響の、そのシンフォギアは大きな変化をしていた。
それは、エクスドライブを若干、簡略化したような姿。
エクスドライブの時のように、光の翼が生えている訳ではない。
「これは、エクスドライブに似ているけど、少し違う」
「ガッチャードイグナイターは、ケミーの力を底上げにする事が出来る」
「そうか、だから」
エクスドライブと良く似ている。
おそらくは、このイグナイトは、シンフォギアのリミッターを一時的に解除する事が出来る。
ケミーの力を借りた強化ではなく、純粋にシンフォギアそのものを強化する力。
「だけど、それで何が出来る」
そうして、グリオンは、こちらに向けて、再度、黄金の塊を放ってくる。
それを見つめた後、響はそのまま構える。
光の翼が生えていた場所は、翼の代わりに排出されたのは、黄色い光。
それは、まるでジェット機を思わせる噴射でグリオンに接近する。
「はぁぁ!!」
その黄金の塊を打ち砕いて、そのまま、グリオンに迫る響。
だが、そんな響に対して、グリオンは、今度はグリオンの手から黄金の剣が出現して、それが響に向かって突き出される。
だが、響はその黄金の剣を受け止める。
「なっ」
「はあぁぁぁ!!」
そのまま、光の噴射と共に、響は加速しながら、グリオンを押し出す。
その勢いのまま、グリオンを吹き飛ばす響。
しかし、グリオンも負けてはいない。
吹き飛ばされながらも、体勢を整えて着地し、黄金の剣を構える。
そして、黄金の剣を構え直すと同時に、今度は黄金の棍棒をもう片手に持つ。
「させるかぁ!!」
「はぁ!」
その棍棒による一撃に対して、響は拳を叩きつける。
すると、黄金の棍棒は粉々に砕け散った。
それを見て、グリオンの顔色が変わる。
「馬鹿な……」
「はあああっ!!」
その隙を突いて、響はさらに踏み込む。
その動きに合わせるように、次は剣で斬りかかるグリオン。
だが、それに対して、響も同じように拳を振るう。
ぶつかり合い、火花を上げる。
「ぐぅ……!」
「だあああっ!!」
そのまま、互いに押し合う二人。
やがて、響の方が競り勝ち、グリオンは大きく後ろに弾き飛ばされる。
しかし、グリオンはすぐに体勢を立て直そうとする。
「はああぁぁぁ!!」
すると、響の身体から、アンカーを射出し、炎が最大出力になるまで体の位置を固定。
同時に、背中の噴射口から炎が細く蒼白くなるのを待つ。
「ぐぅ!」『オーバーカタストロフィ』
それと共に、グリオンもまた必殺の一撃を放とうとした。
そして。
「はぁっっ!!!」
鎖が弾け飛び、その勢いで超スピードの響のパンチが、グリオンを吹き飛ばす。
その、あまりにも強すぎる一撃。
それはグリオンの想像を超えており、ガードすらままならず、まともに喰らってしまう。
そして、地面に叩きつけられた衝撃で地面が大きく陥没すると、砂煙が舞い上がる。
「くそぉ……」
グリオンは立ち上がろうとするが、ダメージによってうまく立てない。
「この私が、黄金のれんきぃんじゅぅつしぃがぁ」
そのまま、黄金の身体を熔けながら、叫ぶグリオン。
「なんとかなったか」
「あぁ、そして、この世界が偽物だろうと、俺達がやるべき事は、変わらないからな」
「っ」
同時に、2人の言葉に響は、すぐに振り返る。