ケミカルが無事に力を使いこなす事が出来た。
それもあってか、第一歩を踏み込む事が出来た。
そして、俺達は夜に行った花火大会の後、コンビニへと向かっていった。
「いやぁ、ケミー達も大騒ぎしていたねぇ」
「うん、私も普段はケミーって、どういうのか知らなかったから、あんなに騒いでいたのはびっくりしたね」
「そうだよね、そうだよね!!そう言えば一ノ瀬さんはなんで、コンビニに?」
「いやぁ、今週号のジャンプ、買い忘れていたから、ついでに」
「ジャンプ目的でか」
現在、コンビニに向かっているのは、俺、泉、立花さんに小日向さんの4人だ。
「ジャンプかぁ、私、読んだ事、ほとんどなかったからな」
「だったら、一緒に読んでみるか?結構面白いぞ!」
「良いんですか!!」
そう、俺達が雑談していると、コンビニに辿り着く。
すぐにコンビニに入ろうとしたが、それよりも前に自動販売機へと目に向ける。
「えっ、嘘!なにこれ!?」
「えっ、しょうゆサイダー!?きのこジュース!?不味そう!!」
それらを見て、俺達が騒いでいると、何やらコンビニの入り口で何か騒いでいる様子が見られた。
「どうしたの、未来?」
すると、そこにいた男性を見て、立花さんは驚いたように目を見開く。
「お父さん」
「えっ?」
その言葉に対して、疑問に思うよりも先に、立花さんが走り出した。
何が起きているのか分からなかった。
だけど、それよりも早く、俺は立花さんを追いかけた。
「立花さんっ」「っ」
まるで、何かから逃げるように走る彼女を追いかける。
やがて、どこかの公園へと辿り着いた。
疲れたのか、荒い息を吐いている。
「はぁはぁはぁ」
「・・・大丈夫?」
「ごめん、いきなり走っちゃって」
「別に良いよ、とりあえず、座る?」
「うん」
そのまま、俺は彼女を促すようにベンチに座らせる。
それと共に、隣に俺もまた座る。
「「・・・」」
そのまま無言であった。
俺は、空を見ながら、立花さんは地面を見つめていた。
「・・・何も、聞かないんですか?」
「・・・聞いて欲しい?」
そう言うと、立花さんは、無言で首を横に振る。
「思い出したくなかった。忘れたかった事だったから」
「・・・そっか」
俺もまた、空を見る。
「・・・俺の両親さ、海外で働いているんだ」
「えっ」
「あぁ、たんなる俺の話だから。海外で働いていて、ほとんど家にいない。だから、最近まではずっと一人暮らしだったんだ」
「そうだったんだ」
「あぁ、正直に言って、寂しいとは思わなかった」
俺はそう言った。
「・・・だって、寂しいって、どういうのか、分からなかったから」
「分からなかった」
「あぁ、両親は海外でいるけど、ちゃんと見てくれるし、友達もいた。だから、寂しくないと思っていた。
けど、それは自覚がなかっただけなんだって、最近分かった」
俺はそう、懐にいるホッパー1とスチームライナーを見る。
「キャロルが家に来て、ホッパー1達が家にいて、家に誰かがいる当たり前を感じて、初めて、寂しいって、何か分かったんだ」
「・・・私はっ」
それに対して、立花さんの顔は歪んでいるように見える。
どう言えば分からない。
けど。
「・・・だからまぁ、今度、親父とお袋にあったら、ガツンと言わないとな」
「ガツンっと」
「あぁ、小さい頃はよくもやったなって、だから、その分、思いっきり話す。話さないと、何も出来ないからな、そうでしょ」
そう、俺は立花さんに手を差し伸べる。
「それが、立花さんの強さだから」
そう言った立花さんは少しだけ呆けた。
だけど。
「・・・うん、そうだね」
そのまま、立花さんもまた手を繋ぐ。
「・・・ねぇ、一ノ瀬君」
「なんだ?」
「何時までも、立花さんじゃなくて、その、響って呼んでくれないかな?」
「また、なんで?」
「なんとなく」
そう、立花さんが言う。
「じゃぁ、俺の事を悠仁って呼んでくれるんだったら、良いぜ」
「・・・うん、分かった」
そう、立花さんは俺の手を握る。
「・・・また、話をしても良いかな?」
「別に良いぞ、というよりも結構話しているよな」
「うん、だけどね、今度は二人っきりで話したい、駄目かな悠仁」
そう言った彼女の言葉に対して、俺もまた頷く。
「あぁ、良いよ、響」