歌姫と錬金術とライダー   作:ボルメテウスさん

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鋼鉄のガッチャード

「これが、アイアンガッチャード」

 

 キャロルの言っていた新たなガッチャードになる事が出来た。

 

 だけど、それが本当の意味でなっているのかどうか、未だに疑問ではある。

 

「また、新たな姿という訳か、だけど」

 

 そうしている間にも、ドレッドはこちらに向かって、突っ込んで来る。

 

 その手には既に武器となるレイピアを持っており、こちらに向かって突いてくる。

 

「どれだけの物か、試させて貰おうか」

 

「ぐっ!」

 

 こちらに迫る攻撃。

 

 それに対応する事が出来ず、俺はそのまま吹き飛ばされる。

 

「ぐっ!」

 

 襲い掛かってくる衝撃。

 

 後ろにあった建物の壁を次々と突き破りながら、建物の中で倒れる。

 

「はぁはぁ」

 

「ほぅ」

 

 だが、衝撃はあったが、それ程大きなダメージはなかった。

 

 身に纏っているテンライナーの装甲には、先程のダメージは勿論、突き破っている間のダメージもまるでない。

 

 まさしく、鋼鉄の装甲に相応しい防御力だった。

 

「確かに、アイアンというだけあって、頑丈そうではあるな。

 

 だけど、攻撃が無意味という訳ではないようだな」

 

「ぐっ」

 

 ドレッドの言葉は間違いはない。

 

 今の一撃でもかなりのダメージを受けたが、俺の身体はしっかりと動くし、まだ戦闘が出来る状態だ。

 

 だが、この状態で攻撃を喰らえば、同じ事を繰り返す事になるだろう。

 

「さて、どうする?」

 

 ドレッドは再びレイピアを構え直すと、こちらに向けて攻撃を仕掛けて来た。

 

 それを何とか回避すると、反撃として拳を振るう。

 

「ふんっ!」

 

 しかし、それは簡単に避けられてしまう。

 

 だが、それも予想通りだ。

 

 俺はすぐに次の行動へと移った。

 

「ふむ……」

 

 避けた先に追撃を放とうとしたのだが、既にそこには誰もいない。

 

 やはり、スピードではドレッドの方が上だ。

 

「ならば……」

 

 だが、それでも俺の攻撃を避けたのは事実。

 

 だからこそ、俺が行うべき行動は。

 

「ふぅ」

 

 動かない事だ。

 

 このアイアンガッチャードの能力は未だに分からない事が多すぎる。

 

 力を貸してくれるテンライナー自身も同じだ。

 

 だからこそ、今、分かっている事。

 

 鋼鉄を思わせる防御力と共に連想するのは、圧倒的な攻撃力。

 

 両腕が未だに不完全ではあるのが分かっている。

 

 ならば、俺に出来るのは、どうそれを補うのか。

 

「ほら、動きを止めている場合かい!」

 

 ドレッドは既に当初の目的を忘れているように、俺に攻撃を行う。

 

 それは遊ぶように、いや実際に遊んでいるんだろう。俺の動きを観察し、その行動を予測している。

 

 だからと言って、こちらもただ攻撃を受け続けるつもりもない。

 

 俺だって、この力を試してみたいと思っているのだ。

 

 そして、俺は一つの答えを出す。

 

 この力は、防御に特化しているという事を。

 

 故に、この状況を覆す方法は一つしかない。

 

 俺はドレッドに向かって走り出す。

 

 当然のように、ドレッドはそれを避ける為に動いた。

 

「そんな鈍足な動きで、僕には」

 

「忘れたのか、俺は確かにアイアンガッチャードではあるけど、それと同時に!」

 

 それと共に、俺はイメージする。

 

 自分の両腕にある足りない物を。

 

 先程までの戦いで覆っていた両腕を。

 

「仮面ライダーなんだ!」『スチーム!!』テンライナー! シャイニングフィーバー! 

 

「なっ!」

 

 俺が造り出したのは、両腕には巨大なテンライナーを模したガントレット。

 

 それを真っ直ぐと、まるでロケットを思わせる勢いで拳を放つ。

 

 先程まで調子に乗っていたドレッドは、その一撃を躱す事は出来なかった。

 

 重く、鋭く、必殺の一撃。

 

 ドレッドは、その一撃を食らい、吹き飛ばされる。

 

「はぁはぁ」

 

 それが、体力の限界だろう。

 

 俺はゆっくりと、そのまま倒れる。

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