歌姫と錬金術とライダー   作:ボルメテウスさん

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アダムの目的

「マルガムっ」

「一体、いつから」

「初めからさ、君達の前にいた時から」

 

そのマルガムを一言で言えば悪魔を連想させた。

紫色のドラゴンを拘束させたような頭部が特徴的だ。

胸元には頭が左右対称に結合している状態となっており、遠目から見ると、赤い一つ目に見える。

 

「ノエルが造り出したのか」

「違うね、彼は、私をモデルに造ったんだ。まぁ、仲間を増やす為に少し手を貸して貰ったけどね」

「局長、あなたの目的は一体何なんだ!」

 

その言葉に対して、アダムはゆっくりと答える。

 

「全てはケミーの為だ」

「なに」

 

その言葉に、俺達は思わず見つめる。

 

「ケミーは純粋だ。まるで水晶のようでいて、僕を崇めてくれる。君達のよつな人間とは違ってね」

「ケミーが大切なら、なんでこんな事を」

「全てはケミーに害する人間を滅ぼす。ただそれだけ」

 

そう、アダムはそのままこちらを見る。

 

「ケミーは僕と同じで造られた存在だった。最も僕は彼らと違って、サンジェルマンが憎み、フィーネが愛した神によってだけど」

「なっ」

 

そこで出てきたアダムの正体に驚きを隠せなかった。

 

「完璧を求められ、造られた。しかし、完璧故にそれ以上はなかった。

そんな僕に飽きた彼らは僕を破棄した。力をほとんど取り上げてね」

 

同時にその時の事を思い出したのか、アダムは苛立ちを隠せない様子だった。

空を飛んでいるはずなのに地団駄をしながら。

 

「だけど、そんな時に出会ったのは、僕の親友だった。

不完全な人間ではあったけど、僕の知識を受け、多くの事を成し遂げた。

その精神性に僕は神の言っていた事を理解出来た」

 

そうして、アダムはその事を思い出したように呟く。

 

「だが、それを裏切ったのも人間だ、奴は彼の力を恐れて、殺した。

恩人であるはずの彼に対して!!悪魔の力と言って!!」

 

それには、どこか覚えがあった。

それは、かつてのキャロルのように。

いや、もしかしたら、本当にキャロルだったかもしれない。

 

「そして、僕達は彼の墓で眠る事になった。無力だったからね。しかし、運は僕に味方した。

墓で眠っている間に、僕は起こされた。欲に塗れた人間は、僕達をお宝だと思って、一つの袋に入れた。

だからこそ、僕はドラゴナスをその身に宿した」

 

「これまでの馬鹿げた力は、全てドラゴナスによる力という訳か」

 

「そこからは君達も知っての通りだ。まぁ、ケミーを犠牲にするつもりは始めからなかったからね」

 

「それで、どうするつもりだ」

 

「滅ぼすつもりさ、人間を」

 

それと共に、こちらに向けて、巨大な火炎を放った。

 

俺は、すぐに防御する為に、行動しようとしたが、それよりも前に。

 

「Gatrandis babel ziggurat edenalEmustolronzen fine el baral zizzlGatrandis babel ziggurat edenalEmustolronzen fine el zizzl」

 

「っ」

 

見ると、暁さんが絶唱して巨大化させた鎌をプロペラのように回転させて爆風と熱から俺達守っていたのだ。

 

「暁さん!」

 

「ここで先輩達をやらせる訳にはいかないのデス!」

 

そう、彼女が、その攻撃を受け止めていた。

 

俺達はすぐに止めようとしたが、それよりも早く、火炎は止んだ。

 

すぐに、俺は暁さんを受け止める。

 

「大丈夫か!」

 

「ははぁ、かなり無茶をしてしまいましたが、なんとか」

 

同時に、見ると、カマンティスとミテミラーがかなり疲労している。

 

おそらくは、絶唱を軽減する為に行ったんだろう。

 

「彼らを犠牲にしては意味がないからね」

 

「お前っ」

 

同時にアダムが途中で攻撃を止めた理由も理解した。

 

こいつはどこまでもケミーの為に行動している。

 

だけど。

 

「お前は、ケミーが人と一緒にいたい気持ちを無碍にするのかっ」

 

「それはお前達が勝手に決める事だ。何よりもケミーは君達よりも長く生きる。

そうすれば、彼らも理解する。僕が正しいと」

 

そう、確信するようにアダムは言う。

 

だからこそ理解した。

 

「お前を止める」

 

そう、俺はアダムを睨む。

 

同時にサンジェルマンもまたアダムを睨んでいた。

 

「その力占有を求めるのであれば貴様こそが私の前に立ちはだかる支配者だ!」

 

「実に頑なだねぇ君は。忌々しいのはだからこそ…だけど間もなく完成する!ガイアードは、まさしく神如きの力を得る!!そうなれば敵わないよ。君に止める事など!!」

 

そう、こちらを睨みながら、アダムは、その腰にはドレッドドライバーを巻く。

 

さらには、三枚のケミーカードを同時にだ。

 

「変身」ドレッド・参式

 

鳴り響く音。

 

同時に現れたドレッド・参式。

 

それはこれまでのドレッドの全ての力を収束させたような姿であり、剥き出しになったドラゴナラスの力も相まって、強力だ。

 

「私達は互いに正義を握り合い終生わかりあえぬ敵同士だ」

 

そんなアダムを見ながらも、俺の右側へと立つサンジェルマン。

 

「だけど今は同じ方向を見て同じ相手を見ています」

 

そして、俺の左側へと立つ響。

 

「どんなに敵は強大で圧倒的。だが、貫き抗う言葉は一つ!」

 

同時に俺もまた、暁さんを寝かせる。

 

それと共にサスケマルに任せ、アダムを睨みながら。

 

「「「だとしても!!」」」

 

俺達は、3人、声を合わせて叫んだ・

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