マッハこと、詩島剛は、S.O.N.G.に来ていた。
「といっても、俺もあまり事情は知らないけどな」
「あまり事情は知らない?」
「あぁ、俺は進兄さんと一緒にとある調査を行っていた時だったんだ。そこにいた奇妙な車によって、この世界に何時の間にか来ていたんだ」
「奇妙な車?」
「あぁ」
そう言って、詩島が出したのは一枚の写真。
その写真に写っていたのは、赤いラインが入った白い車。
「これに?」
「あぁ、それで気づいたらこっちの世界に来ていた訳。まぁ仮面ライダーというので、少しは分かったけどな」
「そうか、ではその進兄さんだったか?その人は今は」
「あぁ、それが俺も分からないだよなぁ。俺も投げ出されたから」
「そうか、今回の1件とはあまり関係ないと思うが、とにかく調べておこう」
そうして、会議は終わりを迎えた。
彼らは、そうして、各々が別れている。
そう、詩島が少し立ち寄った時だった。
「少し焦っているようだな」
そこには泉とヴァルバラドの2人がいた。
その2人が何かを会話をしていた。
それを詩島は、そのまま隠れた。
「焦ってなんか」
「あの戦いの時、何か焦りが見えたぞ」
「それは」
それに対して、泉はどう答えたら良いのか分からない。
泉は。
「・・・そうだな。少し、話すとするか」
そう、泉はゆっくりと過去を話し始めた。
今でこそ、そのライブの黒幕であるフィーネが引き起こした事件である事は彼らは知っている。
だが、当時、仮面ライダーでもない泉でも、シンフォギアを身に纏っていない響。
普通の一般人の彼らにとっては厄災だった。
「あの事件で、俺にとっては不幸でしかなかった。俺もまた、あの事件の被害者だったからな」
「そうだったのか」
それと共に、泉は、その過去をゆっくりと語り始めた。
ツヴァイウィングのライブの生存者として迫害を受けていた泉。
だからこそなのか、そんなある日泉は生存者狩りによって大怪我を負わされた。
その泉の手術をしたのが泉の父親だった。
だが、泉の父親はその時にかつて勤めていた大きな病院の院長に手術を許す代わりに病院を辞めることを条件として出され、手術を成功したものの泉の父親は病院の医者を辞めさせられた。
そして父親は今、泉クリニックを開き再び医者としての活動を再開できている。
「だけど、俺は今でも俺を襲った人々や父親を辞めさせた院長を今でも心の奥底で恨み続けている」
「・・・まぁ、それは仕方ない事ではあるな」
「まぁ、俺と違って、立花の奴はそれを乗り越えたようだけどな。まぁ、それもあいつの一ノ瀬のおかげかもしれないけどな」
同時に泉の顔は暗かった。
泉にとって、仮面ライダーの力は特別だった。
響達の、シンフォギアと同じく、ノイズに対抗する事が出来る力。
まだ、自分しか持っていない時には、これで人々を助けられる。
そんな自信はあった。
しかし、それを打ち砕かれるのに、そんなに時間はかからなかった。
泉以外にも、多くのライダーがいた。
その最中でも、一ノ瀬は、まさしく自分が目指していたヒーローを彷彿させる存在だった。
「なんというか、俺からしたら羨ましい話だな」
「お前は」
そう、詩島が出てきた。
「羨ましいって、俺の事が」
「あぁ、本当に」
「どこが」
その言葉と同時だった。
「俺の父親は、俺の世界にあった悲劇の元凶だったんだよ」
「えっ」
それと共に詩島はゆっくりと自分の過去を語った。
ロイミュードを生み出した蛮野博士は彼の父親である事。
そんなロイミュードと戦っていたが、同じく戦っていた仮面ライダードライブこと泊進ノ介に追い抜かれた事。
「それは」
その経歴は泉と似ていた。
「だからこそ、お前は絶対に間違えるなよ」
「間違えるなよって、何を」
「・・・ダチを失う様な事をな」
そう、詩島が呟いた意味。
「大変だ!」
聞こえた警報。
「一体、何が」
「未来君が、攫われた」
「っ」
その言葉に、泉達は。