「この子には、指一本、触れさせない」
そう、マーヤを守る為にグレアは前に出る。
「あの男と似た姿を」
「だからってなんだ!」
「そうだ! 俺達の理想の為に!」
その言葉と共に眼前にいる男達は、マーヤに襲い掛かる。
しかし、グレアは、目の前の男達に視線を合わせない。ただ真っ直ぐ、目の前で拳を振り上げてくる敵に目を向ける。
そして
── ドゴォ!!
男の振り下ろした右ストレートを左手で受け止めると
── ガンッ!!!
そのまま男の顎を打ち抜く。
それによって、変身は解除される。
白目を剥きその場に崩れ落ちる。一瞬の沈黙の後、周りにいた連中がざわめき出す。
「さて、どうする、まだやるか」
グレアは、そう忠告するように言うが。
「止めてたまるかっ!」
男達は、再び武器を持ち直し向ってくる。
── ブン、ビュウン! ガシッ……
今度は、四方八方から襲いくる拳がグレアに襲い掛かる。
しかし、それら全ての攻撃に対して、冷静に最小限の動きで避け、カウンターで打ち抜いて行く。まるで風に舞う花弁の様な軽やかな動きであった。
そして、瞬く間に全員が地面に倒れる事となる。
倒れた相手のうち一人だけが残った。
グレアは、そう、彼に忠告するように。
「さて、私は無駄な事はしない。君達を殺すつもりもない」
しかし、そいつは、怯えながら叫ぶように言う。
「黙れッ!」
そう叫ぶと共にマーヤに向かって、特攻する。
「マーヤっ!」
『DELETE』
グレアは、すぐにカードをドライバーに1回スラッシュする。
同時に全身に配置された円形の器官が、マーヤに迫った男に向ける。
すると、その器官から紫色のビームが、真っ直ぐと放った。
その放たれた光線は、マーヤが男に拳が当たる直前に男を吹き飛ばした。
「っ」
だが、それよりも前にマーヤの手が男のドライバーに当たる。
「マーヤ、無事か」
それと共に、グレアはすぐにマーヤに近づく。
「……えぇ、無事ねけど」
同時にグレアの腰にあるドライバーを抜き、その変身を強制的に解除させる。
「っ」
「あなたの事、少し聞きたいわね」
「記憶が戻ってしまったのか」
「えぇ、幸いにも」
すると、その人物はため息を吐く。
「こうなっては仕方ない。正直に言えば、私は君が向こう側に防ぐ為に行動したかったのだが」
「向こう側ねぇ、天誅騎士団の事かしら?」
そう問いかけに対して、彼は首を横に振る。
「そう、さて、その前にあなたの名前、なんでしょうか?」
「そうだな、では自己紹介させて貰おう」
それと共に。
「私の名前はギロリ、よろしく頼むよ」