ノエルが、未だにどのような行動をするのか分からない。
「にしても、まさかまたガッチャードライバーを取られるとは」
それは先日の事だった。
俺の家にいた時にキャロルがエルフナインを呼んでいた。
その理由は。
「記憶を取り戻す?」
「あぁ、これまではガッチャードライバー単体だけだったら不可能だったが、桐生戦兎の設計図のおかげでようやく行えるようになった」
「そうだったのか、でもどうやって」
「僕達が一つになる事で、記憶の復元を行います」
「復元?」
それに対して、俺は思わず首を傾げる。
「キャロルの錬金術は確かに記憶を使っています。ですが、残されていた記憶の断片を模倣して、貼り付けて、つなぎ合わせる。
だが、俺だけの記憶では不足だったが、エルフナインとそしてエクスガッチャリバーの中にあるオートスコアラーの記憶も合わせる」
「それじゃ、キャロルの記憶は取り戻せるのか、良かったぁ」
これで一つの悩みが解決する。
そう思っていたが、キャロルもエルフナインもどこか浮かない顔をしていた。
「どうしたんだ?」
「本音を言えば、この方法は今ではあまり取りたくなかったがな」
「どうして?」
まさか、行おうとしたキャロル本人がそれを否定した。
それに対して、俺は思わず寄り添う。
「元々、ノエルが今行っている計画は記憶を無くす前のキャロルが実行した計画だったんです。
ですが、ガッチャードライバーの争奪戦において、キャロルはその記憶を無くしました。
だからこそ、今はこうして協力関係を行えていますが」
「記憶を取り戻した後、俺はそのままお前達の敵になる可能性がある」
「それは」
とても考えたくない可能性だ。
キャロルは、これまでの戦いで一緒に戦ってきた大切な仲間だ。
そんな彼女と戦う事なんて、考えたくない。
「それは、どうしてもやらないといけない事なのか」
「ノエルの計画がどのようなのか、知らなければ犠牲はさらに増える。これは賭けだ」
「でも」
それと共にキャロルは、俺を見つめる。
「だから、もしもの時は、お前が俺を殺せ」
それは衝撃だった。
「なんで」
「どうせ、この身体もホムンクルスであり、本来の俺はとっくの昔に死んでいる。
ならば、死んだって、問題ない」
「問題は大ありだよ、そんな事は」
「だが、どちらにしても、奴らは俺を狙う。もう、避けられないんだ」
それは悲痛な思いを告げた。
「もう、逃げるつもりはない。だからこそ、俺を信じて、待ってくれ」
「僕達は、絶対に世界を守る為に、帰ってきますから」
そう言い、覚悟を決めた2人の言葉。
それを、俺は止める事は出来ない。
「分かった、だから、絶対に」
「保証はしない」
それだけ告げると共に、キャロルは俺のガッチャードライバーを。
そして、もう一つは。
「それは」
「キャロルと連動する為に造り出したガッチャードライバーです。実験品なので、あまり期待できませんが」
「良いから、さっさとやるぞ」
それと共に、キャロルはケミーカードを一枚取り出す。
「行くぞ、エルフナイン」ユニコン
「分かりました、キャロル」ザ・サン
それと共に、2人はそのまま構える。
「「はぁ」」ガガガガチャーンコ!サンユニコーン!
鳴り響く音声と共に、2人はそのまま光の繭に包まれる。
「・・・」
それに対して、今の俺は何も出来ない。
「無事に戻ってきてくれよ」
そう祈るしか、なかった。