サンジェルマンとの戦いは既に決着がついた。
だが、未だに彼女は、戦いを止めようとしない。
その証拠に、その手には、先程まで強化に使われていた銃を構えていた。
同時に、その姿は、先程の仮面ライダーに身に纏っていた騎士を思わせる鎧だけを身に纏っていた。
シンフォギアと同じように身に纏うアイテムであるのは分かる。
本来ならば、強力なそれも、先程までと比べたら僅かであろう。
「この星の明日の為に、誰の胸にも二度と!」
立ち上がろうとするサンジェルマンだがなかなか立てなかった。
響と暁さんのユニゾンによる技と共に、2人がケミーによる強化も得たその一撃は、ドライバーを破壊する程の威力であり、その身体には大きなダメージが入っているのは間違いない。
それでも彼女は立ち上がる。
「あのような辱めを刻まないために私は支配を…革命する!」
その目には、俺達とは違う確かな使命があるのが分かる。
「私もずっと正義を信じて握りしめて来た。だけど拳だけでは変えられないことも知っている」
「!」
敵でありながら手を差し伸べている響に驚く。
「だから…握った拳を開くのを恐れない。神様が仕掛けた呪いを解くのに神様みたいな力を使うのは間違ってます。人は人のまま変わっていかなきゃいけないんです」
「何よりも、俺達は人であるからこそ繋がりを得られた。だからこそケミー達は俺達に力を貸してくれた」
「ケミーが」
それと共にサンジェルマンの視線は、ドライバーから飛び出たケミーカード。
それは本来のケミーとはどこか色が違う。
おそらくは彼女達用に造られたのだろう。
それでも、そこには確かな意思があり、サンジェルマンを気遣っている様子だ
「『だとしても』…いつだって何かを変えていく力は『だとしても』という不撓不屈の想いなのかもしれない」
そんなケミーの姿と共に響の思いを受け取ったサンジェルマン。
そうして、響の手を取ろうと差し伸べた。
「そこまでにしてもらうよ。茶番は」
同時に、俺達の耳に聞こえたのは声。
見上げれば、そこにはアダムの姿があった。
同時に、先程まで大きく目立っていた金色の柱が再び現れ、ガイアードに注ぎ込まれる。
「なっ何が起きているんだ!」
「これは…天を巡るレイライン?まさか!?」
映像を見て作業をしていたエルフナインはアダムの行動に驚いた。
「アダムはこの星からではなく天の星々から命を集めるためオリオン座そのものを神出ずる門に見立てている」
「マクロコスモスとミクロコスモスの照応は錬金思想の基礎中の基礎っ、いやだからか!その基礎故に見逃してしまったのか」
状況を理解したエルフナインとキャロルの声が聞こえる。
それと共に、ガイアードが苦しむ声が聞こえる。
「アダムっお前はっ、なんでそんな事が出来るんだ!ガイアードが苦しんでいるのにっ」
そんなアダムの行動に、俺は怒りと共に睨み付ける。
すると、アダムは。
「あぁ、本当に心苦しいよ、けどね、僕の理想を実現する為には、彼には頑張って貰わないといけないんだ」
「教えてください統制局長!この力で本当に人類は支配の軛より解き放たれるのですか!?」
「あぁ、解き放たれるとも。僕は嘘はつかないよ」
そうアダムは答えた。
「なんだって、人類はこの世界から消える。それはつまり、もう支配から解放されたも同じだからね」
「なっ」
その言葉に、その場にいた全員が戦慄した。
「巫山戯ているのかっ、そんな事をして、何がしたいんだ!」
「君は馬鹿かい?僕は先程も言っただろ、理想を実現する為に」
「その理想とは一体何なんだ」
「決まっている」
そう、アダムは、こちらを見下すように言う。
「ケミーのケミーの為の理想郷。それが僕の理想だよ」
「なんだとっ」
その瞬間、俺は目の前にいるこいつが何を言っているのか、分からなかった。
「さて、この姿も、そろそろ窮屈だと思ったからねぇ!」
同時に、アダムはその姿を大きく変える。
それと共に、その姿に驚きを隠せなかった。
それは、通信機越しで見ていたキャロル達も同じだった。
「まさかっあれはっ」
「最後のレベルナンバー10のドラゴナスっ」
「そのマルガムだとっ」