「どうしたら良いのかなぁ」
これから激しさを増していくだろう錬金術師との戦い。
その戦いにおいて、俺は果たして勝てるのかどうか疑問であった。
そんなため息を吐いているのを聞いて、苛立ちを隠せない様子でキャロルがこちらを睨んでいた。
「おい、悠仁、さっきからため息が多いぞ」
「あっ悪い」
「キャロル、そんなに怒らなくても」
キャロルの言葉と共に、エルフナインはおろおろしながら、その言葉を止める。
しかし、俺自身もため息が吐くのが多いのは事実だ。
「なぁ、キャロル、俺ってやっぱり弱いのかなぁ」
「いきなり、何を言っているんだ」
「・・・今回の作戦で、俺はステファン君の足を斬ってしまった」
「それは、一ノ瀬さんのせいではないです。何よりもあの状況で斬らなければ」
「理屈では分かっている」
あの時、俺が行った行動に間違いはないかもしれない。
それでも、俺がもっと強ければ、もしかしたらそれもなかったかもしれない。
そして、今回の戦いにおいても、ベルデバスターとの戦いで勝てたかもしれない。
「はっきりと言えば、お前は他のメンバーと比べて弱いのは明らかだ。
それはシンフォギアも含めてだ」
「えっ、そうなのか!」
その一言に、俺は驚きを隠せなかった。
皆は確かに弱い訳ではないけど、まさか俺が一番弱いとは。
「やっぱり、俺は」
「より正確に言えば、お前が一つの姿に拘った場合だ」
「えっ?」
俺は思わず首を傾げる。
「一ノ瀬さんは、他の方と比べても多くのガッチャンコケミーを行っています。
それによって、他の人よりも多くの戦闘スタイルを持っており、多彩なフォームの組み合わせによる千差万別な行動を取れています」
「それは他の皆も同じなんじゃ」
「そうでもない。奴らは各々の戦闘スタイルと相性の良い組み合わせを無意識で選んでいる。
だからこそ、お前のように全然違う姿にはなれない」
「はい、でも、それが同時に一ノ瀬さんの弱点でもあります」
「俺の弱点」
それにはエルフナインも頷いた。
「奴らは、その得意なスタイルに特化しているからこそ、お前が同じ方法で戦えば、負けるだろう。
そういう意味では、お前は弱い」
「・・・そうか、そういう意味では」
あのとき、俺はアントレスラーだけで戦っていた。
本来だったら、あの場面で行うべきだったのは、別のフォームになれば良い。
だけど。
「それじゃ、これまでと変わらないか」
「・・・確かにな」
すると、キャロルは俺の方を見る。
「どうしたんだ?」
「少しな、データも揃ってきた所で、現状のままでは勝てる保証もない以上、次の手を考える必要がある」
「次の手?」
「あぁ、これまでのガッチャードがいたからこそ出来た新たなガッチャード、アイアンガッチャードだ」