泉、詩島、ヴァルバラドの3人は、アベルが指定した古い教会へと向かった。
S.O.N.G.にも連絡はあるが、アベルを刺激させない為に、通信程度であり、3人以外は待機している状況。
そして、彼らが辿り着いた。
「おやぁ、来たようですね」
「アベル」
そこにいたのは、間違いなくアベルだった。
その近くには、未来もいた。
「未来っ」
「さて、いよいよ、始める時が来た」
「始めるって、何を」
そう、ヴァルバラドはアベルに問いかける。
「決まっているだろ、ケミーの本来の力。それを再現する為の実験をねぇ」
「本来の力だとっ、どういう事だ」
アベルは、そう言うと共に、泉達の目の前で未来の顔を一回平手打ちをする。
「お前っ」
「君では役不足なんだよ、まさかなれると思っていたのか、仮面ライダーに」
「っ」
その言葉に対して、泉は止まる。
「ガッチャードのように、立花響を救ったように、小日向未来を助けられると。
そんな考えがあったんじゃないのか」
「だとしたら、なんだ」
「出来る訳ないだろ、君程度の人間が、仮面ライダーなど」
「俺は」
そう言っている時だった。
「俺は、守るっ未来もっ皆を!」
「嫉妬、実に良い感情だ、故に」
それと同時だった。
泉に向けて、何かを投げたアベル。
「ぐっ」「金色に染まれ」
その言葉と同時だった。
「なっぐっがぁぁぁぁ!!」
泉の身体が変化する。
それは黒い炎であり、徐々に泉の身体を蝕む。
同時に、泉の懐から出てきたのは、ジャスティスドッグだった。
だが、ジャスティスドッグはなんと、その黒い炎の影響を受け。
「なっ、ケミーが再錬成されたけどっ」
「これは不味そうだな」
そうしている間にも、ジャスティスドッグは、悪意によって染められた姿、マリシャスドッグへと変わる。
そして、マリシャスドッグと泉は、そのまま一体化し、なんと。
「マルガムにっ」
「ぐっ」
最悪の事態、ドッグマルガムの誕生だった。。
「泉っしっかりとしろ!」
「ガァァァ!」
だが、暴走する泉に叫ぶ詩島。
その声は聞こえない。
「こうなったら、力尽くでも」
「止めるしかないっ、変身!」
同時に、2人はすぐに変身する。
眼前にいる暴走する泉に向かって行く。
ドッグマルガムは、その2人に対して、雄叫びをあげながら襲い掛かる。
「ぐっ、止めろ!」「そんな悪意に飲み込まれるんじゃねぇぞ!」
2人は、なんとか抑えつけようとした。
だが。
「がぁぁぁ!!」
そんな2人を、薙ぎ払うように右腕を振るった。
振るわれた事で、吹き飛ばされながら、なんとか体勢を整える。
「泉っ」「っ!」
そう見つめた先。
そこではなんと、泉右腕がだらんとなり、左腕が肩から千切れ、左肩から血のように黒い泥が噴き出している姿で、泉は激痛に悶えている声を上げている。
だが激痛に耐えながらゆっくりと泉は立ち上がると右腕はボキボキと音が鳴りながら治っていき、左腕も黒い泥が徐々に腕を形成し、左腕が再生し、再び獣のような咆哮を天に向けて上げる。
「こいつは」
「素晴らしい!これこそ私が求めていたマルガム!仮面ライダーなどの力の枷はなく、悪意のままに暴れれば、これ程の力を発揮出来るのかぁ」
「あなたはぁっ」
その一言に、その場にいた全員が怒りを隠せなかった。
「ヴァルバラド、向こうのお嬢ちゃんを助けてくれないか」
「詩島、お前、どうするつもりだ」
「無理矢理でも、分離させる」
そう、詩島は言う。
「出来るのか」
「俺のライダーシステムには、ロイミュードと人間を分離させる機能がある。それが出来るかどうかは分からない」
「だけど」
「けど、このまま放っておく訳にはいかないだろ。それに」
詩島は、構える。
「ダチを助ける為だ、多少の無茶、やるぞ」
「・・・分かった、こっちは任せろ」
それと共に、詩島は、そのまま構える。
「さて、行くぜ」
それと共に詩島はゆっくりと構える。
「かなり痛いけど、我慢しろよな」『シグナルバイクシフトカー!』
そう、そのまま、詩島は、そのシフトカーを装填する。
「変身」『ライダー! 超! デッドヒート!!』
鳴り響く音声。
同時に、彼の姿も変わる。
それは、彼のかつての友、チェイサー。
そのチェイサーと完全に一体化したと言える姿。
マッハとチェイサーが完全に一体化した究極の姿。
「仮面ライダー超デットヒートマッハ、さぁ、行くぜ!」