解放された市街地にて、国連軍が市街地に暮らしていた民間人に食料提供や治療などで対応していた。
「良かった。国連軍の対応が早くて」
金網越しで、その様子を見て、安堵する響き。
その言葉通り、怪我人の数は少なく、安心した。
それでも、全員が無事という訳ではなく、見れば怪我をしている人達もいる
「くっ…」
だがクリスはそれは見えていないのか金網を強く握っていた。
「クリスちゃん?」
その様子を心配した響は、すぐにクリスに話しかけるが。
「なんだよ」
「なにかあったの?」
「なんでもねーよ」
それだけ言い、クリスは話を終わらせた。
「・・・どちらにしても、まだ」
ここで、未だに戦いは終わっていない。
そう思いながら、ふと、何か視線を感じた。
俺は、その視線を感じ、ゆっくりと歩く。
「悠仁?」
「悪い、少し離れる」
「離れるって、どこにだよ」
「えっ、トイレ」
「お前なぁ、さっさと行ってこいよ」
「悪い悪い」
それだけ言うと、俺はすぐにその場から離れる。
同時に先程から俺の方へと向けている視線の元へと向かう。
その視線に対して、俺は嫌な予感をしながら向かうと、そこに立っていたのは1人の人物。
高級な白いスーツを身に纏い、腰まで届くだろう白い髪。
まるで貴族を思わせるその人物がおり、同時に俺は警戒を強くする。
「・・・さっきから、俺を見ていたのはあんたか」
「その通りだ。それにしても、君がガッチャードか」
「っ」
その言葉と同時に、目の前にいる奴に警戒し、俺は構える。
「そう警戒しなくても良い。ここを戦場にするつもりはない」
「・・・だったら、どういう目的でここに来た」
「君の力を見る為だ、ガッチャード」
「なに?」
それに対して、俺は首を傾げる。
「9つのガッチャードライバー。
その中でもスペックとしては最も低いとされているのが君の持つガッチャードのはずだった。
だが、実際には我々の想定を遙かに超える戦闘能力を持ち、レベルナンバー10の力を十全に使うスーパー、本来のケミーの力を倍増にさせるファイヤーなど、君には驚かされるばかりだ」
「それだけを言いに、ここに来たのか?」
「勧誘しに来たと言いたい所だけど、君にはその意思はないだろう」アルケミストリンク
それだけ言うと同時だった。
その腰には何時の間にかドライバーが巻かれていた。
「それはっ」
「錬金術師が最も力を発揮する為のドライバー。皮肉にも裏切り者のキャロルがそれを教えてくれたからな」ミテミラー!ハオーディン!ガガガガッチャーンコ!オーディンミラー!
鳴り響く音声と共に、その場に現れたのはプラチナカラーにマントを羽織った仮面ライダー。
すぐに俺は構えようとしたが、錬金術師は、近くにある水たまりの上に乗ると共に、そのまま水たまりの中へと入っていった。
「なっ!?」
俺はすぐにその中を見る。
人間が入れるサイズではない。
だが、その向こう側には、確かに奴はいた。
「また会いましょう」
その一言と共に、そのまま去って行った。
水たまりの向こう側にまるでもう一つの世界があるように。
「一体、どうなっているんだ」
そうしながら、俺はその光景をただ見て、呟くしか出来なかった。