歌姫と錬金術とライダー   作:ボルメテウスさん

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一番の恐怖は

「お父さん」

「・・・」

 

俺は、その光景をただ見守るしかなかった。

この問題を、俺が勝手に出て行って、解決するとは思えない。

だからこそ、俺は見る。

 

「・・・俺は」

 

そう、彼は悩んでいる最中だった。

聞こえた連絡に、俺は視線を向ける。

その先には、ノエルの計画が本格的に動いた事。

まさしく、それに合わせるように、俺達は思わず振り返る。

 

「っ」

 

空を見上げれば、そこには巨大な城があった。

それと共に異常事態だとすぐに分かった。

 

「これってっ」「響っ!」

 

それと共に直感だったのか、俺はすぐに響を抱えて、横に飛ぶ。

同時に襲い掛かってきたのは巨大な斬撃。

見れば、そこに立っていたのはヴェライブの奴が、そこにいた。

 

「お前っ」

「まさか、こんな所でお前達がいたとはなぁ」

「お前、なんでここに」

 

俺はなんとか立ち上がりながらも、その腰にあるケミーライザーをゆっくりと構える。

 

「あれぇ、どうしたんだ仮面ライダー、お前、ドライバーはどうしたんだ?」

「さぁな、どこだろうなぁ」

 

俺はゆっくりと構えていた。

この場で、俺はどうにも出来ない。

戦えるのは、響だけ。

だけど、今のままじゃ、彼女の精神では。

そう、構えていた時、ヴェライブに何かが投げられた。

それは石。

 

「その子から、離れろっ」

「お父さんっ」

 

それに対して、俺も響も驚きを隠せなかった。

先程までの彼からは考えられない行動に、俺も響も驚きを隠せなかった。

 

「なんだ、おっさん、邪魔だ」

 

そう、ヴェライブは彼を睨む。

 

「っ」

 

その睨みは一般人である彼からしたら、耐えられるかどうか分からない程の威圧のはずだ。

だけど。

 

「こんなの、あの時に比べたら、怖くないっ」

 

しかし、彼は怯まなかった。

 

「あの時、周囲からの重圧よりも、響達から逃げた時よりも、ずっと怖くないっ」

「っ」

 

それは、先程の俺が出した彼への二択。

その選択肢の恐怖を、彼は耐えていた。

 

「響と逃げてもまたやり直せるかもしれないし、立ち向かったら取り戻せるかもしれないっ。だけど、ここで響を置いて逃げたらっもぅ、家族の絆を取り戻せないっ!

そっちの恐怖の方がっ俺は怖いっだからっ!」

「だから、こっちに石を投げるか、愚かだな」

 

そう、奴は彼に攻撃を仕掛けようとした。

だけど、俺はケミーライザーを、すぐに構える。

 

「頼むっエクシードファイター!」

 

それと共にエクシードファイターのエネルギー弾が真っ直ぐと放った。

その反動はかなり高く、俺は吹き飛ばされる。

しかし、それでヴェライブもかなりダメージを受けている様子だった。

 

「やっぱり、変身しなくても厄介だな、ガッチャード!」

 

その言葉と共に、吹き飛ばされた俺の元にすぐに近づく。

 

「悠仁!」

 

響の声が聞こえる。

俺はすぐにケミーライザーを構えようとするが、間に合わない。

周囲がゆっくりとスローモーションに見える。

斧は、俺のすぐ傍まで近づく。

死。

そう感じるよりも前だった。

 

「なっ、一体」

 

俺の前には光が舞い降りた。

何が起きたのか分からないが、そこには一つの人影が。

背中には白いマントが伸びている人が1人。

 

「なっ、一体」

「えっ」

 

その姿に、俺は驚きを隠せなかった。

それが、誰なのか始めは疑問に思った。

だけど、その正体はすぐに気づいた。

 

「待たせたな、一ノ瀬」

 

その声だけで、それが誰なのか、すぐに分かった。

 

「・・・遅かったな、キャロル」

 

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