「どうなっているんだ、この空間は」
周囲を見回しながら、キャロルは、その明らかに異常な空間に対して頭を抱える。
一ノ瀬の脳内に広がっている町並みは見覚えはなく、周囲にいるのは怪物。
それらは、キャロルにとっては見覚えのない存在が多く見られる。
「俺も詳しい事は分からないけど、以前にも戦った事のある奴らも多く見られるな、
けどそれが一体」
「ケミーカードを通じた記憶だと思うが」
「ビンゴ、よく分かったね」
同時に聞こえた声に対して、キャロルは振り返る。
それと共に、目的の人物にすぐに会えた事に対して、安堵すべきか、もしくは。
「図ったように現れたな、桐生戦兎」
「まぁね、こっちもそっちが求めているだろう情報を纏めていたからね」
そうしながら、戦兎は、そのまま自身のスマホをこちらに見せた。
「お前も分かっている通り、今の俺達はケミーカードを通じて誕生した擬似的な存在だ。
まぁ、事情もある程度分かっているからな」
それと共に、そこにいたのは一ノ瀬が変身したアイアンガッチャードの姿だった。
その姿はかなり痛々しく、それを思い出すだけでもキャロルは手を強く握り締める。
「・・・私の失敗を見て、何か言いたいのか」
「別に失敗から学べば良いだけじゃん」
「そうそう、失敗は成功の元だ!」
「ちっ」
戦兎の態度、そして弦太郎の励まし。
それに対して、キャロルは思わず舌打ちをしてしまう。
戦兎は、それと共に立ち上がる。
「それに、一ノ瀬が強くなる方法なんて、既に分かるじゃないか」
「分かるって、何が」
「そうなのか、後輩?」
戦兎は不敵な笑み、それに疑問に思った弦太郎も思わず質問してしまう。
「あぁ、一ノ瀬が一ノ瀬らしく戦えるようにすれば良い」
「一ノ瀬らしくって、そんなの、どうすれば」
そうしていると、こちらに攻め込む音。
それに気づいたキャロルもまた、すぐに構えた。
「さて、それじゃ、大ヒントを渡さないとな」
「大ヒント?」
「フォーゼ、一緒に戦うぞ」
「えっ、それが助けになるのか?」
そう、戦兎の言葉に対して、思わず弦太郎は尋ねる。
「あぁ、勿論」
「・・・よく分からないけど、分かったぜ!」
それと共に、戦兎達は同時に構える。
「「変身!」」
2人は、同時にその姿は仮面ライダーとしての姿へと変わった。
「これが、大ヒントって、一体」
そう考えながらも、キャロルは、その姿を注意深く見る。
ビルドの戦い方。
それは、ガッチャードを始めとした多くのメンバーと共通している。
様々なボトルの組み合わせで、様々な姿に変わる。
次第に、その姿は最強の姿であるジーニアスへと変わる。
「ジーニアス、確か60のフルボトル全ての成分を使いこなせるようになっているため手数が豊富で、しかもフォームチェンジ不要で即座に発動できる」
その姿を見て、キャロルはすぐに考える。
それが、もしも、一ノ瀬も似た事が出来れば。
それと共に、フォーゼの方を見る。
「フォーゼのシステム。四肢にある武装を切り替えて、戦う事が出来る」
それらを観察していくと共にキャロルの思考が進む。
それと共に、見えたのは、ガッチャード。
「これは、まさか私の思考に合わせて」
そして、ガッチャードが走り始める。
その姿は、最初はスチームホッパーだった。
だが、次に変わったのは、スーパーガッチャード。
そのどれもが、ホッパー1とスチームライナー。
2体のケミーの力を合わせての姿だった。
「欠けていたのか、そして、それを補う事が出来れば!」
それと同時に、見えたのはアイアンガッチャード。
始めは失敗だと思えた。
だが、既にその答えが見えるのと同時にアイアンガッチャードの装甲は弾けた。
同時に見えたその姿と共に、僅かに見えたそのガッチャードの戦い方。
それは、ビルドのように自在にケミーの力を引き出す。
そして、フォーゼのように、腕に、脚に力を纏い戦う。
「そうか、一ノ瀬、それがお前の理想の、そして最も望む戦い方なんだな」
同時にゆっくりと覚めていく。
「どうやら、掴めたようだな」
それと共にビルドも、フォーゼも徐々に消えていこうとしている。
それは、その夢が覚めようとしている証拠だった。
「・・・礼は言わないぞ」
「何、後輩の助けになったんだ!後悔はないぜ!」
「そうか」
それと共にキャロルは現実の世界へと戻る。
「キャロル!」
そう、目が覚めると共に、エルフナインがこちらを見ていた。
「・・・そっちも掴めたようだな」
「はいっ、ですが、急がないと」
「あぁ、分かっている。こっちは後でなんとかするが、まったく」
それと共に。
「一ノ瀬の奴は、まだ目が覚めそうにないんだったら、先にこっちをやるか。エルフナイン、やるぞ」
「っ分かりました!」
その言葉と共に、キャロルとエルフナインは瞬時に、マジェードへと変身する。
2人が1人になった事により、知識は共有される。
そして、ザ・サンによって引き出されるエネルギーで瞬時に錬金術を行えた。
「これは」
「まずは、あいつらへの土産だ