そこは、既に多くのファンが集まっていた。
既に世界的な歌姫となった風鳴翼とマリア・カデンツァヴナ・イヴの2人の歌姫によるライブ。
その盛り上がりは凄まじく、会場には多くの人々が集まっていた。
「・・・それにしても、ここまで来たんだな」
「あぁ、本当に」
そんな会場にいるのは泉とヴァルバラド。
2人は、年齢も国籍を乗り越えて、同じ風鳴翼のファンという事で、固い友情で結ばれていた。
「まぁ、彼女達の持つシンフォギアを狙う輩がいる以上、俺達が護衛を行うのは必然」
「ライブを純粋に楽しめないのは嫌だが、それはファンの鏡として」
「あぁ」
そうしながら、2人は既に応援の準備を行っていた。
「しかし、ライブか」
同時に、泉はどこか悲しそうな表情をしていた。
「どうかしたのか?」
「・・・いや、その、ライブを聞くと嫌な事を思い出すんだ」
その言葉は、どこか重かった。
それに対して、ヴァルバラドは、ため息を吐く。
「まだ、ライブまでには時間はあるか」
「あっあぁ」
「少し、聞く」
「聞くって、何を」
「ツヴァイウィングのライブ」
「っ」
その言葉に、驚きはあった。
「なんで」
「ライブで、暗くなる。簡単な事だ」
そう、何事もないようにヴァルバラドは言う。
それに対して、泉は。
「俺は」
そんな考えをしていた時だった。
泉の相棒であるジャスティスドッグが何か動き出した。
「どうかしたのか?」
「・・・どうやら、厄介なお客さんが来たようだな」
それを聞くと共に、ヴァルバラドはすぐに歩き出す。
「ライブを中止にはさせない、さっさと終わらせるぞ」
「あぁ」
同時に、2人はすぐにジャスティスドッグが導く場所へと向かって行く。
そこにいたのは、初老の男だった。
「・・・ここでの情報は、やはり間違っていなかったようだな」
「お前は」
その男性を、ヴァルバラドは知っている。
「知っているのか?」
「・・・逃走中の錬金術師の1人であり、アベルだ、まさかこんな所で」
「だけど、一体なぜ」
そう考えている最中、そのアベルが取り出したのは、ケミーカード。
「なぜ」
「なに、ただの実験ですよ」
それと共に、アベルは、そのケミーカードを自分の身体に抑えつける。
そうしている間にも、アベルの姿は徐々に変わっていく。
全身が黒く、心臓の所にポッカリと穴が空いている。目は赤く、口が無い。両手にも黒い穴がポッカリと空いている。
「あれは、クロアナ」
「コズミック属性のケミーか、これは」
「あぁ、すぐに止めないと、不味いな」
それと同時に、その腰にあるドライバーに、ケミーカードを装填する。
「「変身!」」
それと同時に、2人は変身を行うと共に、真っ直ぐとマルガムとなった錬金術師に向かって、走る。
アベルもまた、その接近してくる2人に対して、余裕の構えだった。
「っ」
まずはヴァルバラドが、その手にあるヴァルバラッシャーを真っ直ぐとエネルギー弾を放った。
紫色のエネルギー弾は、すぐにアベルに向かって行くが、その攻撃を右手で受け止めた。
「なに?」
だが、それは火花を散らす事はなかった。
反対に、左手を構えると、そこから放たれたのは、なんとヴァルバラドが放ったエネルギー弾だった。
「なっ」
驚いている間にも、そのままヴァルバラドは、その一撃に怯んだ。
「ヴァルバラド!」「油断大敵ですよ」
その一言と共に、右手を構える。
すると、今度は、泉が吸い込まれ、そのまま首を掴まれる。
「がぁっ」
「ブラックホールの使い方は実に応用が出来る。このようにねぇ!」
それと共に、泉はそのままヴァルバラドに向かって、吹き飛ばされる。
「ぐっ!?」「がはぁ!」
互いの強固な装甲が激突し、ダメージを受ける。
「やはり、この程度でしたか」
「なに」
その言葉に対して、泉は立ち上がる。
「ガッチャードが来ない今、これからの戦いにおいてのデータを収集したかった。ヴァルバラドに関しては想定外だったが、やはりライダーで一番弱いあなたを狙ったのは正解のようですね」
「っ」
同時に、アベルはゆっくりと近づく。
「さて、あとは「はぁぁあぁ!」っ」
聞こえた声。
同時にアベルが構えると、そこに立っていたのは響だった。
「響」
「師匠から連絡が来て、すぐに来たけど、これって」
「気をつけろ、立花響!そいつはコズミック属性のケミーを使っている!」
「そう、さらには」
ヴァルバラドの忠告を聞いている間にも、アベルは既に響に接近する。
同時に響もまたすぐに構えるが。
「ふんっ」
なんとアベルは、その右手を向けてのは、泉の方。
それと共に、泉はアベルの方に吸い込まれ。
「泉君っ」
すぐに泉を助ける為に響が受け止める。
だが、それが。
「油断は大敵ですねぇ」
「しまっ」
同時に左手から放った風圧で、吹き飛ばされる。
「ぐっ」
「やはりやりやすい。こうして戦うのが一番効率的だ、助かりましたよぉ、泉君」
自分が足手纏いになっている状況。
それに対して、悔しさで手に力を込める。
「さて、ではそろそろっ」
そう呟いた瞬間。
アベルは何かが近づくのに気づく。
すぐに構えるが、その影は複数。
さらには素早く、アベルは、それに反応出来ずに吹き飛ばされる。
「何者だっ」
「吸い込むのには、腕を出さないといけない。かなり強い能力だけど、その弱点が分かれば、十分」
そうしながら、アベルに写真を撮った。
「何者だ」
そう、その人物は笑みを浮かべる。
「そうだなぁ、この場にいる皆に分かりやすく理解して貰えるには」
それと同時に、アベルに攻撃を仕掛けた存在の一つが、その人物の手元へと来る。
同時に、それを手に取り、構える。
『SIGNAL BIKE!RIDER!』
「あれは、まさか」
手に取った物を、そのまま腰にあるドライバーに装填する。
その動きだけでも、彼が何者なのか、理解する。
「Let’s 変身!」『MACH!』
それと同時だった。
男を囲むように白いタイヤ一周。
そのまま、男の身体は、白いアーマーを装着する。
「追跡、撲滅、いずれも…マッハ!! 仮面ライダー~~~マッハ!!」
そう、その名を、仮面ライダーマッハは名乗りをあげる。