「はぁ、どうしたら良いのか」
そう呟きながら、諸干朝美は悩んでいた。
これまで多くの戦いを乗り越えてきた彼女だが、一つ、大きな悩みがあった。
「私、ゲームの製作会社の社長として、本当になれるのかな」
それは、未だに彼女自身が社長として未熟である事。
仮面ライダーとして、多くの敵と戦ってきたが、それでも、社長としての成長をしているのかと言うと、全くしていなかった。
だからこそ、諸干は
悩んでいた。
「……私は、社長の器なのかな」
そんな事を考えている。
自分の大好きなゲームを、もっと多くの人に楽しんで貰いたいからこそ、彼女は社長になりたいと思っている。
しかし、まだ自分は社長として未熟だと感じているのだ。
すると、その時だった。
「大変です!」
「ふぇっ!?」
諸干の手元にあるスマホから突然声が聞こえた。
その声に驚いた諸干は思わず変な声を出してしまう。
そして、恐る恐る、スマホから来ている連絡にすぐに応じる。
「大変です! そちらに謎の反応があります」
それはSONGからの連絡に、諸干はすぐな頷く。
「分かった、すぐに向かいます!」
その言葉に頷くと彼女は慌てて支度を行い、向かった。
反応があった場所はビル街であり、そこには多くの人が倒れていた。
それを見た途端、彼女は叫ぶ
「酷い……一体、何が起きたというのです?」
「彼らは素養がなかった、ただそれだけです」
「っ!」
聞こえた声の方向を見ると、そこには一体の異形が立っていた。
その姿はまるで薔薇を歪な怪物に似せたような姿をしており、それが放つ異質な雰囲気を見て、朝美はすぐに理解した。
「マルガム、それもフレイローズの」
「君が何者か知らないが、我が社の試験の邪魔をしないで貰いたい」
「こんなの、試験でもなんでもないでしょ!」『ゲンゲンチョウチョ! スマフォーン! ガッチャーンコ! スマフォーゲン!』
諸干は、すぐにガッチャードライバーで、仮面ライダーへと変身し、眼前のマルガムへと飛び込む。
「ふむ、では試験を行おうか」
マルガムは、そんな諸干に対して、両手を広げて待ち構えていた。
その姿には警戒心などはなく、完全に自分の力を信じ切っている様子だった。
そんな姿を見ても諸干は一切怯まずに立ち向かう。
彼女の、その拳で真っ直ぐとマルガムに殴りかかるが、その攻撃はあっさりと防がれてしまう。
「ふぅん」
マルガムは、諸干の攻撃を受け止めながら、不敵に笑う。
「くっ」
「この程度かい」
すると、マルガムは、その手から薔薇の花弁を出現させると、それを諸干に向けて投げつけた。
花弁は鋭利な刃物のように鋭い切れ味で、諸干に襲いかかる。
しかし、間一髪のところで諸干はそれを避けきることが出来た。
だが、その隙を逃さず、マルガムはさらに追撃を行う。
今度は彼の口から無数の薔薇の花弁を飛ばしてきたのだ。
さすがに全てを避けることは出来なかったが、それでも直撃することだけは何とか避けきることが出来た。
「ぐっ」
「仮面ライダーとはいえ、この程度か」
マルガムはそう告げると、再び手を諸干に向けてかざす。
すると、今度は無数の薔薇が伸びて、まるで触手のように襲い掛かってきたのだ。
その攻撃を諸干は必死に避けていくが、それでも完全に避けることは出来ずに少しずつダメージを負ってしまう。
そしてついには、薔薇の攻撃によって大きく吹き飛ばされてしまう。
地面に倒れ伏した諸干に対して、マルガムはさらに追撃を行うべく近づいていく。
だがその瞬間だった。
「貴様程度で、社長とはな」
「えっ?」
それと共に聞こえた声。
すると、諸干は苦しみだした。
聞こえた声は、どこから聞こえたのか、分からずに困惑する。
だが、その声の主は、確かに近くにいる。
まるで内側から聞こえたような、その声に。
疑問よりも先に、その回答を突きつけるように、その人物は現れる。
驚く事に、それは彼女の身体から現れた。
1人の男だった。
スーツを身に纏っており、歳は彼女よりも上だろう。
「えっ、誰?」
「さて、諸干君への講義は後にしよう。まずは邪魔な奴から始末する」
その男性は、ゆっくりと、懐から一つの物を取り出す。
『仮面ライダークロニクル』
その取り出した物は、そのまま宙を舞うと、そのまま男性の腰にある物に装填される。
『ガシャット!』
そのまま、ゆっくりと男性は、宣言した。
「変……身」『バグルアップ!天を掴めライダー!刻めクロニクル!今こそ時は、極まれりィィィィ!!』
それと共に、男性の姿は一瞬で変わる。
「仮面ライダー?」