「・・・」「これは」
その光景を、キャロルとエルフナインは見つめていた。
エルフナインにとっては幾度もなく見ていた光景であったが、今のキャロルにとっては初めての光景。
それは、まだキャロルが錬金術師になる前の、その父であるイザークの記憶。
「これが、俺の父親か」「はい、僕達のパパです」
その父は、錬金術師としての誇りを持ち、世界のすべてを知り、人々が分かり合える世界を目標としていた。
自身の錬金術を人々の為に使ってきたが、その力を恐れた人々に異端者としてキャロルの目の前で火刑に処されるが、死の間際にキャロルに生きて世界を知るように進言した。
そこからの彼女の目的は、万象黙示録を作ろうと目論む様になった
「その目的の一つとして、ガッチャードライバーを狙った訳か」
見ると、そこには9つのガッチャードライバーがあった。
そのガッチャードライバーに手を伸ばすキャロル。
同時に警報が鳴り響く。
それに合わせるように、キャロル以外にも錬金術師が現れる。
同時にキャロルは、すぐにガッチャードライバーを腰に巻き、変身しようとした。
だが。
「失敗したか」
「はい」
それに対して、舌打ちをしながらも、応戦していた。
今のキャロルにはない紫色の鎧、四体の人形。
その人形が、オートスコアラーである事は理解出来た。
その戦いは、かなり凄まじかった。
だが、その乱戦の中で1人の人物によって、終わる。
「・・・あれは」「分かりません、ですが」
それは、まるで太陽を思わせる一撃。
その輝きの最中、キャロルは自分の持てる力とオートスコアラー達の奮闘によって、致命傷を避けた。
だが、なんとかその隙で、テレポートジェムを使った。
その結果が。
「記憶を失くした訳か」
そこからの先の光景は、キャロル自身も知っていた。
座標がランダムであった為、そこは日本の海岸だった。
それからの日常を、見つめていた。
「・・・キャロルは、どうするつもりなんですか、その」
それと共に、キャロルの中では記憶は既に完全に取り戻していた。
彼女がこの計画を立てた理由も。
全ての出来事を。
「俺自身、目的なんて、分からなかったさ。
自分が何者かなんて分からなかったし、ただあるのは、何かやらなければならない使命感だけだった」
その声は、どこか皮肉を言うように。
「だが、1人だけで考えて、1人で世界を分かるつもりだったかもしれないな」
同時に見つめた。
それは記憶の中の一ノ瀬。
彼と共に過ごした記憶だった。
戦いの最中で、彼が見せてきた出来事。
奇跡という一言で片付けられそうな事。
だが、それらは全て、誰かと繋がり続けたからこそ得られた。
「世界を分解しなくても、世界を知る事が出来る。
何よりも、全てをすぐに知らなくても良いからな」
そして、そんなキャロルの記憶の一部とも言えるイザークは笑みを浮かべながら、手を翳す。
それは幻影だったかもしれない。
だが、それは同期する為に造られたガッチャードライバーを新たな形で再構成させた。
「これは」
「行くぞ、エルフナイン」アルケミスドライバー!
「キャロル」
「奴が、待っている」アルケミスリンク
「はいっ!」
キャロルは、その手にある指輪を翳すと同時に、2人はまるで共有するようにアルケミスドライバーが現れる。
それと同時に正面に手を突き出して三角を作り、構えた。
「「変身」」ガガガガッチャーンコ!プロミネンスホーン!サンユニコーン!
鳴り響く音声と共に、2人の身体は一つとなると同時に、その姿は変わる。
先程までは子供程度の身長だった2人が一つになる事で成人女性程度の身長に伸びる。
そして、その容姿は一言で言えば、白いユニコーン。
頭部には特徴的な角があり、肩からはマント。
その姿はまさしく白い錬金術師を思わせる姿であり、新たなライダーであった。
「ほぅ、これは」
「キャロル、どうかしましたか?」
「なに、これがガッチャードライバーの力かと思ってな」
同時に、そのまま構えると共に、地面からテレポートジェムの陣が現れる。
「これって、錬金術!?けど、想い出は」
「ザ・サンは無尽蔵のエネルギーを生み出す。ならば、想い出の消費なく錬金術を使える訳だ」
同時に、そのまま転移する。
それと同時に、一ノ瀬に向かって、振り下ろされそうになっていた斧を弾き返す。
「なっ、一体」
「えっ」
そのキャロルの姿を見て、一ノ瀬は驚きの声を出す。
「待たせたな、一ノ瀬」
「・・・遅かったな、キャロル」