ボルメテウスさん

141 / 370
再会

ケミカルが無事に力を使いこなす事が出来た。

それもあってか、第一歩を踏み込む事が出来た。

そして、俺達は夜に行った花火大会の後、コンビニへと向かっていった。

 

「いやぁ、ケミー達も大騒ぎしていたねぇ」

「うん、私も普段はケミーって、どういうのか知らなかったから、あんなに騒いでいたのはびっくりしたね」

「そうだよね、そうだよね!!そう言えば一ノ瀬さんはなんで、コンビニに?」

「いやぁ、今週号のジャンプ、買い忘れていたから、ついでに」

「ジャンプ目的でか」

 

現在、コンビニに向かっているのは、俺、泉、立花さんに小日向さんの4人だ。

 

「ジャンプかぁ、私、読んだ事、ほとんどなかったからな」

「だったら、一緒に読んでみるか?結構面白いぞ!」

「良いんですか!!」

 

そう、俺達が雑談していると、コンビニに辿り着く。

すぐにコンビニに入ろうとしたが、それよりも前に自動販売機へと目に向ける。

 

「えっ、嘘!なにこれ!?」

「えっ、しょうゆサイダー!?きのこジュース!?不味そう!!」

 

それらを見て、俺達が騒いでいると、何やらコンビニの入り口で何か騒いでいる様子が見られた。

 

「どうしたの、未来?」

 

すると、そこにいた男性を見て、立花さんは驚いたように目を見開く。

 

「お父さん」

「えっ?」

 

その言葉に対して、疑問に思うよりも先に、立花さんが走り出した。

何が起きているのか分からなかった。

だけど、それよりも早く、俺は立花さんを追いかけた。

 

「立花さんっ」「っ」

 

まるで、何かから逃げるように走る彼女を追いかける。

やがて、どこかの公園へと辿り着いた。

疲れたのか、荒い息を吐いている。

 

「はぁはぁはぁ」

「・・・大丈夫?」

「ごめん、いきなり走っちゃって」

「別に良いよ、とりあえず、座る?」

「うん」

 

そのまま、俺は彼女を促すようにベンチに座らせる。

それと共に、隣に俺もまた座る。

 

「「・・・」」

 

そのまま無言であった。

俺は、空を見ながら、立花さんは地面を見つめていた。

 

「・・・何も、聞かないんですか?」

「・・・聞いて欲しい?」

 

そう言うと、立花さんは、無言で首を横に振る。

 

「思い出したくなかった。忘れたかった事だったから」

「・・・そっか」

 

俺もまた、空を見る。

 

「・・・俺の両親さ、海外で働いているんだ」

「えっ」

「あぁ、たんなる俺の話だから。海外で働いていて、ほとんど家にいない。だから、最近まではずっと一人暮らしだったんだ」

「そうだったんだ」

「あぁ、正直に言って、寂しいとは思わなかった」

 

俺はそう言った。

 

「・・・だって、寂しいって、どういうのか、分からなかったから」

「分からなかった」

「あぁ、両親は海外でいるけど、ちゃんと見てくれるし、友達もいた。だから、寂しくないと思っていた。

けど、それは自覚がなかっただけなんだって、最近分かった」

 

俺はそう、懐にいるホッパー1とスチームライナーを見る。

 

「キャロルが家に来て、ホッパー1達が家にいて、家に誰かがいる当たり前を感じて、初めて、寂しいって、何か分かったんだ」

「・・・私はっ」

 

それに対して、立花さんの顔は歪んでいるように見える。

どう言えば分からない。

けど。

 

「・・・だからまぁ、今度、親父とお袋にあったら、ガツンと言わないとな」

「ガツンっと」

「あぁ、小さい頃はよくもやったなって、だから、その分、思いっきり話す。話さないと、何も出来ないからな、そうでしょ」

 

そう、俺は立花さんに手を差し伸べる。

 

「それが、立花さんの強さだから」

 

そう言った立花さんは少しだけ呆けた。

だけど。

 

「・・・うん、そうだね」

 

そのまま、立花さんもまた手を繋ぐ。

 

「・・・ねぇ、一ノ瀬君」

「なんだ?」

「何時までも、立花さんじゃなくて、その、響って呼んでくれないかな?」

「また、なんで?」

「なんとなく」

 

そう、立花さんが言う。

 

「じゃぁ、俺の事を悠仁って呼んでくれるんだったら、良いぜ」

「・・・うん、分かった」

 

そう、立花さんは俺の手を握る。

 

「・・・また、話をしても良いかな?」

「別に良いぞ、というよりも結構話しているよな」

「うん、だけどね、今度は二人っきりで話したい、駄目かな悠仁」

 

そう言った彼女の言葉に対して、俺もまた頷く。

 

「あぁ、良いよ、響」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。