「今から10年以上前、俺はその日、初めて仮面ライダーになった」
ガッチャードデイブレイクこと、宝太郎は自分の過去を語り始めた。
ケミーとの出会い。
そこから関わった錬金術師としての道。
そして、仮面ライダーとしての戦い。
多くの出来事を懐かしむように語る。
「だけど、あのクリスマス。それが全てを変えた」
「クリスマスに」
それに対して、宝太郎は頷く。
「これまで、静観していたグリオンが本格的に動き始めた。
そこから、本当に命懸けの戦いが始まった」
戦いを続けるが、その最中では多くの犠牲があった、
宝太郎が慕っていた先輩も先生も、大切な友人達、そして愛する家族も。
戦いの中で、皆、死んでいった。
そして、グリオンは、その最終目的である暗黒の扉を開けてしまった。
「それが、この世界」
「あぁ、この世の生きとし生ける者全てを黄金に変える力。それが奴の願った世界だ」
「錬金術原理主義者」とも呼ぶべきものであり、古の時代に生きた錬金術師からは受け入れられた行動だったかもしれない。
「けど、俺は諦めなかった。それはケミー達も同じたった。だからこそ、この姿になれた」
「オレンジ色のガッチャードに」
「あぁ」
響の言葉に宝太郎は頷く。
「既にこの世界には、未来はない。だけど、俺は一つだけやりたい事があった」
「やりたい事」
「最悪の未来ではない未来。その未来を見る為に、俺は過去に行った」
「過去に」
「あぁ、あのクリスマスの時に」
そこからは、少しだけ嬉しそうに笑っていた。
「その時、過去の自分が未来を変える瞬間を見届けることができたのは、少しばかりの救いだった」
宝太郎は、そう呟いた。
「だけど、この世界は」
「過去を変えても、それはまた別のパラレルワールドが生まれるだけ。だけど、確かに救いのある世界がある」
そうして、宝太郎は頷く。
だが、そうしてバイクを走っていくと、何かの気配を感じた。
宝太郎は、その場でバイクを止め、見つめる。
「お前の方から姿を見せるとは、今日はどんな日なんだ」
そうして、宝太郎が見つめた先には一人の男がいた。
響は、どこかその人物に見覚えがあった。
「もしかしたら、世界を救える方法がある。それを伝えに来た」
「世界を救う方法だと?」
その言葉に宝太郎も響も首を傾げる。
「神様が、そんな事を言うとは、珍しいな」
「俺も信じられなかったさ。けど、この世界に来た奴らが企む事を知って、それを利用してな」
「えっと、それは一体」
同時にその人物を見つめる響。
しかし、それに合わせるように、周囲にはマルガムがその姿を現す。
「すぐに教える。だから、そこで待っていろ」
そう、その人物は言うと、彼は既に構えていた。
『DOOMS GEATS!SET JUDGMENT』
「あれって」
それには響は見覚えがあった。
過去に幾度となく、自分達を助けてくれた人物。
「変身」
その人物の名は、エース。
『REVOLVE ON!JUDGMENT BOOST!DOOMS GEATS!READY FIGHT』
「仮面ライダーギーツ」
その名を、呟く。