「まさか、アダムの奴が直接来るとはな」
そうしながら、S.O.N.G.の基地である本部において、持ち帰られた情報を聞きながら、弦十郎は確認するように呟く。
エジプトのピラミッドの中で行われていた戦い。
「だけど、結局情報はあまりにも少なすぎる」
それと共に、彼らが持ち帰ってきた情報を整理するように見つめる。
ピラミッドの内部で発見された情報としては、意味深に残されていた小さなカードが納められていた跡。
今回の戦闘で聞いたマルガムが生まれた場所でもある。
「マルガムとは確か」
「ノエルの奴が実験で成功させた代物だ。最も、それ以前から一応はマルガムの情報はあったがな」
キャロルはそう言いながらも続ける。
「マルガムは、簡単に言うと人間とケミーの融合の失敗例と言うべき存在だ。
人間の悪意に反応すると共に暴走しており、力を制御していない存在だ」
「それは、分かるが、だが」
「あぁ、奴が言った、マルガムが生まれた場所というキーワードが気になる所だけど」
そう言っている時だった。
「それだったら、気になる情報が一つ」
「それは、本当なのか」
すると、関流がとある画像を見せる。
それは、何やら棺を思わせる何か。
「これは一体?」
「あの戦いの最中で、破壊された穴の向こうにあった物だ。
ここにあったのは、棺のようだ」
「未だに発見されていない棺という事なのか、だが」
画像で映し出された棺。
それには確かにそこに何かがあったのが一目で分かる。
しかし、そこにあった物は既に無くなっている。
「中に入っていた者、おそらくはミイラだと思うが」
「これが一体何に関係しているのか」
「さぁな、だが少なくとも、何の意味はないだろう」
キャロルはそう言いながらも解析を続ける。
「それで、他の奴らの所の調査はどうなるかが肝心になるが」
「まさか、再びこの地にも関係していたとは」
そうしながらも、現在、他のチームの様子を見ていた。
現状、錬金術師に大きく関連している場所としては残り三箇所。
錬金術の組織であるパヴァリア光明結社の本部があると思われるイギリス。
かつて、パヴァリア光明結社が暗躍しており、僅かな手掛かりがある可能性のあるバルベルデ共和国。
そして、おそらくはパヴァリア光明結社が現在活動していると思われる日本。
「無事に調査が終わってくれると良いが」
「まぁ、確実に邪魔は入るだろうな、だが」
キャロルは同時に今回の1件で、一つの可能性を考えていた。
「アダムの奴が邪魔してきた。
つまりは、何か手掛かりがある」