歌姫と錬金術とライダー   作:ボルメテウスさん

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雨中の再会

「うぅん、やっぱり、アントレスラーは、まだ慣れないなぁ」

 

そうしながらも、俺は自分の身体を確かめるように、ゆっくりと腕を動かす。

先日のグレイムとの戦いでも、俺自身の身体が、まだケミー達の力を十全に発揮出来ていない事がよく分かった。

 

「やっぱり身体を鍛えるしか、方法はないよなぁ、でもどうやったら、んっ?」

 

そんな疑問に思っていた時だった。

ふと、見覚えのある人影が見えた。

雨の中で、傘もささないという事で、目立っていたのだが。

 

「あれ、雪音さん!」

「っ、一ノ瀬だったか」

 

こちらに気づいた雪音さんは一瞬だけ、なぜか鋭い目をしたが、こちらを見ると、何やら驚いた顔をしていた。

 

「雪音さん、良かった!あの後、探したけど、いなかったんだよ!無事で本当に良かった!!」

「あっあぁ、悪かったよ、というよりもお前こそ、無事だったんだな、本当に、良かった」

 

そう、俺の事を見て、少し安堵の表情を浮かべていた。

 

「というよりも、雪音さん、なんでまた傘を差していないの?」

「・・・近くで買い物するだけだったから。傘を持って来ていないんだ」

「だったら、家まで送るよ!丁度、俺、傘持っているし!」

「あっちょ、たく」

 

そうしながら、俺はそのまま雪音さんが案内する家まで来た。

雪音さんが住んでいる場所は、ほとんど住人のいないマンションだった。

戸惑いを隠せない最中で。

 

「ほら、さっさと帰った帰った、こんな所にいても仕方ないだろ」

「んっ、そう言われても、雪音さん、それって」

「えっあぁ、その」

 

見ると、コンビニ弁当ばかりが見えている。

さすがに、これでは駄目だろう。

 

「良かったら、俺が作るよ!」

「いや、お前なぁ「さぁてっと、何を作ろうかなぁ」はぁ、まったく」

 

そのまま、俺は雪音さんの部屋へと入る。

一人暮らしをするというには、結構狭いし、最近まで人が住んでいる雰囲気はなかった。

 

「雪音さんって、ここに住んでから、どれぐらい経ったの?」

「数日前、少し事情があってな」

 

それと共に、こちらを見なかった。

そこから、俺は深く追求するかどうか、迷った。

 

「とりあえず、ガスは止まっている。水道も止まっている。けど、なんとかなるなる!!」

 

そうして、俺はなんとか手持ちにある材料で料理を作っていく。

まぁ、幸い、そういうのは必要ない料理だったけど。

 

「いやぁ、出来た出来たって、んっ?」

 

そうしていると、ドアが開いた。

そこを見ると、赤い髪の男性だった。

 

「どちら様?」

「君は」

 

そう、疑問に思っていると、部屋にいた雪音さんが飛び出す。

 

「てめぇ」

「はぁ、そんなに警戒するな」

 

そうしながら、その男性は冷静に見つめた。

 

「とりあえず、一緒に食べますか?料理、出来ましたけど」

「一ノ瀬、お前」

「だったら、少し頂こう。ここで話もしなければならないからな」

 

それと共に、男性に部屋に案内した。

 

「それじゃ、まぁ、自己紹介だな。

俺は風鳴弦十郎、まぁ少し政府の仕事をしている男だ」

「政府の、はぁ」

 

同時に俺の脳裏に思い浮かんだのは立花さん達が身に纏っているシンフォギア。

それと関係しているのかと一瞬、思う。

 

「どうして、ここに」

「元公安の手案だよ。まぁ、彼の場合は本当に偶然のようだがな」

 

そう言いながらも、雪音さんは警戒を続けている。

それと共に、弦十郎さんから、語られたのは、雪音さんの過去。

同時に出てきたのは、適合者という、聞いた事のない単語。

 

「反吐が出るよ、大人の務め、巫山戯るなよ。何時も余計な事ばっかりして、手を差しのばしてくれたのは、本当にっ本当にっ」

 

それと共に、雪音さんは、俺を見る。

 

「悪い、料理、最後まで食えなかった」

 

それだけ言い、雪音さんは、そのまま窓から飛び出した。

 

「えっ、雪音さん!」

 

だが、それよりも早く、その姿が変わる。

彼女が、その身に纏っていたのは、シンフォギアだった。

 

「っ」

 

驚きを隠せなかった。

なぜ、彼女がシンフォギアを。

そう、動揺している間にも、彼女は、遠くへと逃げてしまった。

 

「・・・すまなかった、俺達が、大人が不甲斐ないばかりに」

「いえ、そんな事は。俺も俺が出来る事しか、出来ないので」

「本来ならば、様々な説明をしたい所だが、君には少し説明を省かせても、問題ないかもしれない」

「それは一体、どういう事ですか?」

「君なんだろ、仮面ライダーは」

「えっ」

 

それには、俺は驚きを隠せなかった。

 

「いや、仮面ライダーって、都市伝説でしょ、それをいきなり」

「様々な目撃情報と共に、仮面ライダーの性格。様々な状況。

あとは、俺自身の直感だな」

 

そう言ったこの人の目は真っ直ぐに、見つめていた。

おそらくは、誤魔化しもできないだろう。

俺は、そのまま頷くと同時に、手にはガッチャードライバーを取り出す。

 

「やはり」

「えぇ、俺が仮面ライダーガッチャードです」

 

同時に、そのまま、畳の上に座る。

 

「そうか、では、まず始めに、感謝する」

「えっ」

「君が、これまで多くのノイズから人々から救ってくれた事。まずはそれを伝えたかった」

 

それに対して、俺はなんというか、照れるしかなかった。

 

「なんだか、初めてです。

こうやって、変身しないで、言われるのは」

「そうだったのか」

 

それと同時に、俺達は、これまでの自分達の事情。

同時に目の前にいる弦十郎さんから、詳しい事情を話した。

 

「・・・なるほど、ならば、この事は、俺の胸の内に仕舞っておこう」

「良いんですか、その、俺が言うのもなんですが、その」

「あぁ、かもしれない。だが、君の情報は反対に言えば上層部に言えば、危険な可能性もある。

何よりも君は、君と一緒にいる彼女を見捨てたくないだろ」

「・・・はい」

 

それに対して、俺は頷く。

すると、弦十郎さんが、ある物を渡した。

 

「これは?」

「俺個人と連絡出来る奴だ。もしもの時の為だ」

「・・・ありがとうございます」

「それはこちらもだ」

 

それと共に、俺は立ち上がる。

 

「俺達が、大人が責任を取らなければならない。

だけど、同時に、彼女の心を救えるのは、もしかしたら若者である君かもしれない」

「俺はそんな大した人間じゃないですよ、本当に。今はただ、目の前の事だけを頑張るしかない、ただの馬鹿ですから」

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