「ふぅ」
それと共に、風鳴翼は自分の身体の状態を確認する。
それは、かつての戦いにおいて、傷ついた為であった。
今は既に身体が回復しており、既に前線へと戻れる状態であった。
だが、それ以上に、彼女自身はアーティストとしての活動が待っていた。
翼自身も、その事を誇りに思っていた。
「それにしても、私が戦線から退いている間に、ここまでの多くの出来事が起きていたとは」
「えぇ、ガッチャードライバーの持ち主。それが判明しているだけでも既に5人ですから」
その言葉と共に、画面に映っているのは、5人が映されている。
ガッチャードに変身している一ノ瀬を始めとしたメンバーであり、現状、二課でも、その正体を探っている途中であった。
同時に彼らの背後にいると思われる錬金術師に関してもまた、調査の対象となっていた。
しかし、その情報は、あまりにも少なすぎた。
「その内の4人は敵対する可能性はほとんどはない」
「それは、分かったのですが」
そう、緒川からの説明を受けている間にも、翼はとある事が気になっていた。
それは、こちらに迫っている男性であった。
「えっと、あなたは」
「米国から来たエージェント、ヴァルバラドです。この度は回復、おめでとうございます」
その言葉と共にヴァルバラドが、手に持っているのは花束だった。
翼は、それに対して、疑問を覚える。
「あの、なぜ私に?」
「これは、私自身の気持ちの表れでもあります。それと同時に一ファンとして、そして、貴方の歌を心より尊敬している証でもある」
「あっありがとうございます」
「では、私はこれで失礼します。これからも頑張ってください」
そう言うと、ヴァルバラドはその場を去る。
「一体なんだったんだろう」
翼はその行動に対して不思議に思う。
ヴァルバラドの事については、既にある程度は知っている。
米国から来たエージェントであり、現在の協力者でもあるが、それでも謎が多い人物であった。
「とりあえず、今は考えていても仕方がないですね」
そう思いながら、緒川は改めて画面を見る。
「次のライブに対する予定が立て込んでいるので」
「あぁ、分かっているさ」
緒川が翼の方を見ると、そこには先ほどまでの疲労した様子は一切ない姿があった。
それがアーティストとしての自分の役割だと理解していたからだ。
そんな翼を見つめている人影がいた。
それは、先程まで、花束を渡していたヴァルバラドだった。
「・・・ライブ、やはり行うのか」
その情報を聞くと同時に、ヴァルバラドはすぐに動き出した