「ぐっ」
ホッパー1の言葉と共に、俺が向かった先。
そこでは、未だの状況が理解出来ない最中で、目の前で立花さんが暴走をしていた。
それは、以前、俺が怒りに呑み込まれてしまった時と、どこか似ていた。
もしも、彼女をこのまま放っておけば、きっと彼女は後悔する。
だけど、どうすれば。
そんな考えを過った瞬間、俺がいつも持っていたギーツさんから貰っていたカードが光り始める。
なぜ、それが光り始めたのか、疑問に思うよりも先に、俺の目の前の光景は変わった。
「ここは」
一体、どういう空間なのか。
疑問に思いながら、周りを見る。
暗く、周りが見えない。
「全く、あの新人には困った者だ」
「えっ?」
後ろを振り返っても、そこには、誰もいない。
だが、確かに声は聞こえた。
「まぁ、せっかくの機会だ。
私も暇を持て余していた所だからね、少しだけだが、話しても良いだろう」
「あなたは一体」
「私かい?まぁ、私の事など気にする必要はない。
ただ、今、必要なのは、彼らの話だ」
「彼らの?」
それと共に、俺の目の前に映ったのは、2人の人影。
1人は、一言で言えば飛蝗。
そして、機械の鎧を身に纏っており、暗闇の中でも分かる程の黄色の戦士。
もう1人は、赤い。
だが、隣にいる黄色の戦士とは、どこか特徴は違っていた。
「あの人達は」
「君の先輩達だ」
「先輩、まさか、仮面ライダー!」
それと同時に、2人の背後に幾つもの光景が広がっていた。
「仮面ライダーゼロワン。人工知能を持つAIと悪意と戦い続けた戦士。だが、その戦いの最中で悪意に溺れた事もあった」
その光景は、俺には見覚えがあった。
いや、むしろ、俺も実際になった事がある姿。
「だが、悪意は誰の心にもある。重要なのは、それを乗り越える事。心があれば、それも出来る」
それには、俺は驚きを隠せなかった。
悪意は誰の心にでもある。
それは、当たり前の事かもしれない。
「電王、彼は自分の身体に本来ならば敵であるイマジンを宿し、共に戦った。戦いを乗り越える度に、彼らの絆は強くなっていった」
それと共に電王の戦いは、どこか楽しそうだった。
そして、その光景と共に、俺が目指すべき道だと思えた。
「分かった気がする。
俺が目指すべき道は」
それと共に、見つめた先で、問いかけるように2人のライダーが見つめる。
「俺は悪意を乗り越える。ケミーと仲間達と一緒に」
それに対して頷くように、ゼロワンの力が、ホッパー1に。
電王の力が、スチームライナーに。
各々が渡された事によって、変化していく。
「ふむ、ならば、見せて貰うよ、君の道を」
同時に俺の意識は再び現実に戻る。
「・・・分かった、今こそ、手を伸ばそう」
その言葉と共に走り出す。
それと同時だった。
俺は二人のライダーの力を受け止めた姿へと変わる。
こちらへと向かって、振り下ろされそうになる一撃。
それらの攻撃よりも早く、真っ直ぐと。
空中で現れたレールを足場に、飛蝗のような素早く飛躍する。
そして、掴んだのは、立花さんの手。
「立花さん!!」
「っ!」
聞こえた声。
それと共に、俺の手を通じて、ライダー達の力が、彼女の暴走を止める。
「これは一体、何が起きているのっ」
驚きを隠せない最中でも、デュランダルは徐々に輝くが収まっていく。
同時に立花さんは、そのまま気絶した。
「・・・ふぅ、良かった」
俺はそのまま落ち着くように息を吐く。
「さて、これ以上続けるか?
悪いが、今の俺は、負ける気はしないぞ」
そのまま、二人を見つめる。
それに対して、エメラルダンは。
「・・・まぁ良いわ、今回はここまでにしておくわ」
それと共にエメラルダンはそのまま、去って行った。
それを見届けながら、俺はすぐにネフシュタンの鎧の少女の方に目を向ける。
「ちっ」
それと共にネフシュタンの鎧の少女もまたすぐに立ち去ろうとした。
だが、その時、バイザーから見えた瞳。
やはり、どこかで見た事がある。
「・・・」
「あっ、えっと、それじゃ、俺はこれで、立花さんをよろしく」
それと共にヴァルバラドからの視線に耐えかねて、俺はそのまま転移をする。
「ただいまぁ、いやぁ、大変な事に「おい、見せろ」うわっと」
俺が、そのまま戻ってくると、キャロルは、そのままガッチャードライバーからホッパー1とスチームライナーを見る。
「どうなっているんだ、明らかに別のケミーになっている。ケミーを再構築するなど、あの一瞬で行う事なんてっ、なんだと、元に戻っているだとっ」
「えっと、キャロルさん?」
「どうなっているんだ、これは!こんなの、神の所業だぞ」
「これは、終わるのに、かなり時間がかかりそうだなぁ」
そうしながら、俺は、どこかネフシュタンの鎧の少女の事を忘れられなかった。