「デザイアグランプリ、かつて、願いを叶える為にライダーがジャマトと命懸けで戦ったゲーム。
だが、今は全ての人々の幸福の為のゲームへと生まれ変わった」
そう、マーヤの目の前にいる人物、ギロリが語った。
「ふぅん、願いを叶える。それはつまり、死んだ人間も生き返る事は」
「あぁ、勿論叶えられたが、今は、それを無理に行う事は出来なくなったが」
「が?」
「それを擬似的に行う方法はある」
「擬似的に?」
それに対して、マーヤは首を傾げる。
「我々の未来の技術を使えば、その人物にそっくりな人物をデザインする事が出来る。おそらくは彼らは、その行為を見て、死者を蘇らせられると考えたのだろう」
「ふぅん、つまりは、それが実際に行われているように思わせるのが」
「ネクロムの杖という訳だ」
その言葉と共にマーヤは納得するように頷く。
「では、なぜ私をターゲットに?」
「それこそ、彼らからしたら、娯楽なんだろう」
ギロリは、忌々しい物を見るように、顔を歪ませる。
「この時代に起きたツヴァイウィングの惨劇。その生き残りをターゲットにして、狩る。
そうして、彼らの中で最も優れた者を、死んだはずの人を生き返らせるゲームが、今行われている」
「ふぅん、また、未来人はつまらない事を、けど」
同時に、マーヤはギロリに接近する。
「なぜ、私の記憶を消したのですか?」
「先程も言った通り、君が向こう側に着く事を防ぐ為だ」
ギロリは反対にマーヤに言い返す。
「この時代へ来る前に、この世界のライダー達の事を調べた。その中でも、未だに活動しており、奴らの方へと傾く可能性があると想定したのが、君だ」
「へぇ、私が」
そう、マーヤは笑みを浮かべる。
「私からしたら、君は彼らと変わらない復讐を考えている。今は、手綱を握られているようだが、機会があれば、向こう側に寝返る。
そうなれば、この世界で戦う彼らに迷惑をかける」
「つまりは、ガッチャードの為という事ですね」
「あぁ、その通りだ」
その言葉に、否定する事はなかった。
「同時に、君の可能性も探る為でもあるがね」
「私の?」
同時にギロリの言葉に、疑問に思い、首を傾げる。
「私は、かつて嫌悪していたライダーがいた。だけど、それが時を過ぎると共に、彼が私が求めていたライダーだと分かった。
だからこそ、私は、今度こそ間違いがないように見極める為に、君の記憶を消し、もしもの君を見た」
「・・・」
記憶を消えていた期間。
確かに、それはマーヤにとってはもしかしたらあり得た姿かもしれない。
幸せではあった。
違和感はあったが、それは確かだ。
「まぁ、記憶のある今の私には関係はないけど」
「本当かい?」
「なに?」
それに対して、ギロリは返答する。
「君が望むのならば、君の記憶を消そう。私も、君の望む父親として、君を護り続けよう」
「・・・なぜ、そう思うのかしら?」
「なに、私もどこか楽しんでいただけかもしれない」
そうギロリは本音を言う。
同時に、懐から取り出した。
「だが、今はどちらにしても、奴らを止めなければならない。力を貸してくれるか、エメラルダン」
そう、差し出されたガッチャードライバーとケミーカード。
「・・・良いでしょう、願いに関しては、後程」
そう、マーヤは、そのまま二つのアイテムを受け取る。