「記憶の中と、考えても良いのか」
キャロルは、そう呟きながら周囲の光景を見る。
彼女は現在、一ノ瀬の脳内に入っている。
彼女の目的としては、未だに多くの問題点があるアイアンガッチャードの改良点を見つける事であった。
その為にも、一ノ瀬の中に、僅かに残っているだろうビルドの記憶を探る為に、来訪していた。
「だとしても、これは一体どういう状況なんだ?」
それと共に、周囲の状況に困惑を隠せなかった。
周囲の建物を見る限り、現代であるのは間違いなかった。
しかし、それはキャロルの知っている現代の風景ではなかった。
「まったく、これも影響なのかって」
そう呟いている間に、キャロルは自身に向けた殺気に気付き、すぐに構える。
襲い掛かる銃弾の嵐に対して、錬金術で造り出した盾で防ぎながら、見つめる。
「あれは、確かビルドの世界のガーディアンか、厄介な奴らが」
だが、そう呟いている間にも、ガーディアン以外にも、次々と姿を見せる。
それは、キャロルにとっては見覚えのある怪人達だった。
「マルガム!?いくら、記憶の中とはいえ、無茶苦茶すぎるだろ」
そうしながらも、キャロルの選択肢は、逃げる事だった。
キャロルもまた仮面ライダーではあるが、変身する為の条件であるエルフナインがいない。
その状況での変身は不可能な為、彼女はすぐに逃げる事を選択した。
「まったく、あのバカはどこにいる!本当だったら、あのバカと合流したい所だが」
周囲を見渡しても、その人物は見えない。
そうしている間にも、マルガムの一体、エンジェルマルガムがキャロルに襲い掛かろうとした。
「ぐっ」
その一撃に対して、すぐに防ごうとした。
だが。
「ライダーロケットドリルキック!!」
聞こえた雄叫び。
それと共にエンジェルマルガムに向かって、一つの光が貫く。
キャロルは疑問に思いながら、その攻撃を行ったと思われる相手を見る。
「お前は、確か」
それと共に見つめた先。
そこにいたのは。
「よぅ、大丈夫だったか!」
「仮面ライダーフォーゼ」
そこには立っていた白い戦士。
その名は、仮面ライダーフォーゼ。
「そうか、あの時、ビルドだけではなく、フォーゼもいたのか」
「んっ、お前、ビルドを知っているのか?」
「まぁな、というよりも、お前は自分がどういう存在なのか、分かるのか?」
「分かると言われてもなぁ?」
そう、フォーゼは首を傾げた。
それに対して、キャロルは溜息を吐く。
「まぁ、普通は分からないよな。まぁ、おそらくはお前は一ノ瀬の中にあるフォーゼの記憶が実体化した存在だろう。ある意味、この状況では味方が増えたと考えて良いだろ」
「一ノ瀬の頭の中?よく分からないけど、たぶん、あの時と似た感じか」
「あの時?」
それに対してキャロルは首を傾げる。
「あぁ、ちょっと前にな、その時にウィザードとオルフェウスっていう奴らと一緒にアクマイザーとかいう奴と戦ったんだ。
その時に、人間の中の世界で戦ったんだけど、その時に仮面ライダーが魔力で実体化したんだ」
「…色々と気になる単語があったが、おそらくはケミーカードを通じた記憶という訳か。これも単なる再現体ではない証拠か」
それに対して、キャロルはある意味、希望が持てる情報であった。
それを元に考えれば、この世界で出会うビルドこと桐生戦兎も似た状態だと。
「まぁ、お前に聞きたいけど、お前はなんでそんなにビルドに会いたいんだ?」
それに対してキャロルは頷きながら。
「決まっている、俺の、親友を助ける為だ」
その言葉を聞いたフォーゼは頷く。
「良いぜ、力を貸すぜ!」
それと共に、キャロルもまた頷く。