「さて、そのレベルナンバー10の力、どう使えるか」
グラヴィスは、その一言と共にその手を真っ直ぐとケミカルに向ける。
それに対して、ケミカルも、それに合わせるように手を向ける。
「「っ!」」
その衝撃は、互いに襲い掛かる。
グラヴィスの能力は、ケミー同士の組み合わせで造りだした能力である重力操作。
しかし、ケミカルの、今の彼に力を貸しているゼグドラシル。
その能力は。
「さすがはレベルナンバー10のゼグドラシルの空間操作!」
ゼグドラシルの能力に、グラヴィスは、驚きの声を上げる。
そして、そんなグラヴィスに対して、ケミカルはその拳を突きだす。
しかし、それを、グラヴィスは受け止めてみせた。
だが、その瞬間。
ピキィィン! という音が鳴ると同時に、グラヴィスの纏っていた重力が霧散する。
その現象には、グラヴィス自身も驚いていた。
「ほぅ!」
そうしている間にも、ケミカルは瞬時に接近する。そして、拳を振り上げて──―振り下ろした。
それを、グラヴィスは両手で防ぐ。
ドォン! という衝撃音が鳴り響き、グラヴィスはそのまま後方へと押し飛ばされた。
それを見たケミカルは、その場から跳躍して後方に下がる。
すると、先ほどまで立っていた地面が大きく陥没した。
「これは、そうか」
「……」
ゼグドラシルの能力だけを見ていた。
グラヴィスは、その事に対して、少し後悔していた。
レベルナンバー10の力は強いのは、確かだった。
しかし。
「はあぁぁぁぁ!!」ゼグドラゼミ! ノヴァ!
それと同時だった。
ケミカルは、その場を動かず、回し蹴りを放った。
本来ならば、グラヴィスに決して当たる事が出来ない距離。
しかし。
「があぁぁぁ!!」
グラヴィスの腹部に衝撃が走る。
同時に、吹き飛ばされた。
「まさか、空間操作に加えて、バクオンゼミの音を操る能力。それら二つが合わさっているとは」
「……ただ、あいつのように信じただけだ。ケミーの事を」
「……そうか」
それを聞きながらもグラヴィスの変身は解除される。
「人間とケミーが良き関係のように、ライダーとライダーが、互いに影響する。そういう意味では、私達は互いに影響などしないように孤立していたな」
「……」
それに、ケミカルは黙って聞いていた。
「……だからこそ、アダムは、それを許さないのだろう」
「どういう事だ」
その一言に、思わず詰め寄る。
「……日本に急げ、既に、奴の計画は始まっている」
「なっ」
その言葉の衝撃に、その場にいた全員が驚きを隠せなかった。
同時に、その通信が、彼らの元に来た。