歌姫と錬金術とライダー   作:ボルメテウスさん

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エメラルダンとネクロムの杖 2幕

「この子には、指一本、触れさせない」

 

 そう、マーヤを守る為にグレアは前に出る。

 

「あの男と似た姿を」

 

「だからってなんだ!」

 

「そうだ! 俺達の理想の為に!」

 

 その言葉と共に眼前にいる男達は、マーヤに襲い掛かる。

 

 しかし、グレアは、目の前の男達に視線を合わせない。ただ真っ直ぐ、目の前で拳を振り上げてくる敵に目を向ける。

 

 そして

 

 ── ドゴォ!!

 

 男の振り下ろした右ストレートを左手で受け止めると

 

 ── ガンッ!!!

 

 そのまま男の顎を打ち抜く。

 

 それによって、変身は解除される。

 

 白目を剥きその場に崩れ落ちる。一瞬の沈黙の後、周りにいた連中がざわめき出す。

 

「さて、どうする、まだやるか」

 

 グレアは、そう忠告するように言うが。

 

「止めてたまるかっ!」

 

 男達は、再び武器を持ち直し向ってくる。

 

 ── ブン、ビュウン! ガシッ……

 

 今度は、四方八方から襲いくる拳がグレアに襲い掛かる。

 

 しかし、それら全ての攻撃に対して、冷静に最小限の動きで避け、カウンターで打ち抜いて行く。まるで風に舞う花弁の様な軽やかな動きであった。

 

 そして、瞬く間に全員が地面に倒れる事となる。

 

 倒れた相手のうち一人だけが残った。

 

 グレアは、そう、彼に忠告するように。

 

「さて、私は無駄な事はしない。君達を殺すつもりもない」

 

 しかし、そいつは、怯えながら叫ぶように言う。

 

「黙れッ!」

 

 そう叫ぶと共にマーヤに向かって、特攻する。

 

「マーヤっ!」

 

『DELETE』

 

 グレアは、すぐにカードをドライバーに1回スラッシュする。

 

 同時に全身に配置された円形の器官が、マーヤに迫った男に向ける。

 

 すると、その器官から紫色のビームが、真っ直ぐと放った。

 

 その放たれた光線は、マーヤが男に拳が当たる直前に男を吹き飛ばした。

 

「っ」

 

 だが、それよりも前にマーヤの手が男のドライバーに当たる。

 

「マーヤ、無事か」

 

 それと共に、グレアはすぐにマーヤに近づく。

 

「……えぇ、無事ねけど」

 

 同時にグレアの腰にあるドライバーを抜き、その変身を強制的に解除させる。

 

「っ」

 

「あなたの事、少し聞きたいわね」

 

「記憶が戻ってしまったのか」

 

「えぇ、幸いにも」

 

 すると、その人物はため息を吐く。

 

「こうなっては仕方ない。正直に言えば、私は君が向こう側に防ぐ為に行動したかったのだが」

 

「向こう側ねぇ、天誅騎士団の事かしら?」

 

 そう問いかけに対して、彼は首を横に振る。

 

「そう、さて、その前にあなたの名前、なんでしょうか?」

 

「そうだな、では自己紹介させて貰おう」

 

 それと共に。

 

「私の名前はギロリ、よろしく頼むよ」

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